湯の岳は標高729.3m、柳津町と三島町の境に位置し、山頂には二等三角点がある。国土地理院の「点の記」には山頂まで山道があると記されている。以前から気にかかっていたが登る機会が無かった。今回、飯谷山を登った後に偵察にと訪れてみた。
砂子原の集落から山道を探すが見つからない。地元の人だったら知っているだろうと思い畑でお仕事をしている人に尋ねてみた。「道もあるし登れるよ。」そこまで言われて登らない手は無い。
教えられたように車道を長坂方面に少し戻り、東北電力の柳津西山地熱支線(滝谷川線)の標識と柳津町の「クマ注意」の標識のある林道に車を乗り入れる。しばらく登っていくと地図の414m地点がちょうど林道の終点になっている。広場なので車を止めるにはちょうど良い。身支度をして出発する。
山道に入る。最初はすぎ林で官行造林地の看板がある。官行造林地とは何なのかわからず相棒のOくんに聞いたら、地方公共団体や住民等の所有する土地に、収益を分収する条件をもって国が契約を締結し造林行為を行っている土地とのこと、早い話が民有地など国が借り上げて木を植えること。珍しいと思ったが調べてみると結構いろんなところで行われていたらしい。
10分も歩くと急坂になる。道は尾根に一直線についている。さらに勾配は増してくる。歩き始めて20分で小さな祠に着く。ここまではしっかりした踏跡だったが、祠を過ぎると道は徐々に怪しくなってくる。それでも尾根に乗るまでは踏跡があるので足元に注意すれば迷うこともない。標高670mで踏跡は緩やかになり尾根に乗る。稜線には古いが境界杭が打ってある。踏跡は不明瞭だが秋のせいか大したヤブこぎもせず二等三角点のある湯の岳山頂に到着する。
東側の木々の間から少しだけ周りの山々が見えるだけで見晴らしは良くない。遅めの昼食を取り、下山にかかる。登ってきた道を忠実に戻る。尾根筋から祠を目指すが急坂が続くので注意して下ろう。祠を過ぎ、造林地まで真っ直ぐに急坂を下っていく。あっという間に車を置いた広場に着く。(I.I)
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