Fukushima toukoukai Home page
No5255
安達太良山・迷沢
鉄山 1709.4m四等三角点峰
山行種別 山スキー
あだたらやま・まよいさわ 地形図

トップ山スキー>安達太良山・迷沢

山行期間 2016年1月30日(土)
コースタイム 箕輪スキー場(8:37)=Cリフト終点(8:46,8:58)→箕輪スキー場トップ(9:17)→仏沢源頭(10:08,10:17)→鉄山避難小屋(10:52,11:28)→コル(11:48)→標高1340m・訓練(12:32,13:18)→迷沢(14:05,14:26)→国道115号・新岩弓橋(14:37,14:48)=箕輪スキー場(14:52)
写真 写真は拡大して見ることが出来ます
箕輪スキー場のCリフトに乗り込む ゲレンデ内のコースを登っていく 高度を1550mまで上げると一瞬ガスが切れた
眼下にAリフトが見える またもやガスに覆われてしまった 鉄山避難小屋が目の前に来るまでわからないほどガスが濃い
まるでガスの中を泳いでいるようだ スノーマウントの構築開始 出来上がったスノーマウントは5〜6人は入ることが出来そう
雪は深くて重い 笹がまだ隠れていない 下りもラッセルしないと進まない
大○さんはいつも気持ちよさそうに滑る 普段は滑る勾配なのだが思うようにいかない 地竹取りの作業道を滑る
迷沢の出合へと推進滑降 迷沢でトップが沢にはまる 迷沢を渡ってシールを付けなおす
迷沢脇の大きなつらら 仏沢の橋を渡る ようやく国道に出る

行動記録
 今年の冬は山も雪が少ない。迷沢のコースが何とか滑ることが出来そうなので訪れてみることにした。天候予報は曇り、好天は期待できないものの風は無さそうだ。土湯トンネルを猪苗代側に抜け、国道115号の新岩弓橋手前の駐車スペースに車を1台デポする。ここが今日の下山口だ。荷物を載せ替えて箕輪スキー場へと向かう。
 箕輪スキー場の駐車料金は通年無料。リフトの運転開始前なので車も混んでいない。レストハウスのリフト券売り場で登山計画書を提出し運転を開始したCリフトに乗り込む。ちなみに箕輪スキー場の今年のリフト運転時間はAリフト9:30〜15:30、Bリフト8:30〜16:30、Cリフト8:30〜16:00である。1回券すべて600円なので、我々は当然のようにCリフトを利用することになる。Cリフトを降り、シールを付けてAリフト降り場へと向かう。ようやくAリフトが動き出したようで、滑り降りてきたパトロールの人から「おはようございます」と挨拶される。
 ゲレンデから離れて標高1550mを目指す。何処を登っても良いがうねりがあるので歩きづらい。Aリフト上部は急なオープンバーンになっていて、そこを登る人もいるのだが非常に目立つので、いつも一旦左によってから1550mラインに乗るようにしている。そのまま尾根を越え仏沢に向かう。いつものモンスターの所まで進んで小休止にするが、ここまで殆ど高低差は無い。途中で一瞬晴れ間が出たものの、すぐにガスに覆われてしまった。仏沢の左岸のオープンバーンを進むのだがホワイトアウトで何も見えない。左は沢のところに雪庇が発達しているので落ちないようにしたい。足元のうねりも見えないほどの視界の悪さで注意しながら進む。鉄山からの派生する西尾根に出たら直角に左に折れる。鉄山避難小屋はすぐだが、目の前に来るまで誰も気づかない。小屋の中は別世界だ。時間は早いが昼食休憩とした。最近流行っているのがカップラーメンだ。保温力の高いテルモス(THERMOS)が出回るようになってからだが、暖かい食事はありがたい。30分も長居してしまった。ここで用事がある渡○君は仏沢左支沢を下るので別行動となる。
 仏沢源頭のコルを目指して鉄山西尾根を西進する。GPSとコンパスで慎重に移動するが、しゃくなげの塔も確認できないままコルまで来てしまった。数メートルも違わないところを歩いているのだろうが何も見えない。コルから沢に入り込むものの牛乳の中を滑っているようなもで、自分が滑っているのか止まっているかさえもわからない。それでも高度を少し下げ、雪に覆われた木々が出てくると平衡感覚だけは取り戻せる。
 メンバーの間が離れないようにゆっくりと高度を下げる。しかし標高1400mまで来てトラブルが発生した。最後尾を滑っていた佐○さんがいなくなったのだ。一瞬なのでそう離れてはいないはずだが、大声で呼んでも応答はない。誤って中原コースのルートに入ったようだ。本人はGPSを持っているので携帯電話で現在地の高度を聞くと、だいぶ高度を下げている。一瞬焦ったが、この後どう対処するか考えを巡らす。この山域は40年前から沢の遡行調査や冬期の山域調査で何度も入っているし、遭難者の捜索などで地形は熟知しているつもりだが、離れた佐○さんは今日の予定ルートからどの程度離れているかわからないと言う。この迷沢地内と呼ばれるエリアは地形が複雑で地元では魔の山とも呼ばれている。地形の特徴と現在地がわかっていれば何も難しいことはないのだが、焦って動き回ると相手が悪い。
 今日の重たい雪では簡単に横移動できる状態でもない。2度目の電話の際に、ゆっくりで良いのでシールを付け直し、高度を保ったまま右に進むように指示した。最悪合流できなければ、トレースが残っている間に登り返して迎えに行くことも考え1340m台地で待つことにする。時間はたっぷりあるのでスノーマウントの構築訓練で時間をつぶす。スノーマウントが出来上がる頃、ようやく佐○さんが到着。この間30分ほどだった。全員顔を合わせたところで必要なくなったスノーマウントを壊して、滑降を再開する。まだまだ積雪量が少なく笹が出ている。気温は高く雪が重くて下りでもラッセルを余儀なくされる。1月の雪とは思えない。
 1192m標高点の台地を抜け、通称五段山の最後のピーク手前のコルから左の沢に滑り込む。ここには地竹取りのための道がある。その作業道に沿って滑って行くと迷沢出合に着く。雪が少なく沢は埋まっていない。普段だと30mほど上流は雪が繋がっているのだが、そこも流れが顔を出している。徒渉の際に雪を踏み抜いて兼用靴の中に水が入り込む。下山口はもうすぐなので我慢しよう。対岸に渡ってシールを付けながら休憩を取った。ここから国道115号の新岩弓橋までは10分ほどである。
※今日の事象は山スキーでは起こりやすい。先行者のトレースを見逃したときに構わずそのまま降りてしまうと、スキーの場合は短時間でも結構な高度を下げ、大きく離れてしまう。仮に方向を誤ると元に戻すのに大変な消耗を強いられる。特に沢や窪などが入り組んで複雑な地形では現在地確認が難しく致命的な結果になりかねない。はぐれたと思ったら、道迷いと同じように元の場所に戻ることが鉄則である。焦って両方が動き廻れば深みにはまる。いずれにしても冷静な判断が求められるだろう。(I.I)

電子国土webで見る

トラック 登り=赤 下り=青

 トップ



Copyright(C) 2016 福島登高会 All Rights Reserved.