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No.5895
浅草岳
山行種別  無雪期一般
あさくさだけ 地形図

トップハイキング>浅草岳

山行期間 2018年8月15日(水)
コースタイム
只見沢登山口(5:55)→大久保沢・水場(6:27)→田子倉眺め(7:03)→鬼ヶ面眺め(7:40)→浅草岳(8:59,9:11)→前岳(9:26)→ムジナ沢カッチ(10:04)→北岳(10:36)→鬼ヶ面山(11:03)→南岳(11:53)→六十里越(12:38)→国道252号(13:10)→只見沢登山口(14:32)
写真 写真は拡大して見ることが出来ます
登山口にある案内板 只見沢登山口 幽ノ倉沢の橋
大久保沢の水場 ブナ林の中を歩く 田子倉眺めからの田子倉湖
鬼ヶ面眺めに登る 鬼ヶ面山の岩壁 後で歩く稜線を眺めながら登る
山頂まで約3時間 山頂より前岳方向 草原が気持ちよい
前岳から鬼ヶ面山への稜線 ムジナ沢カッチ アップダウンが続く
ムジナ沢カッチを振り返る 鬼ヶ面山の絶壁 三角点のある鬼ヶ面山頂
南岳からの田子倉湖 浅草岳が遠くなった 電波反射板があった
右が六十里登山口だが… 送電線巡視路 やっと国道に出た

行動記録
 今年山スキーに行きたかった山のひとつが浅草岳だが、結果的に行くことができなかった。次のシーズンの下見というか、何の気なしにお盆のさなかの15日に行ってみようと思い立った。相方のK藤さんと前夜に移動し、道の駅かねやまでテントを張った。翌早朝に田子倉登山口に向かったが、何の目印もないので行き過ぎてしまい引き返す。登山口に着くとすぐ続いて2台・3人の登山者が現れた。こんな暑い日に登る人もいるのかと、自分のことは棚に上げて思ってしまう。
 登山口のボックスに計画書を入れてスタートする。アブがまとわりついてうるさい。始めのうち道は只見沢沿いに付いているが、やがて離れて支沢を渡渉し、幽ノ倉沢に架かる橋を渡ると本格的な登りになる。樹林の中を登っていくと「大久保沢の水場」があり小沢には細い流れがあった。この後は水場はないと書いてある。ブナ林の中は気持ちが良いが、風はないためとにかく暑い。ふうふう言いながら登ることとなり、やはり夏は沢登りだったかと少々後悔してしまった。「田子倉眺め」まで来ると背中には田子倉湖が見えてくる。
 左手に雪渓の残る鬼ヶ面山の東面が見えてきた。ギザギザの稜線に向かって立ち上がる斜面はとにかく切り立っている。絶壁と言っても過言ではない急峻な斜面だ。これほどの岩壁とは思っていなかったので、しばらく見入ってしまう。「鬼ヶ面眺め」との表示板があり、岩山に登ってみると鬼ヶ面山を中心に左右に続く岩壁が目の前に広がる。これを見て登攀意欲を掻き立てられた先人はあまたいるのだろう。残雪のころは雪と緑のコントラストがさぞかしと想像できる。暑さが増すなか鬼ヶ面山を眺めながらの登りが続く。標高が上がるとトンボが飛び交うようになりアブがいなくなってくる。浅草岳の山頂には約3時間で到着。雲が多いが眺めは良い。この辺りの山々はさっぱり分からないが、おそらくあれが守門岳だろう。
 休憩もそこそこにまた歩き始める。前岳までは草原のような緩やかな斜面が続き、何とも気持ちの良い風景である。前岳を回り込むと鬼ヶ面山へ尾根の縦走となる。稜線を辿る登山道は見たとおりにアップダウンを繰り返す。気温はぐんぐん上がり太陽は容赦なく照り付けてペースダウン。日陰がほとんどないので辛い。当然ながら水場があろうはずもない。人より水を飲まないほうの自分だが、今回ばかりは多めに担いできて良かったと心底思った。炎天下の尾根縦走なんて阿保のやることだなと自虐しながら歩いていく。それにしても東側は絶壁である。時折灌木をかき分けて覗き込んでみるが、道のすぐ脇で恐ろしいほど切れ落ちている。これまでに落ちた人はいないのかとさえ思ってしまう。見下ろす沢筋には雪渓が見える。沢屋の習性でここは無理だがあそこなら登れそうだ、などと観察しながら歩いていく。鬼ヶ面山の東壁にも先人により何本ものルートが開拓されていることだろう。
 炎暑にやられたのか登りでは頭がクラクラする。さしずめ陸に上がったカッパのようである。振り返り見る浅草岳が遠くなった。南岳を過ぎれば尾根を下るだけなのでホッとする。このまま新潟県側の六十里登山口に下山するのが通常だが、地形図では六十里越で左右に道が分かれ福島県側に出られる道があり、これを辿れるのではないかと考えた。六十里越トンネルは長いし歩道もないので、なるべく歩きたくなかったこともある。下っていくとT字路に突き当たり、標識に右は登山口とあるのを見て左に曲がる。始めのうちは道もはっきりして枝払いもされていたが、崩落個所を過ぎると不明瞭となり廃道状態となってしまった。何とか道形を見つけながら進んで送電線の巡視路に合わせて下ると、スノーシェッドの上に出てしまった。国道に降りられるであろう階段室の入り口には鍵がかかっている。結果的には急斜面を枝伝いに下降して国道に出ることができたのだが、一般の方が入ると危険(本当です)なので表示すべきだろう。その後は全身汗でぐしょぐしょのオッサン2人がヒッチハイクなどできるはずもなく、田子倉登山口へと歩くこととなった。途中でスノーシェッドから落ちる沢水があり、頭を突っ込むと何とも気持ちが良かった。なお、田子倉登山口までの国道はほぼ下り一辺倒である。六十里登山口に自転車をデポしておけば風を切って快適に戻れただろう。真夏の尾根歩きは少々きつかったが、浅草岳のどっしりとした山容と鬼ヶ面山の岩壁が強く印象に残った。次回は春の山スキーか残雪とヒメサユリの頃に訪れてみたいと思った。
 浅草岳は初めてとばかり思い込んでいたが、沢登りから山頂を踏んでいることを帰宅してから思い出した。2011年に餅井戸沢遡行でのことだ。沢登りに山頂はあまり関係ないにしても忘れてしまうとは情けない。(熊)

概念図
トラック 登り=赤 下り=青
この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図(タイル)を複製したものです。(承認番号 平30情複、 第400号)この画像をさらに複製する場合には国土地理院の長の承認が必要です。


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