閼伽井岳へ登るにはいくつかのルートがあるようだった。ひとつは成沢から県道まであがり北側から山頂へ登るコース。その他は畑子沢、下ヶ屋敷それぞれから常福寺まで参道を登ってきて、薬師堂を通って閼伽井岳へ登るコースなどだ。
今回は、短時間で往復できる常福寺から山頂へ登るコースを選んだ。水石山を登り終えてから閼伽井岳へ登るため、一旦国道49号線の三和町合戸へ戻り、県道133号線赤井停車場線から薬師堂のある常福寺を目指した。車の移動は30分とかからなかった。
常福寺の正式名称は水晶山玉蔵院常福寺と言い真言宗智山派のお寺である。ここの薬師堂は有名で水石山の剣ヶ峰に安置されていた薬師如来が大同2年(807年)に現在の地に移されたと言われている。
境内の駐車場に車を駐め、入口の案内図の脇に書いてある「閼伽井嶽薬師縁起」の説明文を読んでから歩き始める。まずは、石畳の参道を進む。次に急な石段り、登り切ったところが本堂の薬師堂である。左には鐘楼堂、その先には多宝塔がある。本堂の薬師堂は本尊薬師如来が祀られた立派な建物だ。
閼伽井岳への道は左の鐘楼堂の山手にある儒仏の左の斜面から入るか、鐘楼堂の先、多宝塔の裏手にある墓石のところから右の斜面へ入る。どちらも微かな踏跡ですぐに合わさる。頼りない踏跡なので、良く確かめてること。雑木林の中に入ると道はハッキリしてくるが、あまり歩かれていないようで整備された道ではない。
微かな踏跡は多宝塔を左に見て斜面をトラバースして進む。途中、道が不明瞭になるところもあるが慎重に歩を進め、カレ沢手前の尾根筋から右にジグザグに登っていく。ここが七十七折れの道だ。
道は不明瞭なところも多くヤブ山歩きの慣れている人でないと山頂へたどり着くのが少し大変だと思う。道がわからなくなったら左の尾根に向かえばヤブが薄くなり、正規のルートへ出ることができる。途中、道がわからなくなり戻りかけたこともあって山頂まで40分ほどかかった。尾根筋は下草も無く歩きやすい。ここからは5分とかからないで山頂へ行けた。
閼伽井岳の山頂にはケルンと三等三角点、それに山頂を示すプレートがあった。まわりは木々に覆われ、残念ながら見晴らしは良くない。西の方向へ延びる尾根へ明瞭な道がついていた。県道赤井停車場線からの道の方が薬師堂からの道よりもハッキリしているようだ。
県道へ降りて常福寺へ戻ろうかととも考えたが、登ってくるときの道がハッキリしなかったので、道を良く確かめるためにも薬師堂へと戻ることにし、往路を引き返した。
道を確かめるように鐘楼堂まで戻、本堂の薬師堂から石段を下らないで四国八十八ヶ所霊場をいっぺんにお参りできる迂回路を降りて常福寺の駐車場へと戻った。(I.I)
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