Fukushima toukoukai Home page
No6293
葉山(村山葉山) 1462.1m一等三角点
山行種別  山スキー
はやま(むらやまはやま) 地形図

トップ山スキー>葉山(村山葉山)

山行期間 2020年3月25日(土)
コースタイム 畑・葉山市民荘(8:20)→コル(9:03)→聖仏平(9:43)→稜線下(10:01,10:19)→小僧森(10:37)→大僧森(10:52)→大ツボ石(11:04)→葉山(11:20,11:29)→大僧森(12:00,12:23)→大僧森沢滑降→登り返し(13:03,13:20)→コル(13:35,13:43)→畑・葉山市民荘(13:55)
写真 写真は拡大して見ることが出来ます
葉山市民荘前かから登り始める キャンプ場への道路を登っていく キャンプ場を抜けて尾根へ取り付く
コルから尾根伝いに登る 尾根は広いが右側に雪庇も出来ている 気持ちの良い広い尾根をを登っていく
聖仏平を歩く やや左にルートを取り小僧森とのコルへと向かう 小僧森のピークに風が当り雪煙が舞っている
大僧森のピークを目指す 大ツボ石への登り 葉山山頂での集合写真
大ツボ石まで歩いて戻る 大僧森ピークから滑降を開始する 雪は重いものの良く滑ってくれる
順調に高度を下げる 雪崩(面発生湿雪表層雪崩)が起きた 雪が少なく沢形がそのまま残っている
既に沢が顔を出している 何とか沢を滑り降りる コルへと登り返す
コルからキャンプ場への下り 思ったよりもスキーは良く滑ってくれた キャンプ場の中を滑る
滑り降りて長命水で喉を潤す 寒河江市葉山市民荘 葉山の登山案内図

行動記録
 お誘いがあり寒河江市畑の葉山市民荘から村山葉山へ登ってみることにした。畑から村山葉山に登ったのは30年以上も前の話で、それも積雪期の山行は初めてである。畑の葉山市民荘までの除雪状況については、菊○さんが3月19日の湯殿山の帰りに確認していてくれた。今年は雪が少なく3月7日にすでに入っている人もいたようだ。
 福島を5時40分に出発し、葉山市民荘の駐車場には8時少し前に到着した。駐車場には前日から降っていた雪が10センチほど積もっている。準備していると菊○さんが到着、メンバーが揃ったので8時20分に歩き出した。集落内はすべて雪で覆われているので民家の脇を抜け尾根を目指す。畑の奥にあった登山口は今では葉山キャンプ場になっている。気温は低いのだが歩くと暑くなり体温調整でジャケットを脱いだ。コルへの最後の登りは急かなと思っていたのだがさほどではなく、歩き始めて40分ほどで楽に尾根に乗ることが出来る。1021mピークとのコルからは尾根伝いに登るのだが最初は勾配はあるものの手こずるほどでもなく順調に高度を上る。
 標高1243mの聖仏平は9時43分に通過、最後の登りはお花畑のピークには登らずに左斜面をトラバースして小僧森とのコルを目指す。小僧森のピークは風が吹き上げ雪煙が舞っている。風を避け稜線の下でジャケットを着込み、休憩を兼ねながらスキーアイゼンを付けた。稜線に出ると多少風はあったものの思った程でなく、小僧森の急斜面に取り付く。トップを歩く菊○さんのルート取りが旨いのか思ったほど苦労せずに小僧森のピークに上がることが出来た。
 次は小僧森からコルに一旦下って大僧森へと登り返す。スキーアイゼンを初めて付けた渡○くんは雪面に食い込んで横滑りしないスキーアイゼンにしきりに感心している。大僧森の山頂部は広い雪原になっていて風も無い。地形の関係だろうか。大僧森の広い雪原を進んでから大ツボ石とのコルへと下る。最後の登り大ツボ石へ上がると葉山山頂までは尾根伝いに15分ほどである。歩き始めてちょうど3時間で葉山の山頂に着くことができた。先には葉山神社社が見えるののだが、今日はここまでと決めていたので集合写真を撮り大僧森まで戻ることにする。
 大ツボ石からの下りはシールを剥がし南側斜面をトラバースするようにコルまで滑り、今度はスキーを担いで大僧森へと登り返す。風のない大僧森の広いピークでノンビリと昼食休憩とした。ここから大僧森沢へと滑降を開始する。ドロップポイントを捜し雪庇を外して下降地点を決める。雪は多少重くなってきたものの新しく降った雪の下はザラメ雪で沈みは少ない。トップを切って菊○さんが滑り、鈴○さん、渡○くんの順に滑降する。順調に200mほど高度を下げたところで鈴○さんの「菊○さんが雪崩に巻き込まれた」と叫ぶ声で下部を見るとデブリの中にいる菊○さんを確認する。すぐに立ち上がったので埋没は逃れたようだ。二次雪崩の危険もあるので沢の中の凸状部分を滑って現場へと急ぐ。滑り下る途中で足元が動いた。凹状部分だったら同じように流されるところだった。滑降後に雪崩れた雪に後ろから足元をすくわれて流されたようだ。幸いデブリの上に乗った状態だったので難を逃れたが、ヒヤッとした瞬間だった。
 雪崩は、面発生湿雪表層雪崩で、23日、24日とも現地の麓では気温も高く24日夜半から25日朝の間に降雪があり、現場は5センチ程度の湿雪が積もった状態だった。弱層の条件である濡れザラメの上に載った雪面を切断したために、持ちこたえられなかった上載積雪である湿雪が流れたものだ。今の時期としてはときどき見られる現象だが、上載積雪の量が多かったり、地形によっては堆積する量が多くなり埋没してしまう危険もあるので充分な注意が必要だ。あらかじめ弱層テストを行い滑るルートを確認し合ってから下るべきだった。上載積雪が少ないので油断してしまった。慣れは恐ろしい。
 大僧森沢は例年に無く雪の量が少ないとのこと。中間部も雪が少なく沢床が埋まっていないので幅が狭い状態が続いた。すでに沢の一部が顔を出していて、これ以上融雪が進めばこのコースは使えないと思う。大僧森沢は下部で平になるが、すでに沢の流れ顔を出しスノーブリッジを見つけて対岸に渡った。沢に落ちたときには自己脱出のためロープ、スリング、カラビナは必携となる。記録などを見ると例年4月上旬でも問題無く使えるルートのようだが、後1週間持つかどうかだろう。
 大僧森沢の下部平坦部から最初に登ってきた1021m標高点とのコルへと登り返す。ここでも急斜面をイメージしていたのだが思った程ではなく、問題無くコルへ上がることが出来た。最後はシールを剥がして畑へと下る。気温も上がってきたのでストップ雪を覚悟していたのだが、スキーは思ったよりも滑ってくれて畑の葉山市民荘へは13時55分に着いた。行動時間は5時間30分ほど、雪崩の発生が無ければ、天気も良く滑りもほどほどに楽しめたのでコースとしては面白い。初心者も含めて歩けるルートなので、例年通りの積雪量であれば快適なコースといえる。大僧森のドロップ地点で弱層テストを行い、危険と判断した場合は登って来たルートを戻るようにすれば、面白みは半減するかもしれないが、滑りは充分楽しめるし登り返しも小僧森と聖仏平だけなので行動時間もさほど変わりないと思う。(和)

概念図

電子国土webで見る


傾斜量区分図(雪崩)
トラック 往路=赤 復路=青

 トップ



Copyright(C) 2020 福島登高会 All Rights Reserved.