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No5288
栂峰
山行種別 山スキー
つがみね 地形図

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山行期間 2016年3月13日(日)
コースタイム 小屋集落(8:50)→林道終点(10:21,10:32)→1,102m標高点(11:57)→1,402m標高点(13:05)→1,490m峰(13:28,13:44)→1,402m標高点(13:52)→1,102m標高点下(14:13)→林道終点(14:36)→小屋集落(15:23)
写真 写真は拡大して見ることが出来ます
小屋集落の除雪終了点 木屋川沿いに歩いて行く 1時間ほどで栂峰が見えてくる
昨年の雪崩地点 小沢の木橋を渡る 杉の植林地を登る
混交林の尾根 1102m標高点 先を行く○樹さん
飯豊本山が近く見える 立派なブナ林が見えてきた 1402m標高点
どの斜面も素晴らしいブナ林だ 1490m峰へ 右手には飯森山が見える
1490m峰からの栂峰 飯豊連峰を見ながら滑降 ブナ林のツリーラン
○樹さんの滑りはダイナミックだ 気持ちよく滑ってくれる 尾根をトラバース
混交林を滑る 霞んで朝日連峰が見える 小屋集落に到着

行動記録
 栂峰は山形県と福島県の県境にあり、山頂で喜多方市と飯豊町と米沢市が接する。飯豊連峰と吾妻連峰の中間に位置し、数は少ないが残雪期に両連峰を縦走して繋ぐパーティーもいるようだ。栂峰という山名は山頂部がツガ(栂)に覆われているからと思われるが、実際に生えているのはツガによく似たオオシラビソである。オオシラビソは吾妻には多いが飯豊には見られない樹木で、栂峰の位置的な特徴が植生にも現れているようだ。栂峰には昨年4月に登ろうとしたが、雪崩跡に遭遇してすごすごと撤退したということがあった。今年は雪が少ないことも考え、この時期ならまだ大丈夫だろうと登ることにした。
 意気込みとは裏腹に2度寝してしまい出発が遅れた上、道路工事により白川ダムより先が通行止め(3/1〜3/31)となっているのに気づかず入ってしまった。仕方なく戻って川西町側からの迂回路に回ることになり、小屋集落奥の除雪終了点を歩き始めたのは、予定より1時間50分も遅れた8時50分であった。今日の栂峰山頂は時間的に遠くなってしまったと言わざるを得ない。今年は記録的な少雪なので、昨年より1ヶ月早いのにもかかわらず、見た感じの積雪深はあまり変わらない印象だ。小屋川沿いの道なりに歩いていく。小沢の渡渉などで3度スキーを外した他はほぼ水平移動が続く。自分は右のふくらはぎに違和感があり今ひとつペースが上がらない。◯樹さんに遅れないように何とか付いていこう。
 やがて昨年の雪崩地点と思われるところまで来たが、倒木はきれいに片づけられて一見すると雪崩があったかどうか分からないほどになっている。しかし、右手斜面を見上げると倒れかかった杉などが残っていて、やはり雪崩があったことが分かる。スタートから1時間半ほどで林道の終了点に到着。2人とも初めてなので登り口が分からなかった。見ると砂防ダムの下流に小さな橋が架かっていたので、おそらくここだろうと対岸に渡って斜面に取り付いた。
 杉の植林地を30分ほど登ると、左手の急斜面を登って尾根に乗った。そこは落葉樹による混交林の林で、復路の滑りが楽しめそうに思えた。さらに登っていくと徐々に木が少なくなる。前方に左手に伸びるのが栂峰へと繋がる尾根だ。ひと登りしてその尾根に乗ると一気に視界が広がる。ここが地形図の1102m標高点だ。尾根は柔らかな雪に覆われ、今日は風も無く穏やかで何とも気持ちが良い。もう昼なのでかなり時間がかかったような感じがするが、それはスタートが遅かったが故の錯覚だった。早くはないが約3時間なのでまずまずだろう。ふくらはぎの不調はいつの間にか気にならなくなっていた。
 飯豊連峰が近くに見える。本山へと続くダイグラ尾根が明瞭に見て取れる。朝日連峰も見えるが霞がかかりスッキリとはしていない。南へと延びる尾根は緩やかなアップダウンが続き、やがて斜度を増して1402m標高点へと駆け上がる。途中からは見事なブナの疎林となり、復路での滑降にいやが上にも期待が高まる。尾根は平坦になり左に曲がると1490m峰が近い。視線を南に向けていくと県境稜線から飯森山へと続き、さらに辿れば飯豊まで繋がっていく。周囲の斜面はいずこもブナの疎林ばかりで、山スキーヤーにとっては別天地のようにも思える。飛び込んで滑りたい衝動にも駆られるが、帰路を考えなければならないのが残念だ。急斜面をひと登りすると地形図で神社記号がある1490m峰のピークだ。ここには蔵王権現が祀られているらしいが今は雪の下で見えない。東には山頂部がツガ(栂)に似たオオシラビソに覆われた栂峰が指呼の距離である。今日は栂峰までの計画としていたが、ここからの往復には1時間半は要するだろう。午後1時半も近いので今日はここまでとした。やはり朝の出遅れが痛かった。栂峰の山頂はまた次回に持ち越しとしよう。
 復路の滑降は爽快のひとこと。ブナの疎林を縫ってシュプールを刻む。歩きになりそうな箇所は出来る限りトラバースするなどして、滑降ラインを繋いでどんどん滑っていく。2人が前になり後になり木々の間をスイングしていくのは、まさに至福のひとときである。植林地は陽が当たりにくくて雪が固く樹間も狭いが、調子に乗った我々にはそれさえも楽しんで下降を続ける。たちまち小沢の橋まで降りてしまい、渡ると林道終点でひと息ついた。スキーの機動力をフルに発揮できれば、登りに比べて下りの何と速いことか。これなら栂峰まで行けたのではとの思いもよぎるが、無理することはないのだと思い直す。林道区間を推進滑降とスケーティングでスキーを流す。最後に来て○樹さんはテニス肘が痛み出したようで、ゆっくりとスケーティングしてきた、小屋集落の除雪終了点へと戻った。
 今回は日帰りのピストンだったが、いつか機会を作ってテントあるいは雪洞でベースを張り、見える限りの斜面を自由に滑り遊んでみたいと思う。また、福島県側に1台デポしておいて県境稜線を縦走し、飯森山から大峠トンネルに抜けるのも面白そうだ。来年メンバーを募って計画してみようと思う。(K.Ku)

概念図


ルート 登り=赤 下り=青

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