トップページ//岩・氷/山スキー/ハイキング/雪山/入山データ/会紹介/東北雪崩講習会
Fukushimatoukoukai HomePage
No.4043
栗子山 1216.6m一等三角点峰
山行種別 無雪期一般
くりこやま 地形図 米沢東部、栗子山


■山行期間 2007年10月24日
■コースタイム 福島(7:00)=米沢砕石(7:55,8:12)瀧岩上橋→栗子森歩道分岐(8:42)→栗子隧道(9:31,9:35)→取付点(9:45)→県境稜線(10:38)→栗子山(11:28,12:29)→県境稜線・下降点(12:49,12:53)→栗子隧道(13:33,13:40)→瀧岩上橋・米沢砕石(14:48)
■写真
米沢砕石の採石場 万世大路の瀧岩上橋が出発点 最初はしっかりした道だが、す
ぐに悪路になる
途中から見た県境稜線 崩れて通れない栗子隧道 稜線手前から米沢砕石方向を
見る。紅葉真っ盛り
県境稜線に乗って1202mピー
クを望む
栗子山の一等三角点 国土調査の際のテープ
■行動記録
 一等三角点のある栗子山は、国土地理院の調査の際に刈払がされ歩けるとのことなので「点の記」を頼りに訪れてみた。4日前の20日にいつもの相棒であるO君と一緒に来たのだが道が見つけられずに時間をロスし、栗子山手前30分のところで悪天と時間切れで撤退した。今日は一緒に来るはずだったO君は出張で欠席、以前から栗子山を狙っていたO君からは薄情者扱いされて単独山行と相成った。
 福島を7時に出て、米沢砕石には8時少し前に着いた。米沢砕石は休日と平日17時から翌朝8時まではゲートを閉めているので、そのときはゲートから歩くことになる。また、構内はダンプカーが行き交う。幅の広い未舗装路をしぱらく進むと右に事務所があるので断って車を瀧岩上橋まで乗り入れると良い。事務所の方が「どうぞ、気をつけて行ってらっしゃい」と気持ち良く応対してくれる。
 瀧岩上橋のところで身支度をして旧13号国道(万世大路)を歩き出す。取水設備のところまではしっかりした道だが、それを過ぎると道は荒れてくる。四輪駆動の車だと、何とか隧道までの3分の1ぐらいは入れないこともなさそうだが切り返しのできる場所は少ないので、やめておいた方が無難である。栗子森歩道の標識を過ぎると道はますます荒れて歩くのがようやくになる。ゆっくり歩いて1時間20分で栗子隧道の米沢側入口に着く。隧道脇の小沢から水が取れる。上部に水場は無いので必要であれば補給しておくと良い。
 隧道から北に延びている作業道跡を進む。時折、蔓が絡まって歩きにくいが、微かな踏跡をたどって10分ほど行くと赤テープが見つかる。ここが取付点だ。赤テープを頼りに登り始めると踏跡がハッキリしてくる。枝を刈り払った跡もあり歩きやすい。最初は緩やかにトラバースしながら登っていくが、取付点から15分ほどたったあたりから道は急になり立木を掴みながら尾根を真っ直ぐ登っていく。稜線が近くなると灌木の背が低くなり振り返ると栗子山系の素晴らしい紅葉が目に飛び込んでくる。県境稜線には10時38分に到着。前回は時雨と時間に急かされて40分で県境稜線に立ったが、今回は1時間もかかってしまった。県境稜線からの展望は大変良く、奥深い栗子山系が見渡せる。南には1202mピークが見え、その奥には吾妻連峰の県境尾根が峰を連ねる。1111.4mの杭甲山(くいこやま)は1202mピークに邪魔されて見えない。
 稜線の灌木は20〜30cmと低くどこでも歩ける。微かな踏跡を目印に栗子山を目指す。栗子山へ半分ほど進んだ頃から木々の背が高くなり笹が行く手を遮る。刈払いされているところがあるはずと少し歩き回ると、幅の広い稜線の中央部に刈払いされた古い道を見つける。木々がだいぶ育ってきたが歩くのには支障はない。後ろから人の声が聞こえる。ここで知り合いの郡山のYさんとお会いし栗子山を一緒に登ることになる。11時28分栗子山の一等三角点に出合う。県境稜線は緩やかな尾根で大した登もなく栗子山に着いた。回りは背丈以上の灌木と笹で、山頂からの見晴らしは無い。20分ほど休んで昼食をとり下山を開始する。
 歩き始めてしばらくすると、Yさんたちの遅れていたメンバーが登ってきた。刈払いされたコースを知らなかったので福島の滑谷沢側から登ってきたが、コースがあるのであればそちらへ降りたいと言うので下降をご一緒することになった。再び栗子山へ登返し12時29分に下山を開始した。来たところを戻るのだが県境稜線からの下降点がわかりづらい。登ってくるときに赤布をべた打ちしておいたので難なく尾根に乗り、急坂を一気に下り降りる。落ち葉が踏跡を隠しているので赤テープを見逃さないように注意して下降する。30分ほどで作業道に降り、さらに10分で隧道入口に戻る。あとは万世大路を米沢砕石まで1時間ちょっとかけて降りるだけである。途中にはアケビや山ぶどうが実をつけていた。
 参考までに、この栗子山までのコースは国土地理院が平成17年9月14日GPS測量を行った際に伐採道として作られたものである。今の時点では県境稜線に乗る低木帯の踏跡が不明瞭で注意を要するが、それ以外はまだ比較的ハッキリした踏跡が残っている。ヤブ山を歩いている人にとっては立派な登山道に見えるに違いない。米沢砕石から栗子山の往復は5時間半から6時間ほどである。また、コースは後3年も過ぎれば使えなくなると思う。みんなが歩けば道ができ、いずれメジャーな山になるかもしれない。せっかくの一等三角点の山なので一度訪れてみてはいかがでしょう。(I.I)


■概念図



トップページ//岩・氷/山スキー/ハイキング/雪山/入山データ/会紹介/東北雪崩講習会