一度は滑ってみたかった平標山へ出かけることにした。前日夜に福島を出発したものの雪になり、関越自動車道に入るころには猛吹雪で前が見えなくなってしまった。高速道路も30km以下ののろのろ運転で、神奈川から合流するはずだったM組との待ち合わせ時間には大幅に遅れてしまった。
何とか火打峠の三国小学校先の駐車スペースへ着いたものの、除雪車がフル回転し、駐車スペースは除雪車の回転場所として使われていて車を駐めるのもはばかれた。それではと暖房完備のトイレのある苗場スキー場の駐車場に車を駐めて仮眠することにした。雪は一晩中降り続いた。
朝方になってようやく雪は止んだ。起きてすぐに、登山口となる三国小学校手前の駐車スペースに車を移動した。この時点ですでに多くの車が駐まっていた。まだ登山者用の駐車場は除雪されていないので7時前と言うのに駐車スペースは一杯になった。登山情報の資料でも別荘地内の道路と路上駐車はしないようにとなっているので、土日は早めに到着しないと車を駐めるところが無くなってしまうようだ。
三国小学校の脇を通り別荘地内の除雪された道路を歩く。うっすらと雪が積もっていたのでシールをつけたまま歩くことが出来た。おかげでスキーは担がないで済んだ。15分ほどで除雪終了点に着く。
前日降り続いた雪でトップを歩いているパーティは結構なラッセルを強いられたようだが、さすがに人気のある山域で入山者も多く、最後までトレースを利用させていただいた。
トレースは沢の夏道に沿って着いていた。林道へあがり河内沢に架かる橋を過ぎると、林道から離れてヤカイ沢の左岸を登っていく。
間隔の狭い樹林帯を抜けると幅のある切り通しのようなところを登るようになる。初めて歩くところだが、先行パーティがキチンとコース取りしてくれているので楽に高度を上げていく。徐々に右の尾根に取り付くようにコースを取りし標高1730m尾根に乗ったところで休憩し、雪の状態を確認した。コンプレッションテストの結果はCTM(12)@12cm+だった。
尾根に乗ると雪庇が右側に張り出している。バーンは少し堅いもののそれも最初のうちだけで歩きやすくなった。上部は雪雲に覆われ視界は良くない。
平標山の家への尾根に乗ると風も強くなってくる。山頂から南に派生する尾根はバーンが堅く沈まない。正面から風を受けながら平標山の山頂へは11時41分に着いた。ゆっくりと登ってきたこともあって4時間20分ほどかかった。残念ながら山頂はガスで覆われ何も見えない。
風を避けて山頂の南東側に少し降りたところでシールを外し小休止した。30分ほどガスがとれるのを待ったが切れそうにない。それでもガスがまとわりついているは稜線だけで上空は明るい。最初はヤカイ沢へ滑り込むつもりだったが、ガスのため状態がつかめないので、無理をしないで登ってきたルートを滑ることにした。
高度を下げると幾らか視界も出てきた。尾根の東側のバーンはそう堅くなく滑りやすい。登りに使ったヤカイ沢と河内沢との間の尾根に入る。左の雪庇に注意しながら気持ち良く滑る。標高1730mまで下がってくると雪は少し重くなってきたものの、今の時期としては考えられないほどの深雪で、転ぶと起きあがるに苦労するが滑っては楽しい。
適度な間隔の樹林帯なので滑っては楽しい。登ってきたルートからあまり外れないようにしながら思い思いにコースをとる。深いところは膝上まで沈む。一旦転んでしまうと立ち上がるのに時間がかかりメンバーから離されてしまう。5人パーティなのでどうしても離れてしまうので無線機で打合せをしながら、ポイントポイントで待つようにしながら滑っていく。コースは何処を滑っても最後はヤカイ沢の左岸に寄ってくるので特に心配ない。
山頂から1時間ほどで河内沢沿いの林道に出た。ここからは緩い下りでスキーはあまり滑らない。所々推進滑降しながらトレースを追い、除雪終了点には13時29分に着いた。
除雪された別荘地の道路は所々アスファルトが顔を出しているが、何とかスキーで行けそうな感じ。車も走っていないのでスキーで滑っていくと10分もしないで車を置いてきたスノージェット脇の駐車スペースに着いた。(I.I)
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