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No.4407
一切経山 1948.8m一等三角点峰
山行種別 無雪期一般
いっさいきょうざん 地形図 吾妻山、土湯温泉

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山行期間 2010年7月22日(木)
コースタイム スカイライン・高湯ゲートから12.1km地点(10:20)→一切経山(12:50,13:00)→昼食(13:15〜13:23)→スカイライン(14:53)
写真 写真は拡大して見ることが出来ます
スカイライン12.1km地点 砂防ダム 登り口を見下ろす
尾根に乗ってラクダ山を望む ラクダ山は南側の岩場の下部をトラバースする 変わった形の岩もある
右は不動沢左俣の源頭 カレ沢の岩場を登って一切経を目指す かれさわから尾根に乗ると傾斜は緩やかになる
一切経山 山頂の一等三角点 五色沼を見下ろす
上から見たラクダ山の尾根 カレ沢を下る 途中から吾妻小富士を見る

行動記録
 吾妻山の一切経山の東方に駱駝(ラクダ)山と呼ばれる山ががある。以前には登山コースとして歩かれていたが、今では訪れる登山者はほとんどいない。
 前回の調査山行では賽の河原からシモフリ新道を通り不動沢を渡ってラクダ山に取り付いた。途中、賽の河原から不動沢まで灌木とネマガリダケが伸び放題で、2006年に歩いた時よりだいぶひどく、特に不動沢への下降点が藪でわからなくなってしまった。また、ラクダの尾根に乗ってからシモフリ新道を進むが道形は無く、登山道はすでに廃道と化していた。今回の目的は、藪こぎをしないで一切経山に登るルートを見つけることだ。天候にも恵まれ、私たちに最高の眺めを与えてくれた。
 最初はスカイラインの高湯ゲートから11.7km地点に車を置き、尾根に取り付きシモフリ新道を目指した。廃道と化したシモフリ新道からラクダのルートに進もうとしたが、「日立ラジオ」のラクダ山への分岐標識は発見できたものの、すでに背丈より高くなったネマガリダケとシャクナゲなどの灌木に悪戦苦闘し前に進むことが出来ない。何とか使えるルートは無いものかと2時間ほど時間を費やしたが、あえなく退却となった。
 次に取り次いだのは高湯ゲートから12.1km地点の砂防ダム。急なザレ場を右の尾根に向かって登る。ザレ場で足下がしっかりしないが藪こぎよりは楽だ。次に尾根に一旦乗ってからシモフリ新道のカレ沢徒渉点へとトラバースする。カレ沢に降りたら尾根に向かって遡る。やがて地図に登山道が記されている尾根に出る。当然、登山道はすでに無い。
 尾根に上がると、目の前に見えるのが1704mの駱駝(ラクダ)山である。ラクダ山はピークには登らず岩場の下部をトラバースして越える。ラクダ山を越えると次の岩稜へと歩を進める。北側の不動沢側をトラバースするように進むと奇岩も出てくる。岩場は非常に脆い。
 次は一切経山への登りにかかるが、尾根上は灌木帯で通れない。南側のカレ沢を使って上部へとルートを取ることにする。灌木帯を避け際をできるだけ高度を下げないように進んでカレ沢に降り立つ。
 沢には少しだが水が流れていた。渇水期には期待できないが、湧水なので飲料に使える。さっそくペットボトルに補給した。カレ沢は上部まで沢を登り詰めても良いし、途中から左の尾根筋に乗っても藪漕ぎなしで稜線へ上がることができる。私たちは登りは沢通しに、下りは沢の南側の尾根筋のザレ場を使ったが、ザレ場を下った場合には途中からカレ沢へ戻り、下りすぎないように注意すること。
 カレ沢中間部は脆い岩場なので慎重に登る。沢を最後まで詰めて、緩やかな稜線へ出ると一切経山は近い。見上げると山頂を歩くハイカーの姿も見える。
 12時50分、歩き始めて2時間30分ほどで一切経山の山頂に立った。五色沼の鮮やかなコバルトブルーの湖面が眼下に見える。浄土平から簡単に登ってこれる一切経山だが、ラクダの尾根は緑の多い吾妻の山のイメージとは異なって、ザレ場と岩稜の尾根で新鮮な感じがする。
 しばし眺めを楽しんでから、昼食は静かなところで取ることにし15分ほど下ってからノンビリと休憩をした。連日の暑さで熱中症を心配して、冷たい水と保冷剤、それに傘と扇子まで持ってきたが、風も少しありガスもかかって意外と過ごしやすかった。下降中にガスが切れ吾妻小富士が顔を出してくれた。最高のロケーションだ。全員で感激......
 緩やかな稜線を下り、カレ沢の右の尾根筋のガレ場を下降する。急斜面なので、スリップしないように注意したい。あまり下りすぎないように注意し、途中からカレ沢へと戻る。湧水で再び喉を潤してラクダの尾根に戻った。これから越える岩稜が目の前に迫る。
 あとは登ってきたルートを忠実に戻ればスカイラインに出る。シモフリ新道もラクダのコースも40年ほど前には普通に歩かれていたルートだが、最近では歩く人もなく完全に廃道化してしまった。
 今回、藪漕ぎをしないで一切経山まで登ってみたが、このコースの魅力はそのまま残っていた。まだまだ廃道にするには勿体ない。(I.I)

概念図



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