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No.4828
蔵王・南蔵王縦走 屏風岳 1817.1m三等三角点峰
山行種別 無雪期一般
ざおう・みなみざおうじゅうそう 地形図

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山行期間 2013年7月23日(火)
コースタイム 刈田峠登山口(8:29)→前山(9:10)→杉ヶ峰(9:37,9:44)→芝草平(10:03,10:14)→屏風岳(10:57,11:04)→南屏風岳(11:38,12:10)→不忘山(13:00,13:21)→弘法清水(14:57,15:13)→白石スキー場(17:03)
写真 写真は拡大して見ることが出来ます
刈田峠登山口よりスタート 南蔵王縦走のはじまりだ 前山への登りが始まる
振り返れば刈田岳 子ども達に植物の説明 子ども達に植物の説明2
芝草平にて休憩 屏風岳へ向かう 後烏帽子岳と前烏帽子岳
馬ノ神岳と水引入道 南屏風岳山頂に到着 急な下りが始まる
クサリ場を慎重に下る 野ウサギが飛び出してきた ガスで周囲は見えない
不忘山頂への岩場を登る 不忘の碑が建立された理由を知る  いよいよ悪路が始まる
下界は雲海の下 最後はゲレンデを下る 白石スキー場へ無事ゴール

行動記録
 息子の通っている小学校では、5年生の時に南蔵王縦走登山を行っている。登山ボランティアとして昨年からお手伝いするようになったのだが、昨年は悪天候により縦走は取り止め、後烏帽子岳に変更となった。今年は息子も5年生ということで張り切っていたのだが、東北は梅雨明けが遅れて毎日曇りか雨空。それどころか、大雨警報に土砂災害警戒まで出る始末。やきもきしながら天気だけは仕方がないと諦め、当日の朝を迎えることとなった。
 平地は今にも降り出しそうなどんよりとした雲の下だったが、エコーラインをバスで登っていくと雲の上に出た。ガスは流れてくるものの、日も差す好条件となった。やっぱり山は登ってみなければわからない。刈田峠登山口から南蔵王縦走路に入る。子ども達は元気そのもので、わいわいガヤガヤ賑やかに歩いていく。ほどよく風もあり爽やかで気持ちが良い。初っぱなの前山の登りをいいペースで登る。1人だけ肥満の子がいるので、ちょっと速いかなと心配になる。水たまりが多いのだが、子ども達は運動靴なので歩きにくそうだ。
 道すがら登山ボランティアのFさんが、目に止まった植物の説明をしてくれる。予定より少し早く芝草平に到着し休憩。登山ボランティアのTさんが子ども達を引き連れ、木道を歩きながら植物の説明をしてくれる。今の主役はチングルマの風車のような実で、咲いているのはキンコウカ、イワイチョウ、シロバナニガナ、トキソウなど。
 芝草平を離れ屏風岳に登り東を向くと、左に後烏帽子岳と前烏帽子岳、右に馬ノ神岳と水引入道が見えるが不忘山はガスに隠れている。屏風岳を過ぎるとガスっぽくなってきた。無線で山形県の上山では大雨との情報が入ってくる。雨雲がこちらに来なければいいのだが。南屏風岳で休憩すると、子ども達がお腹が空いたという。そりゃそうだ、朝ごはんを食べてから6時間ほど経っている。昼食は不忘山の予定だったようだが、ほぼ予定どおり進んでいることもありここで昼食となった。ガスがかかり展望は無いが昨日までの悪天候を思うと、標高1,810mで今日の穏やかさは儲けものだろう。息子はお握り2個をたちまち食べてしまい、足りなさそうだったので自分のを1個あげる。
 さて後半へと南屏風岳を出発すると、女子1名が腹痛とのこと。自力で歩けるのでFさんが女子のザックを担いであげ付き添う。やがてガレ場の急斜面となる。晴れていればその急斜面具合に、子ども達は多少なりとも驚くのだろうが、良いのか悪いのか今日はガスで見えない。こういった滑りやすい所を歩いたことのほとんど無い子ども達はおっかなびっくり。腰が引けるものだから余計に滑りやすくなる。登山ボランティアと教師がサポートするのだが、歩みはかなり遅くなる。しかし、安全が最優先なので声をかけ励まし慎重に歩く。ちょっとした岩登り体験となる不忘山への登りも無事こなし、不忘山頂に到着しバンザイ。
 不忘山頂からはずっと下りが続く。不忘の碑で担任のM先生が、そのいわれを説明すると子ども達は神妙に聞いている。不忘の碑から下は、1度歩いた人ならわかる悪路が続く。登山道が掘れている上に、土が非常に滑りやすい。子ども達にとっては段差が大変なのだ。ゆっくりゆっくり下るのだが、あっちでもこっちでも滑って転んでいる。大人の教師とて同様で、だんだん余裕が無くなる。それでも子ども達はしっかり頑張って歩いている。男子のK君がちょっとバテてきたので、リュックを担いであげる。息子は何の問題もなく元気で、余裕さえありそうだ。休み休み時間をかけて歩き、スキー場のゲレンデに出た時は一同ホッとした。予定より1時間ほどオーバーしたが、全員無事白石スキー場のセンターハウスに到着。スキー場スタッフが注いでくれた冷たい水が喉にしみ込み美味かった。結局雨にも遭わずに1日歩き通せた。昨日までの天気からは考えられない好条件だったことに感謝。
 平地の11kmでも多くの子どもは未経験だろうに、南蔵王稜線の縦走はそれなりに厳しかったと思う。しかし、最後まで全員、弱音を一言も吐かずに歩き通したことを褒めてあげたい。特に体の重いI君はよく頑張った。やり遂げることの素晴らしさはわかってくれただろうか。将来辛い時があっても、この南蔵王を縦走したことを思い出して頑張って欲しいものだ。Fさんも言っていたが、この子ども達のうち1人でも大人になってからこの山に再び登ってくれることを願う。今日から2泊3日の体験学習となる子ども達と別れ帰宅。この程度の山行では疲れないはずの自分だが、実はかなり疲れていることに気付いた。さすがに自分も気疲れしたのだろうか。(K.Ku)

概念図

トラック 登り=赤 下り=青


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