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No.4991
中津川・下流部 吾妻山・中瀬川流域
山行種別 無雪期沢登り
なかつがわ 地形図

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山行期間 2014年7月20日(日)
コースタイム 中津川レストハウス(5:54)→入渓(6:00)→白滑八丁(6:40〜8:20)→魚止の滝(9:32)→取水堰堤(10:46,11:11)→銚子口・中退(11:50〜12:40)→取水堰堤(13:03)→管理道路入口(14:18)
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早朝の中津川レストハウス 探勝路を中津川へ 中津川に降り立つ
水量は少し多めという程度 白滑八丁の始まり 暑ければ釜で遊びたいところ
細かい凹凸を拾って登る ハーケンを打って手がかりとした 2人はへつり3人はロープで引き上げた
スクラム渡渉 ゴーロ歩きが続く 魚止の滝(15m)
少し戻って左岸から巻く 東京電力取水堰 銚子口
左岸をへつる Tさん落ちる 管理道路でグランデコへ

行動記録
 大気が不安定で局所的な雨も予想される3連休だが、吾妻山の中津川へと向かった。中津川は、吾妻連峰の西吾妻山から東大巓の稜線を源頭とし、秋元湖へと流れ込む沢である。沢登りとしては2泊3日が標準のようだが、1泊2日で抜けているパーティーもある。スピーディーに2日で遡行するのも面白いかと計画してみたところ、手を上げた5人でパーティーを組むこととなった。
 19日夜は中津川レストハウスの駐車場で、kaさんと前泊することにした。国道115号土湯峠の福島市側はずっと雨だったが、土湯トンネルを抜けると雨は降っておらず道路も乾いている。雨を心配していた今回の沢登りだが、少し希望が見えてきた。遠方組で同じく前日入りのNさん、Tさんと中津川レストハウスで夕方合流。立派な東屋で軽く入渓祝いをして快適に就寝。翌20日は、下山予定のグランデコスキー場に車を1台デポするため午前4時前に起床。今朝の空は曇ってはいるが雨が降るという感じではない。心配した夜の雨も無かったので、予定どおり中津川の遡行をすることにする。そのうちko君も到着。午前6時前に中津川レストハウスを出発。中津川渓谷探勝路を下っていくと、10分とかからず中津川に降り立つ。見た印象はやや増水してはいるが、それほど問題ないと思われた。
 左岸を歩いていくと古い林道の橋の下をくぐり、すぐ右から唐松川が合わせる。この辺りまでは観光客も来るし、盛夏は子ども達の水遊びで賑わう。沢登りとしてはここから先ということになる。しばらく緩やかなゴーロ歩きが続く。やがて両岸がV字状に狭まる。白滑八丁と呼ばれるところだ。ちなみに丁は長さの単位で約109mなのだという。両岸のV字斜面は約45度の角度があり、ところによってはそれ以上の角度となる。へつりではフリクションの限界を試しているようなもので、ちょっと気を抜くと落ちる。平水なら泳げばいいさと腹を決めるのだが、増水して流れが速いところでは、落ちれば簡単に流されてしまう。初っぱなからロープを出すこととなった。際どいへつりでは行ける人、行けない人がでてくる。後続を流れに逆らってロープで引き寄せるのは力業になる。そんなこんなで白滑八丁の通過に、なんと1時間40分もかかってしまった。
 白滑八丁を過ぎると再びゴーロ歩きとなる。水勢が強いこともありペースが上がらない。ようやく魚止めの滝に到着。この滝は左岸手前から高巻く。急斜面を登ると薄い踏み跡がある。頃合いを見て沢筋を少々強引に下降して沢に戻ったが、もう少し先まで行けば楽に降りることができたようだ。少し進むと幅の狭いゴルジュが見えた。水は白く泡立ちうねり流れ、とても水線通しでの遡行はできない。また高巻きである。再び左岸をよじ登り、昔の中津川森林鉄道跡であろう道形を見つけて辿る。左下に取水堰が見えてきたので、30mロープ2本連結で懸垂下降し沢に降り立つ。取水堰の上流の河原で休憩とする。増水していることもあり、遡行時間が予定よりどんどん遅くなっている。これからの行動について協議する。計画では今日は熊滝の上で野営の予定だが、それはかなり難しい状況になった。中退の場合のエスケープは3パターン考えていたが、そのひとつがこの取水口で、管理道路がグランデコスキー場の方へ通じている。3パターンの中では、一番楽に確実にエスケープできる。今回のパーティーとしての行動力、降雨の可能性もあることを考えると、計画通り1泊2日で抜けることは極めて困難になってきた。しかし、ここで中退とするにはあまりに早すぎる。次のエスケープルートとして考えていたのは、権現沢の上部にある吾妻神社からの下降。これなら、今日は権現沢出合の上でテン場を探せばいいが、増水時にも大丈夫な適地が見つかるかどうかは不明だ。また、吾妻神社の道はかなり不明瞭ということだが、最新のGPSデータを入れてきたので大丈夫だろう。結局、適当なテン場が見あたらない場合は、諦めて取水口まで戻ることにして遡行を続けることにした。
 遡行を再開してしばらくゴーロ歩きを続けると、大きな釜のある銚子口に到着。銚子の口はと見立てられた段差程度の小滝は、水面との落差は1mほどしかなく幅も2m程度だ。しかし、この大きな釜を考えると、さらに増水時には狭い口から、とんでもない勢いで水を飛ばすのだろう。この釜は泳ぎかへつりか観察したが、右からへつれそうと判断し、バランスの良いkaさんに行ってもらう。難なくへつれたので自分も続き、後続へ声を掛ける。Tさんが続いて慎重にへつり落ち口へ乗った。自分は残りの2人に合図するため釜の方に戻ったところ、奇声が聞こえたので振り返ると、Tさんが今まさに落ち口から釜へ押し流されるところだった。スローモーションのように、Tさんはそのまま釜へ滑り落ちた。落ち口は白波がたっているものの、落差がないので大したことはない。しかし、背が立たない深さに泳げないTさんはパニックになってしまった。必死にもがくが落ち口から離れることができない。溺れ始めたのだ。自己脱出は無理と判断し、一番近い自分が飛び込んだ。しがみつかれないように注意しながら、Tさんを下流へと押し出す。ザックが浮き代わりになるので、暴れない限り沈む心配はない。自分が付けていたロープも引いてもらい、ほどなく釜の縁にTさんを着けることができた。危ないところだった。やれやれである。
 遡行はここで中止にせざるを得なくなった。放心状態のTさんが落ち着くのを待つ。そのうち雨まで降ってきた。ゆっくりと取水口まで戻ることにする。まだ時間も早いので、管理道路でグランデコスキー場の方へ抜けることにした。そぼ降る雨が意気消沈した我々を優しく叩く。歩いていくと雨も上がり晴れ間も出てきた。そうなると現金なもので、ワイワイと話しも盛り上がりすっかりいつもの感じに戻ってしまう。舗装路に出てデポ車で中津川レストハウスに戻った。
 そんな訳で1泊2日の予定であった中津川は、あえなく初日に中退となってしまった。しかし、このまま解散というにはもったいない。明日は今日より天気が回復するようだ。無い頭をひねって考え、吾妻山の大滝沢に行くことにした。大滝沢は初心者でも遡行できるし、なにより滝やナメが美しい沢だ。Nさんもko君も大滝沢は遡行したことがないという。そうと決まれば今日も中津川レストハウスの東屋で野宿だ。温泉に入ってサッパリすると、酒を買い足して宴会に突入。沢の中で食べるつもりだった食材を腹に収める。空に瞬く星が印象的な夜だった。
 さて、今回の反省点は山ほどある。天候や増水の判断、パーティーメンバーの力量の把握など多々。良い経験だったとは思わないし思えない。立案者でありリーダーの自分に甘さがあったのだ。苦い思いを噛みしめ味わおう。それでもまた、自分は次の沢登りに向かうのだ。(K.Ku)

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