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No.5346
栗子山 1217m一等三角点峰
山行種別 無雪期一般
くりこやま 地形図

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山行期間 2016年6月11日(土)
コースタイム 林道ゲート(7:50)→栗子隧道(8:48,8:54)→稜線(9:34,9:42)→栗子山(10:07,10:41)→稜線分岐(11:02)→栗子隧道(11:18,11:23)→林道ゲート(12:21)
写真 写真は拡大して見ることが出来ます
米沢砕石(株)の構内 万世大路の瀧岩上橋 この先車両進入禁止
各所に案内標識がある ヤマグワが熟し始めていた 昔はバスも行き交っていた道だ
栗子隧道の坑口 昭和12年開通の2代目坑口 左脇から踏み跡がある
赤テープが付いている 急斜面をほぼ直登する 稜線に到着
米沢盆地(飯豊連峰は霞んでよく見えない) 南には大杭甲など 稜線を北へ進む
レンゲツツジが鮮やか どこが山頂かはっきりしない 山頂の三角点に到着
下山も踏み跡を見失わないように ベニサラサドウダン ミネヤナギ
稜線からの下降点 隧道まで戻った ミズ

行動記録
 午後早めに帰宅しなければならない都合のあった6月11日は、所要時間の短い栗子山に登ることにした。あまり人の多い山でなく、静かな山歩きがしたいという思いもあっての選択だ。栗子山は登山道の無い山なのだが、自分は2008年3月に栗子山南の鞍部から県境越えしたことがある。しかし、山頂はまだ踏んだことのない山だった。
 米沢側から栗子山に登るには、国道13号から米沢砕石株式会社の看板を目印に入り、採石場の構内を通り抜ける必要がある。日曜日など会社が休みの場合は入り口ゲート前から歩くことになるが、今日は土曜日でもあり操業中だった。構内へ進入するとすぐ会社事務所があり、通行の了解を得てノートに記入する。午後5時を過ぎると入り口ゲートが閉まるので、それまでには戻るようにとのこと。構内では大型重機やダンプが動いているので、邪魔にならないよう注意して通り抜けよう。構内の南端で道路は左右に分かれるが、左の広い方は採石場へと向かうので右へと進む。ここからは往時を思わせる万世大路の道幅となり、すぐ栗子川に架かる瀧岩上橋を渡る。この万世大路とは、明治初期に山形県と福島県を結ぶために掘られた栗子隧道とその前後の道のことであり、昭和に拡幅改修されたが現在は廃道となっている。登っていくとほどなくロープが張ってあり、車両進入禁止の看板があった。手前の路肩に2〜3台分のスペースがあり車を置くことにした。その先にも車の轍は続いているので、管理か何かで入っていく車はあるのだろう。幅の広い林道程度の砂利道を2人でてくてく歩いていく。2007年にオフロードバイクでこの道を走ったことがあるのだが、その時はかなり荒れていて、とてもじゃないが車は無理な状況だった。しかし、現在は車が通ることができそうなくらいに維持されている。万世大路は近年、土木遺産として見学会なども行われるようになったのだが、そのおかげなのであろう。
 日差しが暑く汗をかきながら1時間ほど歩くと、栗子隧道の西坑口に到着した。向かって右の素掘りトンネルが明治14年開通の初代万世大路で、左が昭和12年に開通した2代目万世大路の坑口である。万世大路と栗子隧道について調べてみると、当時としては偉業と言える大事業であったことがわかる。現在は3代目万世大路の国道13号となり、さらに平行して東北中央自動車道の工事が進められている。さて、ここから栗子山へ至る正式な道はないのだが、2代目坑口の左脇から続いているという踏み跡はすぐ見つかった。踏み跡は山裾を北へと進んでいくが、テープもあちこちにあり見失うことはないだろう。やがて稜線へと真っ直ぐに駆け上がるような急登になり、坑口から約40分で稜線に出た。低い笹の尾根は開放的で気持ちが良い。すぐ南にある三角峰の名称は地形図にないが、大杭甲(おおくいこう)というらしい。しかし、これが本当は栗子山(くりこやま)だという話もありややこしい。西には米沢の市街地と米沢盆地が広がる。近い吾妻連峰は稜線が見えるが、飯豊連峰は霞んで雲と同化し判別できない。栗子山へは薄い踏み跡が続いている。多くはないが栗子山に登る人たちがいる証拠だ。
 なだらかな尾根を北へと向かうと、丈の低い笹原から灌木に変わる。踏み跡が見つけにくいところもあるが、見通しが利くので問題は無い。しかし、山頂に近づいていくと灌木が背丈より高くなってくる。枝をかき分けて薄い踏み跡と所々のテープを見失わないよう確認しながら歩こう。やがて数メートル四方が刈り払いされた場所に出た。一等三角点の標石があり、栗子山の山頂に到着したことがわかる。地形が平坦で山頂という感じはしないうえ、灌木のために周囲の眺めは芳しくないが、積雪期であれば360度の大展望が得られるであろう。どっかと腰を下ろしてかなり早めだが昼食とする。相棒の八○さんによると、会社の同僚が測量のためここまで登ったことがあるとのこと。三角点のある山は仕事の人たちにも登られているのだ。
 戻り足で尾根を歩いていると、西からの斜面風に乗ったトビが悠々と飛んでいる。尾根からの下降点は赤テープが目印だが、これがないとちょっと見つけにくいだろう。転げ落ちそうな急斜面を枝を頼りに一気に下る。万世大路の帰り道では、道ばたにある山菜のミズを手土産に採りながら車へと戻った。米沢砕石事務所へ下山報告をして、本日の山行を終了した。(K.Ku)

概念図

トラック ルート=赤
この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図(タイル)を複製したものです。(承認番号 平28情複、 第162号)この画像をさらに複製する場合には国土地理院の長の承認が必要です。


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