Fukushima toukoukai Home page
No.4977
磐梯山・清掃登山 1816.2m三等三角点峰
山行種別 無雪期一般
ばんだいさん 地形図

トップハイキング>磐梯山・清掃登山

山行期間 2014年6月8日(日)
コースタイム 八方台登山口(9:06)→中ノ湯跡(9:33)→お花畑分岐(10:30,10:40)→弘法清水(10:49,10:52)→磐梯山(11:16,11:42)→弘法清水(11:57)→お花畑経由→中ノ湯跡(12:59)→八方台登山口(13:22)
写真 写真は拡大して見ることが出来ます
八方台登山口から登り始める マイズルソウ 気持ちの良いブナ林の中を進む
中ノ湯は廃業して久しい 弘法清水とお花畑の分岐 弘法清水
ミヤマキンバイ 山頂の祠 ミネザクラがまだ咲いていた
沼の平とお花畑の分岐 イワカガミ ムラサキヤシオ
晴れ間から桧原湖が見えた 中ノ湯へと戻る ミツガシワ
本日の収穫(拾ったゴミ) 八方台にはミズバショウが咲く 八方台の駐車場に建つ休憩所

行動記録
 今日は清掃登山で磐梯山に登る。清掃登山は会ができてから40年の間、毎年欠かさず実施してきた大切な行事である。私たちは会を結成するときに、地元の山を大切にして活動を進めようとホームグランドである吾妻、安達太良の清掃登山を実施することを決めた。当時は山にゴミを捨ててくるのは当たり前と思われた時代で、ゴミを捨てる登山者に罪悪感は無く、県体やインターハイの大会などでも地面を掘ってゴミを埋めていた時代だった。ある年、谷地平湿原に穴を掘り大量のゴミを捨てるのを見た。その異様な風景にあ然とした。いくらゴミを持ち帰ろうと呼び掛けても山からゴミが減ることはなかった。
 私たちが最初にはじめたことは山にあるゴミをかたづけて降ろすことだった。肥料袋に詰めたゴミを背負って登山口を何度も往復した。それが当時の私たちの清掃登山だった。今ではとても考えられない光景である。1日でその量はトラック一杯になった。その作業は何年も続いた。
 時期を同じくして、尾瀬からゴミ箱が撤去された。「ゴミ箱を置くから登山者がゴミを持ち帰らないで捨ててしまう、ゴミが無いところには捨てづらい。」私たちの発想と同じである。山からゴミをかたづけてしまえば、ゴミを捨てづらくなる。今では常識となっている「ゴミの持ち帰り」がようやく登山者の意識の中に芽生えてきた時期でもある。現在ではゴミを捨てる登山者は殆どいなくなった。とは言っても登山道から少し隠れた場所にはペットボトルなどのゴミが捨てられている。見えないから良いだろうと言う問題ではないのだが.....
 前日までの長雨で道は悪いだろうと、最初から長靴を履いて出発する。どうも登山者のスタイルには見えない。八方台から登山道に入ると、中ノ湯までは幅が広い道が続く。灌木と笹の中を進むと、植生はブナ林に変わる。道の脇にはマイズルソウが花をつける。中ノ湯まで30分ほどの道のり、今では廃虚となった中ノ湯で放射線量を計測し、ゴミを拾う。中ノ湯から山側の道を進み、湿原に敷かれた木道を通るとミツガシワが咲いていた。ここから本格的な登りになる。登山道は標高1490mまで高度を上げると南斜面をトラバースするように進む。バンダイクワガタの群生地はトラバース地点の少し手前にあるが、花をつけるのはもう少し後になりそうだ。お花畑の分岐には10時30分に着いた。ここまで来ると弘法清水まではすぐである。弘法清水はガスで覆われていた。放射線量だけ計測し山頂を目指す。山頂までは20分ほどの急登である。ガスがひどいので弘法清水から引き返す人もいる。磐梯山の山頂にタッチだけしようと、しばらく登って行くと周りが明るくなってきた。何となく雲の上に出そうな感じがする。ミネザクラがまだ花をつけている。得した気分。山頂を目の前にして日が差してきた。風も無く最高の天気だ。すぐ戻るつもりで登ってきたが、あまりの天気の良さに、山頂でのんびりと昼食を取ることにした。これだから山は登ってみないとわからない。
 30分ほど休んで山頂を後にする。帰路は弘法清水から沼の平方面へ下ってから、お花畑経由で中ノ湯に戻ることにした。沼の平方面から登ってきた郡山労山のメンバーとクロスしてお花畑へと足を踏み入れる。いつもだとたくさんの花で賑わうお花畑も、時期が早かったのだろうか、小さなイワカガミが咲いているだけで、ちょっと寂しい感じだ。登ってきたときのお花畑分岐に戻り、中ノ湯と下る。途中でガスが切れて桧原湖が顔を出した。
 過去の記録を見ると、バンダイクワガタの観察は2012年6月23日だった。花の時期はもう少し後になりそうだ。八方台に戻ると駐車場の奥にミズバショウが花をつけていた。
 この八方台駐車場も吾妻山の浄土平駐車場(1971年末まで旧日本道路公団が管理)と同じように、湿原を埋め立てて作られたものである。磐梯山ゴールドラインは高度成長路線が推し進められていた1970年に開通した。その流れは尾瀬の湿原さえも埋め立ててしまう観光道路建設計画にも表れている。福島県側からは沼山峠まで工事が進んだ時点で反対され頓挫した。土建業者はバブルに浮かれ、工事によって貴重な自然は破壊された。尾瀬の自然が一部破壊されたものの貴重な中核エリアまで破壊されなかったことが、せめてもの救いであった。(I.I)

空間放射線量
観測地点/特徴
時間
空間線量率(単位:μSv/h)
測定位置高さ100cm
緯度/経度
最大値 最小値 平均値
Data1 八方台登山口/天然広葉樹、土砂
時間 9時07分
0132 0.101 0.118 北緯 37゜36' 52.65"
東経 140゜02' 53.83"
Data2 中ノ湯跡・標柱/未立木地、礫交り土
時間 9時34分
0.087 0.079 0.084 北緯 37゜36' 47.46"
東経 140゜03' 35.70"
Data3 お花畑分岐/天然広葉樹、土砂
時間 10時38分
0.049 0.041 0.046 北緯 37゜36' 21.81"
東経 140゜04' 17.27"
Data4 弘法清水前/未立木地、礫交り土
時間 10時51分
0.082 0.069 0.077 北緯 37゜36' 16.32"
東経 140゜04' 24.95"
Data5 磐梯山・山頂/未立木地、礫交じり土
時間 11時21分
0.039 0.031 0.035 北緯 37゜36' 03.63"
東経 140゜04' 20.18"
Data6 お花畑/未立木地、礫交じり土
時間 12時08分
0.084 0.074 0.080 北緯 37゜36' 22.29"
東経 140゜04' 25.28"
Data7 八方台登山口/天然広葉樹、土砂
時間 13時24分
0.154 0.137 0.148 北緯 37゜36' 52.83"
東経 140゜02' 54.15"
特記 緯度経度はGPSの性能の関係で多少の誤差があります。
放射線測定器 PA-1000(堀場製作所)

行動中の外部被ばく線量は4時間17分で0.345μSv(積算線量・推定)

国土地理院地図(電子国土web)で見る
トラック 登り=赤 下り=青

より大きな地図で 2014.06.08_磐梯山 を表示
トップ

Copyright(C) 2014 福島登高会 All Rights Reserved.