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No.5447
国見山 563.1m三等三角点峰
山行種別 無雪期一般
くにみやま 地形図

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山行期間 2016年11月28日(月)
コースタイム 押釜登山口(10:04)→観音霊水(10:21)→林道国見山線(11:41)→地蔵平(12:21)→山神さま(12:43)→反射板跡(13:11,13:25)→国見山(13:27,13:30)→休憩(13:32,13:53)→地蔵平(14:04)→林道国見山線(14:26)→観音霊水(15:07)→押釜登山口(15:23)
写真 写真は拡大して見ることが出来ます
押釜登山口となる林道押釜線起点 車両通行止の脇を抜けて進む 右の林道押釜線を見て左に入る
押釜コースの導標板 イノシシの箱罠 押釜1号隧道水路
震災前は観音霊水まで車が入れた スギの造林地の中を登っていく 導標板No8
馬場地切分岐 散策ルート(管理歩道第3号線)分岐・ハートランドはらまちへ至るの標識 パーゴラのある広場
地蔵平で高倉からの道(管理道第1号線)を合わせる 横川ダムへの下山路分岐 山神の鳥居と祠
トイレもまだ残っていた 反射板跡のピークへ向かう 直登コースは反射板跡と山頂のコルにある
国見山の三等三角点 山頂の標柱 山頂からの眺め
コルから直登コースを下る 地蔵平に戻る 押釜1号隧道は福島県営かんがい排水事業として昭和54年3月に竣工されたと記されている

行動記録
 国見山は南相馬市の西部に位置する。2011年の原発事故により立入が禁止されていたが、避難解除に伴い立ち入ることが出来るようになった。震災後初めて訪れてみた。今回の調査に同行することになった村○さんは原発事故発生後から福島の現状を訴え続けているひとりだ。ご本人は心臓にペースメーカーを付けているので、無理は出来ないが一緒に登りたいと言うので出かけることにした。
 国見山の登山口は何カ所かあるが、高倉ダムや横川ダムからの登山口は、いずれも通行止めになっている。また震災前には入ることの出来た林道国見山線も通行止めである。唯一規制がかかっていない押釜登山口から登ることにした。登山口である林道押釜線起点に着くと、すでに村○さんは登山の準備をして待っていてくれた。
 予定を少し遅れて押釜登山口を出発する。林道を少し進むと右に林道押釜線を分ける。左に入ると押釜(越田)コースの導標板「1」が出てくる。この番号は地蔵平手前の「25」まで続く。少し進むと水の流れていない水路が出てくる。右は押釜1号隧道で、この水路は福島県営かんがい排水事業とし造られたものである。林道は更に奥へと向かっている。歩き始めて15分ほどで観音霊水に着く。以前はここまで車で入ることが出来たとのことだが、今ではこの林道自体が荒れていて車の乗り入れは出来ない。観音霊水の一段上が林道の終点になっていて、車を切り返すスペースがある。ここからスギの造林地の中の作業道を登るようになる。
 勾配がでてきたためか村○さんが苦しそうだ。手首に付ける心拍計を貸してあげる。脈拍が40程度まで下がり苦しくなると、少し待ってペースメーカーが作動し60〜70まで戻る。心臓ペースメーカーの電源がリチューム電池になって久しいが、血液中のグルコースで発電する燃料電池が実用化されればさらに患者さんの負担軽減になりそうだ。心拍計とパルスオキシメータで身体の状態を掴めば、ゆっくり登れば山歩きが続けられるかもしれない。
 スギの造林地をしばらく登っていく。ジグザグの道を抜け尾根に出ると周りの木々も落葉樹となり明るくなってくる。11時36分、馬場地切分岐に着く。途中休み休み登ってきたので1時間30分ほどかかったが、普通に歩けば50分ほどだろうか。馬場地切への道は、昔、材木搬出するための森林軌道跡とも聞く。原町森林鉄道新田川支線の廃線跡は有名だが、浪江から葛尾までの浪江森林鉄道や木戸川森林鉄道、当時は林業が盛んでたくさんの支線が造られたと言うからその栄華を想像するのも楽しい。
 だいぶ本題から外れてしまった。押釜コースは馬場地切分岐から程なく林道国見山線に出る。舗装路を横切ると尾根コースの入口で、国見山山頂まで1.4kmの導標がある。一段上がるとアップダウンの無い歩き道で、わずかな勾配で山頂へと向かっている。散策ルート(管理歩道第3号線)を右に分ける。導標には「ハートライントはらまちへ至る」とある。さらに進むとパーゴラのある広場に出る。右下に高倉ダムから登ってくる管理歩道第1号線が見下ろせる。登山道は左へ向かう軌道跡とおもわれる堀切から離れて一段上へと上がると地蔵平に着く。ここで高倉ダムからの道を合わせる。
 山頂へはここから直登コースとのんびりコースとに分かれる。私たちはのんびりコースで迂回しながら山頂へ向かうことにした。すぐに横川ダムへの下山路を左に分け、山頂を巻くように西へと進む。しばらく行くと山神の鳥居と小さな祠がある。古い作業道と道を合わせたら右に折れて反射板跡のピークを目指す。勾配が出てきたところで村○さんの体調を考えて休みながら登る。反射板跡は灌木が伸び始まってヤブがうるさくなって来た。以前のような見晴らしは無い。遅れて登ってきた村○さんを待って雄国山の山頂へと向かう。一旦コルへと下り山頂へ登り返す。13時27分、三等三角点を持つ国見山の山頂に着く。歩き始めて3時間30分ほどかかったが、普通の人であれば2時間とかからないで登ることが出来る。震災前と比較すると木々が伸びて少し見晴らしが悪くなったものの、山頂からは太平洋を一望でき、すばらしい展望が得られる。風が冷たいのでコルへ戻り直登コースを少し下ったところで日だまりを見つけて休憩とした。帰路は直登コースで地蔵平に出て、登ってきた道を戻り押釜登山口へと向かった。放射線量は、住宅地のある押釜登山口で0.5μSv/h程度、山間部に入ると1〜2.5μSv/hで推移した。五台山からすると数値は半分ほどである。(I.I)

空間放射線量
観測地点/特徴
時間
空間線量率(単位:μSv/h)
測定位置高さ100cm
緯度/経度
最大値 最小値 平均値
Data1 押釜登山口/林道押釜線起点、砂利
時間 10時02分
0.460 0.456 0.458 北緯 37゜37' 11.66"
東経 140゜54' 32.75"
Data2 観音霊水/スギ林
時間 10時21分
1.304 1.282 1.296 北緯 37゜37' 07.72"
東経 140゜54' 12.88"
Data3 導標板・No8
時間 11時00分
1.011 0.992 0.999 北緯 37゜37' 07.74"
東経 140゜53' 57.56"
Data4 馬場地切分岐・導標板No15/スギ林
時間 11時33分
1.690 1.591 1.625 北緯 37゜36' 58.76"
東経 140゜53' 39.98"
Data5 林道国見山線・尾根コース入口/混交林
時間 11時42分
1.891 1.879 1.886 北緯 37゜36' 57.67"
東経 140゜53' 34.54"
Data6 散策ルート分岐/落葉樹林
時間 11時57分
2.543 2.524 2.535 北緯 37゜36' 51.79"
東経 140゜53' 21.27"
Data7 地蔵平/スギ林
時間 12時22分
1.929 1.904 1.917 北緯 37゜36' 45.14"
東経 140゜53' 04.74"
Data8 山神/混交林
時間 12時44分
2.004 1.951 1.973 北緯 37゜36' 42.15"
東経 140゜52' 47.63"
Data9 反射板跡地/混交林
時間 13時17分
2.352 2.290 2.323 北緯 37゜36' 49.15"
東経 140゜52' 55.80"
Data10 国見山/混交林
時間 13時27分
1.626 1.594 1.609 北緯 37゜36' 49.15"
東経 140゜52' 55.80"
Data11 押釜1号隧道/スギ含む混交林
時間 15時19分
0.948 0.813 0.860 北緯 37゜37' 08.89"
東経 140゜54' 25.47"
Data12 押釜登山口/林道押釜線起点、砂利
時間 15時24分
0.464 0.441 0.451 北緯 37゜37' 11.70"
東経 140゜54' 32.92"
特記 緯度経度はGPSの性能の関係で多少の誤差があります。
放射線測定器 PA-1100(堀場製作所)

調査時被ばく線量 8.070μSv

概念図
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トラック 登り=赤 下り=青

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