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No.4713
三森山〜オボコンベ山 三森山 686.1m三等三角点峰
山行種別 無雪期一般
みつもりやま〜おぼこんべやま 地形図

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山行期間 2012年11月21日(水)
コースタイム 林道駐車地点(9:55)→尾根(10:22)→三森山(10:52,11:04)→オボコンベ(11:38,11:55)→桐ノ目山(12:34,12:57)→寄沢(13:19)→林道・寄沢橋(13:51)→林道駐車地点(14:50)
写真 写真は拡大して見ることが出来ます
林道から作業道へ 杉の植林地内を登る 尾根には踏み跡がある
三森山が見えてくる 三森山の急斜面 三森山の三角点は棘の中
踏み跡をたどる オボコンベ山が見えてきた オボコンベ山の岩壁
灌木の枝や根を頼りに登る 尾根コースに合流して最後の登り オボコンベ山名板の向こうに桐ノ目山が見える
オボコンベ山から見た三森山 山座同定中? 山頂から下る先にマンモス岩が見える
マンモス岩 マンモス岩の背の向こうにオボコンベ山の岩塔 桐ノ目山への分岐は見落としやすい
途中にあった小学生の手作り表示板 桐ノ目山頂 小尾根をヤブ漕ぎして沢へ下る
寄沢を下降する 北太郎林道の寄沢橋上流側に出た

行動記録
 21日は休みの合ったKさんと山へ行くことにした。11月に入ると、平地は晴れていても山沿いは時雨れることが多くなる。空っ風も吹くので体感温度はさらに下がる。そんなわけで、この時期に登る山は脊梁山脈から離れた低山になることが多い。あれこれ考え決めかねていたが、二口山塊の三森山が頭に浮かんだ。この山はそのうち登ろうと思いながら何年も経つが、未だに登っていない山だ。ただ、三森山だけでは物足りないので、三森山〜オボコンベ〜桐ノ目山と低山周回の計画を立ててみた。
 Kさんと合流し川崎町へと向かう。国道457号から左に入り太郎川沿いの道を進み、柳生川集落を抜けるとやがて未舗装の林道になる。Mさんの記録によると、三森山へ登るには作業道を利用して取り付くらしい。国道457号から3キロ弱の左カーブで、右にそれらしき作業道が現れた。白石からここまで1時間弱。車を脇に寄せて早速登り始める。かなり急な作業道を登ると、両脇は杉の植林地となり、やがて突き当たって行き止まりとなる。さてどうしたものかと思ったが、面倒なので杉林をほぼ直登して尾根を目指す。結構な急斜面でひと汗かくと、地形図にある511mピークのすぐ北側で細尾根に出た。尾根には明瞭な踏み跡がある。もしかすると林道のどこかから上手く取り付けば、尾根を登ってここまで来れそうに思える。尾根が北に延びる先には、すっかり葉が落ちた林を透かして三森山が見通せる。
 尾根を北進すると、三森山に取り付くところで踏み跡は消える。構わずそのまま登り、急登を一頑張りすれば山頂だ。山名板も何もない山頂は平坦で、周りは林なので眺望はあまり得られない。棘のヤブの中にあった三角点を確認して小休止。三森山は地形図を見ると両脇に小ピークがあり、見る方向によっては3つの山が並んでいるように見えるだろう。それが山名の由来ではなかろうか。今日の風は強くゴウゴウと唸っているが、有り難いことに林の中はそよ風程度で平穏だ。山頂から踏み跡に従い、尾根を追って北西に進路を取る。いったん下って少し登り返した小ピークで、踏み跡は西へ斜面を下る。尾根が平坦になると右へ大きくカーブを切り、今度は北へ向きなおして幅広い尾根の先が589mピーク。もうオボコンベ山が間近に見えてくる。オボコンベ山は小さいながら岩峰で、周囲が穏やかな山容の山々の中で、その鋭鋒がひときわ目立つ特異な山である。しかし小さいゆえか地形図では、その切り立った岩山は表されていない。オボコンベ山は北側の沢コースか尾根コースから登るのが一般的で、今日のように南側から登るのはバリエーションといえるが、それでも踏み跡は続いている。
 オボコンベ山の壁に取り付くと、崖に近いような壁を枝にすがって登ることになり、ちょっと緊張する場面だ。尾根コースに合わせクサリとトラロープを掴むと、誰もいない山頂に出た。周囲に高い山がないので、低山ながら360度のパノラマが楽しめる。大東岳など二口山塊の山々をはじめ、船形山や泉ヶ岳などお馴染みの山々を眺める。しかし、脊梁山脈の蔵王連峰主稜線は雲に覆われて見えない。このあと登る桐ノ目山は眼前だ。自分はオボコンベ山に登るのはこれで4回目だが、眺めが良いことと山頂までのルートが面白い山であり、特徴のある岩峰なのでぜひ登ってもらいたい山でもある。地元の本砂金小学校では学校登山をしていたようで、生徒の手作りの看板も掲げてある(本砂金小学校は今年春に閉校した)。ところでオボコンベ山は標高595mとされているが、実際は610〜615mくらいではないかと考えられる。地形図にオボコンベ山の南東の標高点が589mとあり、そこから山頂までの標高差がGPSでは15〜20mあるようなのである。
 山頂から西に下ると、その形からマンモス岩と呼ばれる岩の脇を通り、さらに200m弱で桐ノ目山への分岐があり左に進む。この分岐はちょっとわかりにくいので注意したいが、その後は山頂までは明瞭な踏み跡があるので間違うことはない。落ち葉を踏んで登った桐ノ目山の山頂には、手作りの山名板がひとつあるだけだった。以前は登る人とてほとんどいなかったというが、1990年代以降徐々に登る人が増えてきたという。昼食休憩に風を避けて尾根の東陰に陣取ると、風はほとんど当たらず音が聞こえるだけだ。
 山頂から北へ延びる踏み跡を辿り下る。そのまま尾根を北へ下れば本砂金川に至る。そちらにもう1台車をデポしておけば、そこで里山縦走は終わりとなるのだが、今日は徒歩で出発点に戻る周回ルートを考えてみた。地形図を見て見当を付け、560m辺りで踏み跡から離れ左へ転進する。小尾根の笹薮を10分ほど下ると、寄沢に降り立つことができた。そのまま林道目指して沢を下る。Kさんは途中の枝沢から右岸にある踏み跡をたどるが、自分はそのまま沢を下る。沢には2m程度の小滝がひとつあったくらいで、特に問題もなく下降し林道に出ることができた。あわよくばキノコでもと思ったが、まったくキノコのキの字もなく空振り。ほどなくKさんも合流。整備された林道を約1時間歩くと、出発点へと戻ることができた。帰りは青根温泉じゃっぽの湯につかり、晩秋の里山遊びの1日を振り返りつつさっぱりして帰宅した。
※今回の登り口よりさらに林道の上流にある愛宕橋の少し手前で、北太郎川と南太郎川が出合う手前に山神碑があり、その辺りから適当に斜面に取り付いて尾根に乗り三森山へ登る人もいるようだ。登る方は地形図と現地を見て、自分で適切に判断して登られたい。そんな山歩きもまた楽しい。(K.K)

概念図

トラック コース=赤


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