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No.5216
那須・朝日岳 1896m標高点峰
山行種別 無雪期一般
なす・あさひだけ 地形図

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山行期間 2015年11月21日(土)
コースタイム 峠の茶屋駐車場(8:17)→下降点(8:45)→東南稜取り付き地点(8:52,9:00)→ギャップ(9:30,10:05)→朝日岳(10:50,11:00)→峰の茶屋跡避難小屋(11:33,11:57)→茶臼岳(12:22,12:30)-→峰の茶屋跡避難小屋(12:53)→峠の茶屋駐車場(13:23)
写真 写真は拡大して見ることが出来ます
峠の茶屋駐車場から歩き始める 上の方はガスがかかっている 左手は茶臼岳
東南稜を正面に見て明礬沢へ下降する リーダーの選んだ取り付き点はヤブっぽい ヤブを抜けて岩稜へ
ギャップに近づく 念のためロープを出す ギャップを懸垂下降
しっかりした支点がある ギャップの登り返し 風の当たらない岩陰で休憩
振り向けば茶臼岳 谷を挟んだ向かいの稜線に登山者が見える ボロボロの斜面を登る
落石注意 稜線を辿る 山頂直下
リッジの左を登る 朝日岳山頂 登山道を下る
東南稜 なぜかバンザイ? ギャップをズーム
剣が峰のトラバース道 峰の茶屋避難小屋へ 茶臼岳へ登る
茶臼岳山頂 峰の茶屋避難小屋まで戻り下山 今回の東南稜ルート

行動記録
 那須朝日岳の東南稜は、以前に八◯さんから提案されていた。どうも過去に1度登ったことがあるらしい。調べてみると東南稜は岩稜で、初級アルパインクライミングとして登られている。岩が脆くてボロボロなので、夏場の記録もあるが、氷でパックされる冬季に良く登られているようだ。11月中旬に凍った東南稜の記録もあったので、21日に企画してみることにした。しかし、天気予報を見ると気温は氷点下までにはならないようだ。それでもとにかく現地に行ってみようと、5人で向かうことにした。
 那須インターを降りてコンビニで買い物すると、気温が高く暖かい。上でも凍っていることは無いだろう。峠の茶屋駐車場まで登り車を止める。12月からは下の大丸温泉駐車場までしか登れなくなるので、40分ほど余計に歩かなければならない。辺りの紅葉はとうに過ぎているが、峠の茶屋駐車場は結構埋まっている。紅葉時期はさぞかし混んだであろう。駐車場の北端から登山道へと向かう。朝日岳へと続く尾根を目で追うと、上の方はガスがかかっていて見えない。ガスの中での登攀は勘弁なのだが、とにかく登ってみてからの判断だ。30分弱登ると高山植物に関する表示板があり、ここが下降点の目印となる。ガスも思ったほどでなく問題無い。
 斜面を明礬(ミョウバン)沢に降り、上から3つ目の砂防ダムのところで準備をする。せっかく持ってきたアイゼンだが、まったく凍っていない今日は使わないことにする。取り付きは結構ヤブっぽい。もっと上流から素直に登れるのではと思ったが、リーダーは脆いザレ場の登りを避けたということらしい。決まったラインがある訳ではないので、パーティーや状況により判断すればいいだろう。結構濃い灌木にブーブー言いながらヤブを抜ける。左へ斜上して稜線のラインに乗ると、やや強い風を感じる。岩は脆いが斜度はそれほどでもないのでサクサク登っていく。やがて2本の角というかゲートのようにも見える岩場にさしかかる。左の岩を右からトラバースするが、念のためロープを出す。初心者もいる我々中高年パーティーは過信せずに安全第一である。
 トラバースして岩の上に出るとその先がV字に切れ込んでいる。ここがギャップと呼ばれている場所で、底までは7〜8mほどあり、すぐ目の前の壁を登り返すようになる。クライムダウンも出来るそうだが、ここは風の通り道なのか結構強くなってきたので、とてもそんな気にはなれない。誰が整備してくれたのか立派な支点があるので懸垂下降とした。中◯さんはずいぶん久しぶりの懸垂下降だというが、昔取った杵柄で安定して下降する。登り返しは八◯さんがリードする。結構立っていて厳しいかと思ったが、取り付いてみるとそれほどでもなくフリーでも登れそうだ。とはいえ安全第一でロープを出す。全員そろったところで、風が当たらない岩場の陰で休憩。強風時はシビアな登攀になるだろうが、今日は強い時で15m程なのでまだ大丈夫だ。
 その後は稜線のリッジを登ったり、右手のガレた岩場を登ったりする。左に見える反対側の尾根には、小さく登山者のシルエットが見える。グズグズの岩屑だらけの急斜面を、落石に注意しながら登ると斜度が緩む。稜線を辿っていくと山頂直下の岩場に着く。リッジの直登も面白そうだが、無理せず左へと回り込む。ちょっとしたスラブになっているが、一枚岩ではないので特に難しくはない(凍っていれば別だが)。サクサク登って山頂に出た。ガスでまったく眺め無し。風もかなり強いので、集合写真を撮ってそそくさと下山する。
 山頂から登山道を下ると、尾根の縦走路にT字で合わせる。ここは朝日の肩というらしい。左に折れて下っていくと、谷を挟んで向かい側に東南稜が見えてくる。先ほど通ったギャップをしげしげと観察する。登山道から全部見えてしまうというのも、東南稜の面白いところかもしれない。ところでなぜ東南稜なのだろうか。稜線の方向からすると南陵ではないだろうか。風があるので峰の茶屋避難小屋に入って昼食とした。
 小屋は混んでいるので長居はせず、茶臼岳へと登ることにする。砂礫と岩石で覆われ植物は僅かしか見られない。反時計回りに山頂に到達。那須ロープウェイから登ってきたのであろう、軽装の観光客が目立つ。雲とガスで遠望はきかないが見えたつもりで下山する。峰の茶屋避難小屋前で右に折れ、左に東南稜を見ながら下っていく。午後になったのだが、まだまだ登山者が登ってくる。帰りは大丸温泉で入浴したが、那須温泉郷には多くの温泉があるので好みの湯に入ればいいだろう。
※後から他の記録で見たのだが、冬季以外に東南稜を登る場合、登山道から明礬沢へ下降するのではなく、砂防ダムに直接繋がる林道跡を通り沢へ下るべきとあった。明礬沢右岸斜面の植生保護のためのようだ。言い訳になるが、現地には特に明礬沢への下降に関する表示は無かったので、多くの記録にあった下降点から下ってしまった。砂防ダムへの林道跡には立入禁止の看板もあったので、林道を歩くという考えも浮かばなかった。しかし、東南稜を登っている時に下を見て、誰からともなくあの林道から登ってくれば良かったのではとの声も上がった。さて、どちらがより望ましいルートなのだろうか。(K.Ku)

概念図

トラック ルート=赤

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