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No.6375 |
飯森山 |
1959.4m一等三角点峰 |
山行種別 無雪期一般 |
いいもりさん |
地形図 |
行動記録 |
近隣で雨を避けられそうなところを探すと新潟県と会津地方が何とかなりそうな様子。往復の時間も考えると新潟と南会津は難しいので山形県境の日中飯森山に登ることにした。自分としては4年前にスキーで登って以来2度目の飯森山になる。同行者は久しぶりの加○さんで彼の足元はいつもの長靴だ。朝のうちは日も差して青空も見えるほど。登山口は日中ダム沿いの道の途中にある。駐車スペースはないので少し手前の日中ダム駐車場に止めるのがいいだろう。登山口からいきなり急登になる。杉林の中を登っていくがいっこうに斜度は緩まない。しばらく登って雑木林になると右曲がりで斜度が緩み見晴台という案内板が落ちていた。落ちていたというのは変な表現だが、まさに地面に落ちたように案内板が置いてある。以降すべての案内板が同じように置いてあった。
飯森山は信仰の山であったという。だからなのだろうか現在においても刈払いされ良く手入れされた参道のような道が続く。石ころひとつ落ちてない。山頂までにはいくつもの神社があるが、それらはすべて石で作られた小さな社である。参拝しながら登って行ったのだろうか。その昔を想像してみるのも面白い。やがて木々はブナの2次林に変わる。小さな石碑があったので読んでみると遭難碑だった。昭和53年3月に遭難とあるが当時冬にどのような訳があり登ったのだろうか。道が良い反面やや単調だなと感じ始めたころからアップダウンを繰り返すようになる。やがて所々東側が開けるようになる。飯森山の東側は急斜面になっている。切り立っているところもあり崩れて登山道脇まで迫っているところもある。普通に歩いていれば落ちるということはないが疲労しているときは注意したい。
スタートから3時間10分ほどで鉢伏山に到着。高度を上げてガスに入ってしまったので残念ながら眺めはない。鉢伏山から飯森山までは以前スキーで歩いたことがある。鉢伏山は飯森山と同じくらいの標高だがいったんコルまで100mほど下ることになる。鉢伏山からは道が細くなりあまり踏まれていない感じがする。コルにある湿地には種蒔という表示板があった。小さな田のような湿地を3カ所過ぎると登りになる。稜線東側の細いトラバース道を過ぎてひと登りすると飯森山の山頂である。晴れていれば飯豊連峰も近い好展望地なのだが今日は何も見えない。休憩してからすぐ先の飯森山神社まで行ってみる。踏み跡はさらに先の沢コースへと続いている。沢コースは昔は飯森山への登路とされていたようだが、沢登りそのものなので一般登山者には困難なコースである。以前沢コースを下降しようとした登山者が途中で下降できなくなり遭難したこともあったので、安易に踏み込まないようにしたい。
下山は一本道を戻るだけのピストンなので余計に長く感じる。勾配が変わるところで会津盆地が見える。黄色く色づいた稲穂の水田が広がっている。斜め左には磐梯山が見えるが中腹から上は雲の中だった。こんなに登ったのかと思うほど下りに下ってやっと登山口に到着。我々以外は誰もいない静かな山だった。日中飯森山はその昔、飯豊権現が置かれていて信仰登山が盛んな時代があったという。本来の登山口というか参道には神社があったようだが、その場所は今は日中ダム湖の中である。昭和初期に奉納された石祠があることからも長く信仰登山が続いていたことがうかがわれる。また熊猟も盛んに行われていたようで飯森山は生活の糧を得る場でもあった。山は変わらずとも時代とともに人々の山への向き合い方は変わっていく。現在はすっかり静かな山になっているが100年後はどうなっているのだろうか。
日中飯森山は結構アップダウンがあり、累積標高差が1,700m以上になるので時間には余裕を見ておきたい。登るのはやはり花の季節か秋が良いだろう。ゆっくりと花を愛で紅葉を楽しみながら登りたい。なお水場は高倉窪キャンプ場から斜面を下った沢にあるとされているが、近年水場を確認した記録は見当たらない。水場を示す表示板もなく踏み跡も見当たらなかったので、水場はあてにしないほうが良いだろう。(熊) |
概念図 |
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ルート |
往路=赤 復路=青 |
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