木幡山の旗祭は有名で、毎年12月の第1日曜日に行われる。この祭りは九百年前の前九年の役(天喜五年)で源頼義、頼家親子が戦いに敗れ、木幡山に戦勝を祈願したところ、その夜から雪で木々は真っ白になり、攻め寄せた阿倍頼良子貞任らの軍は、それを源氏の白旗と見誤り大軍が木幡山に立てこもっていると勘違いし戦わずして敗退したと言い伝えられているもので、今日まで大切に受け継がれている。日本三大旗祭と言われているだけのことはある勇壮な祭で一度は見てみたい。
木幡山のピークは川俣町に位置するが、東和町木幡の山として広く知られている。参道の入り口は木幡郵便局、大きな案内板もあり、すぐに分かる。マイカーの時は、この先まで入ると良い。石段の上に立つ最初の鳥居を右見てクライミングボードの広場に車を置き、身支度をして出発する。木幡弁天児童遊園地を左に見て、宿泊所を過ぎると二の鳥居をくぐって参道に入る。最初の水場で喉を潤す。鬱蒼とした樹林帯の中を登っていく。時季も良く色んな花が咲いている。この季節は阿武隈山系の山も捨てたものではない。参道を登りはじめて15分ほどで林道桜畑・木幡山線に出る。ここにトイレと水場のある駐車場があるので、隠津島神社だけを目的に訪れる人は、ほとんどここから登りはじめるが、ハイキングを楽しむのであれば是非下の鳥居から歩きたい。
少し行くとあづまやがあり絶好の展望台になっている。安達太良山が良く見える。この一段上に天然記念物になっている木幡の大杉がある。山門神社の前にそそり立つ大杉は大変な老木で、治療をうけながらかろうじて立っているようだ。参道をさらに登って行くと、県の重要文化財「三重塔」が現れる。このような山の中に見事な三重塔がそそり立つ様は、壮観でただただ感心するばかりである。木幡山へは本殿への石段を登り左側を通り抜け、さらに奥にある養蚕神社の左側に回り込み急な坂道を登って行く。標識さえ見つけられれば迷うこともない。
急坂を一気に登り尾根の上の経塚群へ出る。木幡山への道は左へ緩やかに下って行く。右へ登る道は経塚群のピークまで行って道は無くなる。木幡山の二等三角点までは10分ほどであろうか。この先さらに福沢羽山まで登山道は続いている。もう1台車を回しておけば縦走も楽しめる。山頂で少し休んで、来た道を引き返す。(I.I)
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