地区の清掃日で草刈り作業があったので午後からの行動開始。曇り空で雨の可能性もあるがトレーニング山行なのであまり気にしない。登る山は当然近場ということになるが、たまには北蔵王方面と思い雁戸山(北雁戸)に登ることにした。ルートは午後からでもあり定番の笹谷峠からと思い向かったところ、笹谷インターの先にあるゲートで国道286号が通行止め。そういえば工事中で通行止め(工事看板及び山形県のHPによると7月31日まで)との情報があったのを思い出した。山形側から笹谷峠に行くことはできるが移動に時間がかかる。残る選択肢は笹雁新道か笹谷古道からになるが、ゲートからすぐ国道を歩くことになる笹谷古道から登ることにした。
ゲートの脇を抜けて13:16に国道286号を歩き始める。10分とかからず右に分岐があり北蔵王登山道案内図と笹谷古道入り口の説明版がある。左折して数分で笹谷古道入り口(笹谷遊歩道入口)の標柱がある。案内に従い右の杉林へと進む。手入れのされた植林地を登っていくと標柱があり「下栃」(しもとち)とある。その昔に旅人の目印ともなったという大きな栃の木だ。少し登ると「上栃」もある。その後も唯一の水場である「函水」、風の強い「吹き越し」などの要所には説明書きのある標柱があり往時が偲ばれる。歩きやすい道が続いていたが「駒泣かせ」を過ぎると流水で掘られたようでしばらく荒れた道が続く。小沢を渡り平坦になると東国山仙住寺跡がある。その昔街道を行き交う旅人の助小屋(たすくこや)ともなっていたという寺である。寺跡からすぐ道は沢を渡るが、分かりにくいので目印テープを見落とさないようにしたい。「地蔵坂」を過ぎて標柱に導かれ右に入ると有耶無耶の関跡がある。
古道に戻るとすぐ分岐で笹谷峠からの道に合わせる。案内板に従い左のカケスガ峰方向へ進む。ここからは古道を離れて雁戸山への登山道となる。カケスガ峰までは樹林の中でまったく展望はない。大した斜度ではないが道が沢状に荒れている個所が続きとにかく歩きにくい。カケスガ峰に出ると周囲が急に開けホッとする。雁戸山方向はガスでほとんど眺め無し。とりあえず山頂を目指して進む。笹谷峠からの道と合流すると前山のトラバース道になるが歩きにくい。片斜面のうえ幹のハードル跨ぎと乗り越えが続く。滑川コース分岐で尾根に出るとこの先は急峻な山稜となる。雁戸山登山のハイライトとなる個所だがいかんせんガスで眺め無し。ヤセ尾根の蟻の戸渡りから急斜面を登って山頂に到着。既に16時を過ぎているのですぐ下山開始。下山途中から雨が降ってきたが大した降りではないので構わず歩く。路面が悪く滑りやすいのであまりペースは上がらないが、道が良い区間では小走りで駆け下る。18時06分にゲート到着。
今日は単純にピストンとしたが、山頂からニセ雁戸山を経由して笹雁新道という周回ルートも考えられる。笹谷古道は以前歩いたことがあると思い記録を見ると10年以上前の2008年12月20日だった。しかし、積雪期の下りにスノーシューで歩いたのでほとんど古道としての印象がない。今度は天気の良い日にゆっくりと歩いてみたいものだ。(熊)