ご多分に漏れず、いや、かえって他の山よりも雪が少ないとの情報もある安達太良山。あだたら高原スキー場の雪は少ないがコース制限をしつつ営業はしている。とりあえず様子を見てくることにしたが、状況次第で振子沢を滑ってみようという魂胆だ。スキー場の駐車場に着いてみるとかなり土が出ている。厳冬期でこの状況ではと思う。それでも車は続々上がってくる。準備をして歩き始めると大人数の白峰会パーティーがミーティング中の様子。あいさつ代わりに手を振って先に進みスキーに乗る。奥岳登山口〜勢至平分岐は雪は少ないがスキー登高にほぼ支障なし。ショートカットで所々凸凹で歩きにくい個所がある程度。ただしこれ以上雪が減れば馬車道を忠実に歩いたほうが良いだろう。
勢至平分岐〜峰ノ辻は例年より少し灌木が邪魔になるが特に問題なし。ツボ足の登山者は踏み抜きで苦労していたようだ。灌木帯を抜けて峰ノ辻までは今年に限らずあまり雪が付かない。振子沢を見ればまだノートラックの斜面は状態が良さそうだ。滑降することを決定し峰ノ辻を経由して振子沢源頭に登る。我々が一番乗りかと思ったが既に本宮市から来た青年が準備中。彼のドロップを見送ると続いて我々もドロップ。固く締まったバーンに気持ちよくターン弧を描く。標高差160mはあっという間だが最高の瞬間だ。次は矢筈森まで標高差200mを登り返す。山頂から烏川右俣源頭を滑るためだ。しかし山頂直下で昼食を取ったのが失敗。数分のうちに空は雲に覆われ、白一色の斜面はよく見えなくなってしまった。ふわふわした感覚に何度か転倒しながら散々の滑降となってしまった。
再度シールを貼って夏道沿いに本山を目指すとガスが濃くなってきた。山頂に登るころには視界が数十m程度。一応山頂を踏んでから下山にかかる。計画ではピストンだったがガスということもありスキー場へと下ることにした。しかしこれはあまり良い考えではなかったようだ。標高を下げてガスから抜けたが雪が少ないので登山道どおりに下るしかない。滑りにはまったくならずロープウェイ山頂駅まではひたすら我慢の下降である。ツボ足の登山者にも追い抜かれるありさまで、途中数百mほどスキーを担いで歩いたほどだ。とにかく久しぶりの修行という感じだった。最後はガリガリのゲレンデを滑り降りて終了。自分としてはかなり疲れた山行となったが振子沢を滑ることができたのは良かった。
なお、今回の安達太良山は冬合宿でのテン場予定地の積雪確認も目的のひとつ。合宿は雪が少なすぎるため延期としていたのだ。しかし、いまだに地形の凹凸が埋まっておらず、笹や灌木もかなり出ているのでテン場とするのは厳しい状況であることを確認。冬合宿については再検討しなければならないだろう。(熊)