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No.4197
吾妻山・県境尾根縦走
東大巓 1927.9m三等三角点峰
山行種別 山スキー
あづまやま・けんきょうおねじゅうそう 地形図 天元台、吾妻山、板谷、
土湯温泉

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山行期間 2009年3月20日〜21日
コースタイム <3月20日> 福島(7:00)=天元台・湯元駅(8:30,9:02)=リフト終点(9:43,9:55)→人形石(10:35,10:39)→東大巓(12:50)→兜山・昭元山コル(14:08)雪洞泊
<3月21日> 雪洞(7:05)→昭元山・烏帽子山コル(7:35,7:40)→烏帽子山・ニセ烏帽子コル(8:05,8:15)→家形山(9:55,10:10)→五色沼・不動沢右俣源頭(10:30,10:35)→慶応山荘(10:45,11:16)→井戸溝(11:25)→山鳥山(11:33)→旧あづまスキー場上部(11:37,11:40)→バニーハット(11:51,12:10)→湯花沢ゲレンデ→高湯温泉(12:23)
写真
天元台湯元駅ロープウェイ乗り場 リフト終点からガスの中を人形石へと歩き出す 人形石で記念撮影だがガスがひどく回りは見えない
東大巓山頂の標識 翌朝雪洞から蔵王方面を見る 昭元山は北側下部を歩く
昭元山と烏帽子山とのコルから見た昭元山 同じコルから烏帽子山を見る 中吾妻山方面も良く見える
烏帽子山は南側を捲く 烏帽子山とニセ烏帽子のコルから高倉山と蔵王が一望できる 同じコルから見た一切経山
東方には家形山が見える バーンが堅いのでニセ烏帽子は捲かないでピークに登った 家形山に到着、見えるのは一切経山
家形山から滑り出す 五色沼の家形山への標識 ガンチャン落としでの雪崩事故の慰霊碑
不動沢右俣の滑降を開始する 途中から見た慶応山荘 快適な斜面が続く
慶応山荘で小休止 慶応山荘から分岐へ 慶応山荘分岐の案内板
井戸溝の標識 旧あづまスキー場の滑り ゲレンデ跡はざらめ雪
灌木も気にならず快適な斜面 あづまスキー場リフト乗り場のところは雪が無くなっていた 湯花沢ゲレンデは沢沿いに入ると雪が残っていた
旧湯花沢ゲレンデのリフト乗り場、雪はここまで 高湯温泉までの一斜面はスキーを担いで下る 薬師堂から安達屋の前へ降りる
写真は拡大して見ることが出来ます

行動記録
3月20日 天気 曇り
 吾妻縦走と雪洞泊まりを目的に天元台から吾妻山に入ることにした。ロープウェイとリフトを乗り継いで天元台スキー場つがもりゲレンデの最上部へ出たのが9時43分、労せずして標高1820mまであげてもらえる。今日の行程は兜山までなので、ほとんど高低差は無い。
 天元台ロープウェイを降り、リフトに乗り込むころにはゲレンデはガスに覆われてしまった。リフトを降りて人形石へ向かって歩き出す。ほぼ夏道沿いに進むと楽に人形石に出られる。稜線で出ると見通しはさらに悪くなった。シールをはがしてひと滑りしたいところだが、視界が無いのでシールをつけたまま行動することにした。
 コンパスで方向を決め、人形石からの斜面をゆっくりと下る。1860mのピークは右側をトラバースする。東大巓手前のコルから再び登りになる。高いところを目指し12時50分に東大巓のピークに到着した。
 少し休んでから兜山向かって下降に移るが、ガスで斜面が良く見えない。何度もコンパスで方向を確認しながら兜山の南側に下り、昭元山の登り斜面を確認してから雪洞が掘れる場所を捜しながらコルへと回り込んだ。今日の寝場所をコルの北側と決めた。雪は堅くシャベルが突き刺さらない。スノーソーを使って2時間近くかかったが、6人が寝るには充分すぎるほどの雪洞ができあがった。
 今回は誰もタバコを吸わないし、酒もほとんど飲まないメンバーなのでご飯を食べ、話をしたりして時間を費やし、すぐに眠りについた。

3月21日 天気 晴れ
 充分過ぎるほど眠って気持ちよく目が覚める。表は昨日と違って素晴らしい天気である。今日は高湯まで降りるだけなので、ゆっくりと食事を取ってから出発する。昭元山は北側をトラバースする。まずコルから標高1770m地点の平坦地まで下降してから東へ進み、さらに1750mまで下がって鏡沼へ出る。昭元山と烏帽子山のコルに出るとバーンは堅くシールのききが悪い。烏帽子山は南側の標高1800mラインをトラバースすると楽にニセ烏帽子とのコルに出られる。天気が良いときは捲きのルートはわかりやすい。東大巓より東方で吹雪いているとき辛く感じるのは、この烏帽子山のトラバースと家形山から五色沼への下降だ。その他は林間の歩行になるので風が強くても何とかなる。今回は多少風はあるものの気になる程ではなかった。
 ニセ烏帽子はバーンが堅くシールの効きが悪いのでトラバースを避けてピークを通過した。家形山に乗ったところで風を避けて15分ほど休んでから主三角点のある家形山の東端に出る。家形山の山頂から一切経をバックに五色沼の写真を撮る。
 シールをはがして、いよいよ滑降に入る。五色沼まで滑り降りスキーを脱ぐ。雪がない五色沼の端を不動沢右俣の源頭まで歩く。ここから再びスキーをつけて慶応山荘まで一気に滑り降りる。ここまで来ると風も無く余りにも暖かいので、普段は特別食事の時間は取らないのだがゆっくりと昼食にした。入れたてのコーヒーをご馳走になりながら、いろんな話題で話が弾む。
 充分休んでから下降を開始する。雪原を進み慶応山荘分岐から夏道沿いに山鳥山を目指す。井戸溝を過ぎ湯ノ平を過ぎると旧あづまスキー場との分岐に着く。ここから夏道と分かれてスキー場へ。
 今では使われなくなったスキー場は、最高のゲレンデである。育った灌木もあまり気にならなくて快適な滑りが楽しめた。それでも今年は下の方は雪が少なく、日経ロッジの脇までくるとリフト乗り場の前が5mほど雪が途切れていた。スキーを脱ぐが、白樺ゲレンデは雪が残っているので、すぐにスキーをつける。
 バニーハットの裏から湯花沢ゲレンデに入るのだが、圧雪車の車庫の脇が土が出て雪がつながっていない。再びスキーを脱いで履き直す。雪がついていたのは湯花沢ゲレンデのリフト乗り場までで、ここからスキーを担いで降りる。薬師堂から石段を下って安達屋の前に12時23分に着いた。高原荘の前に車を置いておいたので道路を駐車場まで歩いた。ちなみに福島行きのバスは14時40分、福島〜高湯・花月ハイランド間のバスは土日祝日の場合1日3往復運転されている。
 ひさびさ好天に恵まれて楽しい山行ができた。前日のガスの中でのルートファイデング、雪洞構築、泊まり装備を背負っての滑降など、今回の山行の目的は達せたと思う。
 また、何かあればヘリを要請する昨今、小屋のOさんからケガをし、這って自力で下山した話も聞かせていただいた。周囲に迷惑をかけるなと教えられてきた私たち年代にとって当然の話でもあるが、どうしようもないときにはヘリは大変な機動力である。ただ、安易な気持ちでヘリを利用することだけは避けたいものである。(I.I)


概念図



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