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No4933
蔵王・丸山沢
山行種別 山スキー
ざおう・まるやまさわ 地形図

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山行期間 2014年3月29日(土)
コースタイム すみかわスキー場(9:28)→ゲレンデトップ(10:10,10:20)→刈田岳避難小屋(11:30,12:14)→熊野岳避難小屋(13:12,13:30)→かもしか温泉跡休憩(13:53,14:17)→濁川出合(14:47,15:08)→峩々温泉(15:57)=すみかわスキー場(16:17)
写真 写真は拡大して見ることが出来ます
中央コースから見る丸山沢 お釜の大きな雪庇 剣が峰を続々と登ってくる
熊野岳へ続く馬の背 お釜はまだ雪で埋まっている 丸山沢源頭へ
丸山沢源頭部 右側の斜面を滑ることにした シュプールを刻む
最初の喉 sharizakaさんのテレマークターン 丸山沢は地形の変化が面白い
2番目の喉 最後の急斜面 丸山沢の全景が一望できる
急斜面をトラバース 沢は口を開けている 濁川出合
遠くなった丸山沢 濁川左岸を下る 峩々温泉に到着

行動記録
 快晴の予報となった29日土曜日、2週間前に中退となった丸山沢へ向かうことにした。蔵王はどうしても山形蔵王スキー場のイメージが強いのだが、その広い山域では山岳スキーに格好のエリアが数多く存在する。その中でも丸山沢は滑降距離こそ短いものの、急峻な沢地形を一気に滑り降りるダイナミックなルートとして知られている。厳冬期は雪崩の危険もあり、容易に近づける場所ではないが、この時期になると雪も落ち着いて春スキーの対象となってくる。なお、この丸山沢を昨年10月に沢登りしている。夏と冬の変化もまた面白い。
 終点となる峩々温泉に車をデポし、すみかわスキー場へ移動する。すみかわスキー場は雪の豊富な今年、4月20日まで営業を延長(予定は6日終了)するらしい。今日は5人パーティーで、今日初めて一緒に歩くTさんは山スキー初心者とのこと。刈田岳まではKさんとGさんも一緒に登るので7人と賑やかだ。動いているリフトを横目に歩いて登る。気温が高く歩きだして少ししてジャケットを脱ぐ。雪は表面がシャーベット状で悪くない。中央コースを歩いていくと、右手に今日滑る丸山沢が見えている。エコーラインの除雪作業は大黒天の上まで来ていた。剣が峰に取り付いて見上げると、点々と登山者の姿が。陽気に誘われて山に来たのは皆同じようだ。
 お釜の馬の背側に、巨大な雪庇が発達しているのが見える。そのすぐ脇には多数のボーダーがいて、濁川源頭へと滑り込もうとしている。ボーダーには人気のスポットのようだ。刈田峠避難小屋に入りゆっくりと休憩。ここで下山するKさんパーティーとお別れ。刈田岳から馬の背に進むとそれなりに風が強い。今シーズン初山スキーのSさんはここで戻る。何人もの登山者とすれ違いながら熊野岳避難小屋に到着。シールを剥がし丸山沢源頭へ。
 丸山沢ボウルは斜面の荒れも少なく、表面はシャーベット状でコンディションは良い。既に数人の先行者のシュプールがあったのがちょっと残念。ボウルに飛び込み雪面に思い思いのラインを描く。まったくもって爽快。ボウルの底はぐっと狭まって喉状になる。2つの滝で落差が30m以上ある場所だが、冬は雪ですっかり埋まってしまう。
 喉を通過するとまたボウルが広がる。右手を見上げるとロバの耳岩が眩しい。蔵王の中でもアルペン的な景観の場所だ。次の喉も滝が連続するところだが、斜面の落ち込みやクラックが発生する場所なので、状態を確かめてから滑り込む。今日は特に問題無い。さすがにここまで下降すると雪が腐ってきたが、最後の急斜面を楽しむ。蒸気の上がる新噴気口を右に見て、カモシカ温泉跡のある平坦地まで滑り降りる。丸山沢を振り返り見上げると、ドロップポイントからの流れ落ちるようなラインがすべて見えた。
 今日の帰還ルートは峩々温泉下りなので、丸山沢沿いに下降する。東北大左ェ衛門小屋から先も緩斜面だが、沢の渡渉や急斜面のトラバースがあり気を抜けない。濁川の出合では強引にツボ足で急斜面をトラバースしたがヒヤヒヤもの。他の3人は時間をかけて小尾根を越したが、そちらもしょっぱい箇所はあった様子。雪解けが進み踏み跡を追えるようになれば楽だが、その手前の渡渉箇所の処理が課題になる。その時の状況に応じた対応が必要になるが、それもまた山スキーの楽しさのひとつだろう。あとは濁川の左岸林道どおりに降りるだけだ。あちこち雪が切れていて、7〜8回はスキーの脱着を繰り返す。土の出たところではフキノトウが採れる。最後はテクテク歩いて峩々温泉に到着。デポ車ですみかわスキー場に戻り丸山沢ツアーの終了となった。
 丸山沢は残雪の状況にもよるが、5月の連休までは滑ることができるだろう。行き帰りに時間と体力が必要だが、その苦労をしても滑る価値があると思う。ただし、時期が遅くなると沢が口を開ける場合もある。丸山沢からの帰還はひよどり越えが定番。気温によってはアイゼンが必要な場合があるので要注意。峩々温泉下りは4月中旬頃までと思うが、遅くなるほど林道歩きが長くなる。今回より早い時期の方が沢が埋まっていて楽かもしれないが天気次第だ。ロバの耳岩ルートで登り返す人もいるが、好事家向けだろう。丸山沢は蔵王随一といえるアルペン的な雰囲気がある。好条件の日を狙ってこの斜面を是非味わって欲しい。(K.Ku)

概念図

トラック 登り=赤 下り=青

より大きな地図で 2014.03.29_蔵王・丸山沢 を表示



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