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No.4481
蔵王・刈田岳 1758.0m三等三角点峰
山行種別 山スキー
ざおう・かっただけ 地形図 不忘山

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山行期間 2011年2月16日(水)
コースタイム 澄川スキー場(6:09)→ゲレンデトップ(7:10)→刈田岳(8:37,9:14)→清渓小屋(10:20)→観光道路(11:18)→澄川スキー場(11:29)
写真 写真は拡大して見ることが出来ます
明るくなり始めた頃スタート 朝焼けに染まる後烏帽子岳と屏風の壁 中央コースを示す古いプレート
避難小屋が見えてきた 左から右にかけて樹氷らしくなっていくのがわかる 山頂の刈田嶺神社
蔵王といえば「お釜」 近くに見える朝日連峰 吾妻連峰と安達太良連峰
ひときわ白い飯豊連峰 刈田岳から前山にかけての鞍部 これが蔵王のスノーモンスターだ
ノントレースのオープンバーン 1階が埋まった清渓小屋 ところどころにパラダイスコースのプレートがある

行動記録
 このところ温暖化の影響か以前ほどの樹氷は見られなくなっていた。しかし、今シーズンの樹氷は立派に育っているらしい。見どころが過ぎないうちに見たいと思っていたところ、予報で明日は快晴との情報。なんとか仕事の都合をつけ刈田岳へと登ることにした。
 樹氷といえば蔵王や吾妻、八幡平などで見られる。樹氷が出来るには数々の条件があり、どれひとつ欠けても樹氷にはならない。そんな貴重な自然の造形美を見に行くことにした。
 澄川スキー場(すみかわスノーパーク)には午前6時前についた。辺りはまだ暗い。準備をしているうちにうっすらと明るくなってきた。スキー場もそろそろ今日の準備作業を始めているようだ。リフトにも乗らないのにゲレンデを登るのは気が引けたのでエコーラインの南側を登ることにした。疲れが残っているのか右足が張っている感じがする。最初は少しラッセルになったが、ほどなく風で締まった雪面になり歩きやすくなった。ゲレンデを左手に見ながら登り、ゲレンデトップと同じくらいの標高に着いたのがスタートから約1時間後。まだまだリフトが動く時間ではない。
 後見ゲレンデのトップと同じくらいの標高までは1時間ちょっと。中央コースに乗っかると、前日まで踏まれた雪面はさらに歩きやすくなった。空には雲ひとつ無い。しかも風がほとんど無いのは珍しい。この状態が続いてくれればいいのだが。登っていると右手からスノーシューの足跡が合わさる。私よりもっとエコーライン沿いを登ってきたのだろうか。しばらく追いかけると、その足跡の主にc1500m辺りで追いついた。スキーはザックに付けて写真を撮っている。千葉から来て今朝登り始めたという。こちらは時間もないのでお先にと山頂へと急ぐ。東からの尾根を刈田岳に真っ直ぐ登るのは最短ルートだが、風が当たりクラストした雪面になっている。ところどころジグを切りながら直登したが、スキーアイゼンを付ければなお登りやすいだろう。
 刈田岳には8時37分に到着。歩き始めてほぼ2時間半で到着した。写真を撮ったりしたので少し時間がかかった。今日の刈田岳には一番乗りのようだ。360度のパノラマを独り占めする。ぐるっと見渡せば安達太良、吾妻、飯豊、朝日という東北の名だたる連峰が一望出来る。特に飯豊連峰の白き峰々は、神々しいばかりの白い輝きを見せていた。この眺めを見ただけでも満足というものだ。蔵王のシンボル「お釜」も今は氷結した白き湖面を見せている。
 千葉の方とは違う男性が1名上がってきた。いかにもスキーガンガンやってますという印象で、馬の背へと歩いていった。熊野岳へ向かうのか、それとも丸山沢辺りを滑ろうというのか。自分も歩きたくなるがまた後日にしよう。このために持ってきた一眼レフカメラでひとしきり写真を撮る。写真のことは詳しくないが、やはり画像の質は同じ画素数であっても一眼レフはコンパクトデジカメとは違うようだ。
 食事もしたので山頂に40分近くも居てしまった。それでもまだ9時過ぎなので、樹氷を撮りながらパラダイスコースを下ることにする。
 山頂から東に落ちている井戸沢の斜面はまだノントレースで魅力的に見えたが、今日は単独だし写真優先なのでまたの機会としよう。山頂から南にハイラインを横切りながら下りていくと、前山にかけての鞍部が樹氷の見事なエリアになる。ここを風が吹き抜けるときに樹氷が発達するのだろう。山形蔵王に勝るとも劣らない樹氷群が見て取れる。前山方向に向かえば樹氷群のただ中を歩くことになるので、時間と足に相談して行けるのなら入ってみるのもいい。しかし初心者にはちょっと難しいし、天候が悪ければベテランも困難な山域だと心得るべきだろう。また、自分の足で行けない場合は、お手軽に雪上車で樹氷見物が出来るツアーが澄川スキー場から出ている。お金はかかるが利用する価値はあるだろう。私がいるときも客で一杯の雪上車が4〜5台も上がってきていた。私はあちこち撮影したり雪上車に手を振ったりと結構時間を使ってしまった。
 さてパラダイスコースを下ろうとしたが、井戸沢に寄りすぎてしまっていたので戻りながら清渓小屋方向に向かう。パラダイスコースは緩斜面というか、中にいるとほとんど平坦にさえ思える。しかも今日の雪は柔らかくて重く、底がないように深いのでスキーが全然走らない。トレースがほとんど見あたらず、うねりのある歩きにくい雪面を1人黙々と下りラッセルを続けることになってしまった。結局観光道路に出るまで滑ることができたのは、一部の急斜面だけだった。昨年もパラダイスコースでは苦労しているのに、また同じことをやってしまった自分が情けない。素直に中央コースを下れば楽に滑ることができただろうに。
 シールを付けて沢の斜面を登り観光道路に出るとホッとする。急いで下り駐車場に戻ったのは11時29分だった。(K.K)

概念図

トラック 登り=赤  下り=青

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