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No.6321
飯豊山 2105.29m一等三角点峰
山行種別  無雪期一般
いいでさん 地形図

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山行期間 2020年6月17日(水)〜18日(木)
コースタイム 6月17日(水)
祓川駐車場(4:38)→上ノ越(6:12)→疣岩分岐(7:32)→三国小屋(8:46,8:51)→切合小屋(10:43,11:20)→草履塚(12:00)→姥権現(12:25)→本山小屋(13:34,13:45)→飯豊山(13:59,14:16)→本山小屋:(14:36)
6月18日(木)
本山小屋(4:45)→切合小屋(5:59)→三国小屋(7:27)→疣岩分岐(8:42)→新長坂→松平峠(9:22)→祓川小屋(10:35,10:43)→祓川駐車場(10:57)
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6月17日
祓川登山口の駐車場 上ノ越まであがる オオカメノキ
新長坂ルートとの合流点 ゴゼンタチバナ ウラジロヨウラク
ハクサンチドリ 三国小屋に到着 剣ヶ峰・川入(御沢)方面の標識
弥平四郎まで9.1kmは林道も含めた距離 アカモノ 七森の標柱
シラネアオイ コイワカガミ 種蒔山の標柱
ようやくガスが切れてきた 大日杉への分岐 切合小屋と本山
切合小屋 雪渓が出てくる 結構な急斜面だ(草履塚の登り)
草履塚 ミヤマキンポウゲ 大日岳の山頂はガスがかかっている
奥が御秘所、右手前が姥権現 ヒナウスユキソウ ハクサンイチゲ
御秘所の岩場 最後の登り御前坂 本山小屋が見えてきた
まだ無人の本山小屋 飯豊山神社 本山と北股岳方面
右手にはダイグラ尾根 山頂で記念写真 チングルマ

行動記録
6月17日 天候 雨のち曇り
 前の週に雄国山から遠望した飯豊山は残雪をまとい何とも美しい姿を見せていた。矢も楯もたまらず急遽休みを取って行ってみることにした。前日、夕方に旧奥川小学校弥平四郎分校前の校庭に車を止めさせてもらい車中泊とした。飯豊山には色々な登山口から登っているものの弥平四郎からは一度もなかったので今回のルートと決めた。廃校後の分校はデマンドバス(シャトルバスとは言わない)の終発着場所になっており、玄関には乗降の注意点などが書かれた貼り紙があり、鍵も閉まっておらず自由に休むこともできるようだ。かつては飯豊登山の基地として民宿を生業に盛況な時代もあったようだが、今は時代を物語る看板だけが残されている。それにしても奥川の最後の集落からさらに何キロも遡るところに人家があることが驚きであり、雪に閉ざされる冬場の生活はどんなだったろうかと思いを巡らせしてしまう。
 明るくなればすぐに行動できるのが単独の良さであり、予定より1時間ほど早く祓川の駐車場を出発した。まずは鏡山から続く稜線上の上ノ越をめざす。昨夜からの雨が残っている中を雨具を付けて歩き出した。すぐに樹林帯に入ると最初からなかなかの登りで、汗を絞られ息もあがる。一旦急登のピークを越えると平坦な登山道に変わり、やがてまた稜線に向けた登りにかかり1時間30分ほどで上ノ越に到着する。左に行けば鏡山、右に行けば疣岩山である。今回、このルートにしたのは初めてということもあるが、左手に大日岳を眺めながら進みたいと思ったのが理由であった。残念ながら稜線はガスに覆われ実川の激しい流れの音だけが聞こえてくる。
 上ノ越から1時間20分で疣岩分岐となり、明日下山予定の新長坂のルートと交わる。疣岩山に差し掛かる頃には雨もやみ、わずかに太陽の光も見えてきたが依然ガスは晴れないままである。そんな中オオカメノキの白い花やコイワカガミ、シラネアオイなど様々な花々が気持ちを癒してくれる。三国小屋には8時40分頃に到着した。外には誰も見当たらず小屋の中から話し声が聞こえてくるので誰かはいるみたいだった。切合小屋に向かう途中、七森の手前でようやく2人の登山者とすれ違う。本山小屋に泊まり下山とのこと。さらに種蒔山分岐のところで1人の登山者と出会ったが、切合小屋に泊まり今朝本山を目指すつもりが雨模様なので断念したらしい。
 10時40分頃に切合小屋に到着し大休止していると男性1人と女性2人の登山者が降りてきた。本山をピストンしてきたとのこと。水のありかを聞いたら、大日杉分岐の手前10メートルの右側にあるというので空身のままで水を汲みに戻った。水場を示すものは何もないが耳を澄ますとわずかに水が噴き出す音がしている。少し藪を入るとホースのジョイント部分が外れたところから水が出ていた。御前坂の水場もあてにならないので夜の分まで2リッターを補給した。小屋に泊まった彼らもさんざん探した挙句にようやく見つけたらしい。管理人が入れば小屋前に引かれる水であるが、かつては小屋の正面を降りたところに水場があったことなどは古い記憶である。
 いよいよ本山に向けて出発するとすぐに雪渓歩きが始まる。気温が高いこともあってグサグサでピッケルさえあれば十分に雪渓歩きを楽しむことができる。草履塚に登れば姥権現へと下り御秘所の岩場に差し掛かりやがて最後の登りの御前坂に至る。何度この坂を上ったことだろうか。本山小屋には13時30分頃の到着となった。小屋の中に要らないものを置いて山頂に向かう。見渡す稜線上に雲はかかっていたものの見事に晴れ渡って来た。足元には少し早いチングルマやハクサンイチゲ、ハクサンチドリ、ミヤマキンポウゲ、ヒナウスユキソウなど色取りが鮮やかだ。誰もいない山頂でゆっくりまったり素晴らしい眺めを堪能する。納得するまで見届け小屋に戻ることにとした。小屋の高台からは南東に磐梯山と猪苗代湖が間近に見えその裾野に会津盆地が広がっている。西側には日本海が光り佐渡島・粟島も見える。外で夕食を澄まし一人だけの本山小屋で眠りについた。

写真 写真は拡大して見ることが出来ます
6月18日
小屋から見るご来光 大日岳もバッチリ見える 御前坂を振り返る
御秘所を歩く登山者が見える 斜面に朝陽があたり始まった 雪渓を振り返る
素晴らしい眺めだ 本山小屋を振り返って見た 地蔵岳からの稜線
カタクリ 三国小屋が見えてきた 三国小屋を過ぎてから見る剣ヶ峰
疣岩山へ続く稜線 ここまで来ると大日岳も少し姿を変える 疣岩分岐から新長坂へとルートを取る
松平峠の欠けたプレート 見事なブナ 祓川山荘に到着
林道へ渡る橋 祓川登山口・おつかれさまでした 祓川駐車場にある看板

行動記録
6月18日 天候 晴れ
 今朝は雲一つない快晴で、夜には夏の星座が降るように輝いていた。ご来光を眺めてから4時45分に小屋を出発する。昨日はどうしても全容が見えなかった大日岳が偉容を見せてくれた。下山は草履塚に登り返すくらいでほとんどが下りなので6時には切合小屋に到着。途中2人の若者に出合い、彼らはできれば大日岳までピストンしたいとのことだった。三国小屋には1時間30分で到着し、川入から登って来た単独の若い女性と出会う。保原からきたとのことでこれから本山に日帰りで登るという。若い人は元気・体力があってうらやましい。
 今日は疣岩山に至るルートからばっちり大日岳を見渡すことができて素晴らしい。疣岩分岐には8時40分に着いてここから新長坂ルートを下る。ザレ場が多いので特に残雪期は利用を控えるよう祓川駐車場の看板には記載があった。確かに足を滑らせそうな箇所が多い。40分で松平峠に到着したが峠を示す看板は欠けて無くなっていた。ひたすら下り祓川山荘には10時35分に着いたが、名前のとおりの長坂で登りには使いたくないと思った。20分ほどで祓川駐車場に到着し、昨日と同様計画書より約1時間早い行動となった。思いつきに近いような飯豊登山であったが、初めてのルートであったり単独の身軽さもあり初夏の山歩きを十分に楽しむことができた。(中)

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