昭和村大芦から畑沢川にそって南に下ると左手に御前ヶ岳が見えてくる。昭和村の中では博士山についで村内2番目の高さを持ち、平氏討伐の兵を挙げて敗れた以仁王の愛妃が東国に逃れ、この山に隠れ住んだと言い伝えられ、山名も昔の高倉宮以仁王伝説によるものと言われている。由来なども登山案内板に詳しく書いてある。「ふくしま百名山」にも載っていて、訪れるハイカーも結構多い。
登山案内板の所に5〜6台の駐車スペースがある。身支度をして出発。登山道入口と書かれた標柱から入る。畑沢川に架かるコンクリート橋を渡り、人家の軒先をかすめるように右手の登山道に入っていく。ナラ林の中にシラカバやサクラの木が混在している。10分ほどで御前ルートと山ノ神ルートとに分かれるが、真っ直ぐの山ノ神ルートはロープが張ってあり通行止めになっている。右に折れ御前ルートに入る。トラバースするように進んで行き、868mピークの先で尾根に乗る。後は尾根上を真っ直ぐ登っていくことになる。
標高1000m付近から登山道は一気に角度を増してくる。トラロープが張られ急坂が続く。標高1100m付近でようやく緩やかになった。岩の間に深い穴が目立つようになる。風穴だ。廻りの空気をどんどん吸っていく。風穴は、上部で空気を吸い込み下部で冷たい風を吹き出す。真夏にくれば、その恩恵に授かれるかも知れない。いつしかブナ林に変わり、「紅梅御前桜木姫お住まいの跡」に着く。いわれについては登山案内板に書かれてあるので是非訪れて参照されたい。
さらに10分ほど登っていくと御前ヶ岳山頂にたどり着く。麓から休憩も入れて1時間半ほどで登ってこれる。山頂には二等三角点があり、西側が刈り払いされている。大仏山、館の腰山、赤坂山などが眼下に見ることができる。下山は登ってきた御前ルートを戻る。急坂が続くので充分注意して下ろう。1時間ほどで登山口へ。(I.I)
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