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No.5024
飯豊連峰・七滝沢 二王子岳・加治川水系内ノ倉川支流
山行種別 無雪期沢登り
いいでれんぽう・ななたきさわ 地形図

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山行期間 2014年10月4日(土)〜5日(日)
コースタイム
10月4日  内ノ倉駐車地点(6:50,7:15)→七滝沢出合(8:03)→第1連幕帯高巻き(10:00〜10:40)→第2連幕帯高巻き(11:30〜12:45)→テン場・880m(14:30)
10月5日  テン場(6:55)→18m滝(8:32)→三ツ釜の滝(9:07)→1060m二俣(9:38)→1170m奥の二俣(10:12)→取水口(10:40)→稜線(11:50)→二王子岳(11:58,12:22)→二王子神社(14:10)→集落(15:00)=内ノ倉湖駐車地点(15:22)
写真 写真は拡大してみることが出来ます
10月4日
内ノ倉ダム湖奥の杉滝岩よりスタート 七滝沢出合 冷たいがまだ我慢できる程度
石滝3m 連瀑帯の入口となる3m滝 7m滝をへつり登る
10m滝手前の左岸より巻き始める 青空が見えると気分も良くなる 直登可能な滝が続く
第2連瀑帯 第2連瀑帯の途中 20m滝は右岸より巻く
穏やかな流れに変わる 右岸のテン場 焚き火と酒があれば言うことなし

行動記録
10月4日
 七滝沢の遡行は8月と9月にも計画したのだが、天候不順に阻まれ実行できず今回が3度目の正直となる。もう10月上旬でもあり、今シーズンはこれがラストチャンスだろう。台風18号が北上しており、天気予報はちょっと怪しかったが、何とか持ちそうだと判断し決行することにした。七滝沢は飯豊の沢の中では、遡行しやすい入門の沢とされている。2人とも七滝沢は初めてだが、特に自分は55歳にして初七滝沢であり、初飯豊の沢となる。5年前に沢登りを始めた当初から、いつかは飯豊の沢と思っていた。しかし、そんな機会はなかなかやってこなかった。結局、自分の力で目指すしかないと悟り、今シーズンの目標としたのだった。そんなわけで期待半分不安半分ではあったが、強力な相方もいることだし七滝沢に向かうことにしたのだった。
 早朝午前3時40分に家を出る。途中でTさんを乗せ、県境を越えて西進していると、さっきまでの星空が雨空に変わってしまった。雨中の遡行は辛いなと思いながら車を走らせると、明るくなるに従い雨も上がりホッとする。内ノ倉ダム湖の最奥にある駐車スペースに車を置く。正面に見える岩壁は杉滝岩といい、地元岳人のクライミング練習場所とのこと。橋のたもとから内ノ倉川左岸沿いの道を歩くこと約50分。七滝沢出合に到着する。七滝沢には内ノ倉川を渡渉して入るが、平水の今日は渡渉も容易。七滝沢はしばらくゴーロが続く。やがて小滝や淵が現れ、小さく巻いたり胸まで水に浸かりながら進む。巻きルートにはしっかりと踏み跡があり、遡行者の多さを物語っている。そのうち砂に先行者の足跡を見つけたが、今朝のものではなく昨日あたり遡行したもののようだ。
 3mの石滝を乗り越えると、5分ほどで沢は3m滝で左に屈曲し、すぐ釜のある7m滝で今度は右に屈曲する。右壁に取り付けば容易に登れそうだが、そこまで冷たい釜を泳ぐのはご免こうむりたい。左岸のへつりにトライし、2人とも濡れずに滝を越えると、すぐ10m滝が目に入る。左岸を登る踏み跡があり、ここから七滝連瀑帯の高巻きとなるようだ。高巻きを始めると途中に枝沢を渡るところがあるのだが、枝沢手前の小尾根に登ってしまいすぐ気付いて戻った。小尾根に明瞭な踏み跡がついてしまっているので要注意箇所だ。高巻き中に連瀑帯の滝を見ようとしたが、樹林の間からわずかしか見えない。他の記録でよく見る画像は、10m滝の上でいったん沢に降りないと見えないらしい。調査不足だがちょっと残念。40分ほどで高巻き終了。
 沢に戻り遡行を続行。次々滝が現れるが、いずれも直登可能か側壁を伝い歩ける。青空も見えてきて爽快な滝登りが続く。しかし、第2連瀑帯が見えてくる頃になると、なんだか雲行きが怪しくなり雨の気配になってきた。この第2連瀑帯はまとめて巻く場合と、登れる滝は登る場合があるようで、我々はなるべく登ろうと思っていた。しかし、雨が降るとなると話は別だ。モチベーションが下がった我々は、さっさと巻いてしまうことにした。巻き始めて2・3個滝を越えたところでいったん沢に下りたが、再び巻きに入ると雨が降り出しカッパを着る。雨は大したことがなかったが、トータル1時間15分の巻きとなった。思いのほか時間がかかったので遡行図と照らすと、巻かないでもよい滝まで巻いてしまったようだ。もったいないことをしてしまった。トイ状の小滝を越えると20m滝が現れるが、登れないので右岸より巻く。4m滝、ミニゴルジュの小滝と越えると、沢は平瀬の穏やかな流れになる。
 河原の砂に焚き火跡があったが、予定のテン場はもう少し先だ。やがて左右から枝沢を合わせると、すぐ先の一段高くなった右岸にテン場を見つけた。ここは七滝沢の定番のテン場で、新しい焚き火跡も残っていた。幅はやや狭いが長さは十分で、地面は整地したかのように平らになっている。タープを張ると流木を集めて焚き火を起こす。さっきまでちらちら降っていた雨も止んだ。盛大になった焚き火の側で飯を食べ酒を飲む。沢泊まりで焚き火は最高のご馳走だ。持ってきた酒をすべて飲み干し、午後9時過ぎに就寝。

10月5日
朝のテン場風景 遡行開始 2日目最初の滝は6m
淵の先の2m滝を右岸から巻 小滝でも釜は深い 濡れまいと頑張ってへつる
18m滝 ロープを出して右壁を直登 三ツ釜の滝
残置のある淵 1060m二俣 白毛のカモシカに見つめられた
トイ状4m滝 5m涸れ滝 取水口

 
1230m枝沢出合

 
紅葉は最盛期だがあいにくの曇天
2段15m滝
草付きの沢形を詰める 登山道に飛び出た(向こうの山は二本木山) 二王子岳山頂
避難小屋 山頂の青春の鐘 二王子神社

行動記録
10月5日
 七滝沢の朝、気温は12度でこの時期としては暖かい。快適なテン場のお陰で、5時過ぎまでぐっすり眠ることができた。残っていた焚き火を熾して朝食を済ませると、2日目の遡行を開始する。空は曇天で昼頃から台風の影響で崩れるとの予報。テン場のすぐ上の左岸にある湧水を確認し歩を進める。増水時の懸念はあるが、この辺りの砂場もテン場にはなるだろう。今日最初の10m滝は左から直角に落ちる。濡れるのを嫌い右岸から小さく巻く。小滝を越えていくと、細長い淵の先に2mほどの滝が見えた。そこそこ深い淵は泳ぐしかなし、仮に泳いだとしても滝の取り付きが難しそうだ。我々は右岸の巻きを選択したが、斜面を追い上げられ2mの滝にしては大巻きとなった。なお、ロープを出して左岸を巻いている記録もある。
 正面に稜線からの斜面を落ちる枝沢が見えると、沢は小滝の釜で左に屈曲する。その後も釜と滝で屈曲するパターンが何箇所か続く。腰上の深さとなる釜が多く、夏ならともかくこの時期は直登できないもどかしさがある。やがて高さのある滝が現れた。18mというところか。右壁を直登できるが高さがあるので、今回の遡行初めてのロープを出す。Tさんがリードし残置ハーケンとチョックストーンでランニングビレー。自分はお客様気分で楽をさせてもらった。
 段々に三つの釜を重ねる滝が見えてくると、それが三ツ釜の滝で快適に直登できる。三ツ釜の滝の上で沢は開け、大きな釜の小滝を越えると、深い淵の先に1mの小滝というか段差がある。へつって落ち口を観察すると欲しいところに残置シュリンゲがあり、ありがたく使わせていただく。1060mで水量1:1の二俣になり、右俣へ入ると水量の減った沢はぐっと細くなる。ふと視線を感じて右手を見ると、20mほどの距離に白い獣がいてこちらを見ている。カモシカだ。初めて見る白毛のカモシカにちょっと驚いた。
 その後も次々と滝を越えていくが、もはや大きな滝は現れずいずれも直登できる。左枝沢右枝沢と見送り、4m滝と続くトイ状4m滝を越えると1000mで奥の二俣。右俣は一段高くから3mナメで合わせる。左俣へ進むと水流はさらに細くなり、ついには伏流となってしまう。5mの涸れ滝はTさんが直登し自分は巻いた。なお増水時は、この涸れ滝ももちろん水を落とす。申し訳程度の水流を遡っていくと、1190mで取水口が現れた。上流の水はここでほとんど飲み込まれているので、取水口を越えると水流が復活する。4m滝を2つ越え、1230mで左から3mナメで合わせる枝沢を見送る。この枝沢を稜線へ詰めた記録もあるが、今回は本流とおぼしき方を進む。
 源頭部も近いと思っていたところ、袋小路のような窮屈なスペースに右から15m滝が落ちる。Tさんが直登するが上部がちょっと嫌らしい。自分はお助けを出してもらい楽をさせてもらう。今回も何度かTさんには助けてもらった。続く7m滝は容易。さらにいくつか滝を越えていくと、源頭部の様相となりやがて草原の中に出る。水流は無いが沢形は続いているのでそのまま登る。最上部は少しヤブっぽくなるが、忠実に沢を詰めていくと笹ヤブからポンと道に飛び出る。二王子岳と二本木山を繋ぐ登山道だ。
 二王子岳山頂に移動する。山頂は飯豊連峰の格好の展望所だ。雲はかかっているが飯豊連峰の雄姿を眺める。まだ昼だが他に登山者はいない。天気の心配があるのでもう下山したか、そもそも登ってこないのだろう。雨がパラパラ落ちてきたので、避難小屋に入り休憩する。ハーネスを外し靴を履き替えて下山開始。たいした雨にもあたらず、1時間50分ほどで二王子神社に到着。さらに下りながら途中でタクシーを呼ぶと、ちょうど最初の集落まで下ったところでタクシーが来た。内ノ倉ダム湖の駐車場までのタクシー代は4,560円。ちょっと風変わりな二王子温泉で汗を流してから帰途についた。
 七滝沢はそれほど難しい滝もなく、まさに飯豊入門の沢といえるだろう。記録も豊富で遡行図も手に入りやすいので、我々のような初めての者にも入りやすい。夏であれば積極的にシャワーや泳ぎで遡れば面白い。魚影は濃いので、解禁期間は竿を持参すれば楽しみが増える。今回残念だったのは、肝心要の七滝の姿をよく見なかったことと、連瀑帯の滝をすべて高巻いてしまったことにつきる。もったいないことをしたが、その課題は次の機会に譲るとしよう。なお、ロープは30mで十分である。(K.Ku)

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