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No.4474
馬ノ神岳
馬ノ神岳 1551mピーク
山行種別 山スキー
まのかみだけ 地形図 不忘山

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山行期間 2011年2月5日(土)
コースタイム 南蔵王野営場(7:00)→神嶺林道(7:37)→東尾根に乗る(9:11)→馬ノ神岳(10:19)→水引入道(11:34,11:53)→神嶺林道(13:14)→南蔵王野営場(13:40)
写真 写真は拡大して見ることが出来ます
正面に水引入道と馬ノ神岳が見える 林道から斜面に取り付く 快調に高度を稼ぐ
東尾根に出た 馬ノ神岳への雪稜 きつい登高が続く
馬ノ神岳の山頂付近 水引入道山頂直下の登り 水引入道山頂
オープンバーンを滑降するSさん Yさんの滑り Uさんの滑り
Tさん 野営場内を滑る 振り返ると山頂が見えていた

行動記録
 馬ノ神岳にはこれまでスノーシューで3回登ったが、スキーでは初めてになる。山頂までのハッキリした道が無い山なので、積雪期以外に登るには少々難儀する。また馬ノ神岳は貴重な「北限のカラマツ」の生息地でもある。
 南蔵王野営場の管理棟の少し上にある南蔵王が一望できる駐車スペースに車を停める。南蔵王野営場は160ヘクタールもの広大なエリア内にキャンプサイトがあり積雪期もオープンしている。雪中キャンプやレンタルでスノーシューや歩くスキーも楽しむことができる。しかし積雪期は利用者が少ないだろうから、もったいない感じもする。
 準備をして予定どおり7:00にスタート。昇ったばかりの太陽を背に、しばらくは場内の道を歩く。快晴というわけではないが、今のところ山頂も何とか見えている。今日のメンバーはいずれ劣らぬ健脚ぞろいのようなので、私は後れを取るまいとちょっと緊張している。場内の勾配は緩やかだが、なにせ広いので歩く距離も長い。後で計ったら、場内だけで距離1.5km、標高差160mだった。
 汗をかき始めた頃に神嶺林道に出た。ここから斜面に取り付いて本格的な登りになる。Yさんをトップに植林されたカラマツの林の中を登っていくが、それほどのラッセルでもなく快調に高度を稼いでいく。やがてブナの林に変わっていくと、何故かほっとする気持ちの良い空間になるのが不思議だ。ブナには人を、いや人だけじゃなく生き物を癒す働きがあるように思える。
 トップを交代しながらぐんぐん登っていく。単独と違うパーティーの強みだ。ちょっと急な斜面をジグを切って登り切ると、馬ノ神岳の東尾根に乗る。この尾根からは一気に視界が広がるはずなのだが、今日はガスがかかり眺望を得られないのが残念。風があるがこの程度は蔵王ではまだそよ風のうちだろう。
 風の吹きつける尾根の雪は締まっている。目の前に延びる雪稜は、スケールは小さいがなかなかの眺めだ。地形図にある1409m地点を過ぎると尾根の勾配が増す。シールを付けたスキーでも直登は無理になり、電光形にジグを切って登る。山頂手前の肩に登り上げたところで後続を待つ。雪混じりの風が頬に打ち付けると痛いほどだ。正面にあるはずの北屏風も、左前方に見えるはずの水引入道もまったく見えない。
 平坦で山頂を特定できない馬ノ神岳を東に進むと、左方向へ斜面が下がっていく。水引入道へはコルまでいったん60mほど下り、160mほど登り返すこととなる。辺りが見えればなんということもないのだが、今日はガスで視界が悪いのでコンパスで方向を慎重に確認かる。コルに下ると次に登るべき斜面がうっすらと見えてきた。ここはかなり急斜面のためスキーでは登り切れない。そのため各自ワカンかスノーシューを持ってきている。ある程度登ったところでYさん達はスノーシューに履き替えた。しかし、私はスキーで登れるところまで行こうと頑張ってみた。雪はカリカリというほどではないがかなり締まっている。急斜面にスキーのエッジを立ててトラバースしてはキックターンを繰り返して高度を稼いでいく。「もう限界!」スキーを担ぎツボ足で登り始める。
 程よく締まった雪はキックステップが良く効く。20mも登っただろうか、水引入道の山頂に着いた。3年前スノーシューで水引入道から馬ノ神岳に下ったことがあったが、そのときは南斜面からトラバースしてこの斜面に途中から入り下ったのだが、そのときも冷や汗ものではあった。
 ガスの中で寒い山頂に留まる理由はないので、スキーのシールを外して滑り降りることにした。水引入道の南東斜面は距離は長くないがオープンバーンになっている。視界はあまり良くないが締まった雪の上を思い思いのシュプールで滑り降りる。と書くと格好いいようだが、少なくとも私は一杯一杯で何とか滑り降りたという感じだ。Yさんは辺りの地形とコンパスで降りるべき方向を読み滑っていく。樹林帯に入ると少しモナカっぽい雪になりスキーが回しづらくなった。夏道のジャンボリーコースをほぼなぞるように滑っていく。
 標高1300mあたりで昼食休憩を取る。下るにしたがって木の密度が高くなり、右に左に潜り抜けながらの滑降になる。雪が重くなってきて春先の雪のようだ。今日は気温が高く、平地では10度近くまで上がるらしい。腐れ雪に手こずり足がパンパンになってきたころ神嶺林道に出た。林道を少し歩き南蔵王野営場の緩勾配をゆるゆると滑っていくと今朝の駐車場所に戻った。機会を与えてくれたYさんに感謝。それにしても今シーズンは晴天に恵まれない。(K.K)

概念図

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