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山行データ No.3120
八甲田山
山行種別 山スキー


■山行期間 2001年2月16日〜18日
■コースタイム 2月15日 長者原SA(20:15)→紫波SA(22:45)→小坂P着(0:45)
2月16日 小坂P発(7:00)→酸ヶ湯温泉着(8:20)→大岳環状ルート出発(9:30)→仙人岱ヒュッテ着(11:48)→仙人岱ヒュッテ発(12:25)→大岳着(13:50)→仙人岱ヒュッテ着(14:55)
2月17日 仙人岱ヒュッテ発(8:00)→酸ヶ湯温泉着(12:30)→八甲田スキー場ロープウエイへ移動(13:40)→スキー訓練終了(15:40)→酸ヶ湯温泉着(16:00)
2月18日 酸ヶ湯温泉発(7:40)→八甲田スキー場ロープウエイへ移動・スキー訓練開始(9:00)→スキー訓練終了(11:50)→花輪SA→紫波SA→長者原SA


■行動記録

《2月15日》
 21時以降に福島市から向かう5名と長者原SAで合流し、荷物の仕分けなどを行う。長者原SAから紫波SAで休憩し、盛岡市を過ぎた頃、外の気温は−11℃を示している。小坂Pの端でテントを幕営し、明日からの山を語り合いながら2時頃就寝となる。夜中はトラックのエンジン音が響いていた。テントの端の方は冷たい風も多少入り、人の間に挟まれて寝た方がぬくもりがある。
《2月16日》
私達は6時に起床し、朝食を食べ7時に出発した。黒石インターで高速を降り、394Rを通り、酸ヶ湯温泉に到着した。昨年は青森インターまで行ってから来たが、今回は黒石からだったのでとても近く感じた。今日は金曜日とあってか道路も空いており、外の表示は東の風3m、−8℃と示している。
 酸ヶ湯温泉駐車場はちょうど除雪中で、除雪が終わるまで道路で待つことになる。車を2台駐車した後、温泉宿に通じる雪の回廊を通り、トイレを済ませた。共同装備などを分けた後、スキーをはき準備する。先程一人の男性が環状ルートを降りてきていた。ちょうどそのトレースが付いており、ラッセルを交代しながら前に進んだ。トレースは途中から消え、本格的なラッセルとなり沢にはいる手前で小休止をとる。上の方から賑やかな声が聞こえ、数名の人達が前を滑っていった。警察官の山スキー訓練が行われおり、昨日は上の山小屋に宿泊したと聞いた。
 私達は沢に方に降り、膝上までの雪をラッセルしながら進んだ。上に進むにつれ、風雪が強くなり沢を登り詰めたところにポールや赤旗が立てられていた。間もなく前に進むと、右側に仙人岱ヒュッテが見える。昨年よりは到着が早いと感じながら、ヒュッテを目指して、途中迷いやすい所に赤旗を付け到着した。昨年ヒュッテの中には1階から入ったが、今年は2階が入口で、階段を降りて入った。中には誰もおらず、ストーブが2台設置されている。トイレは入り口のすぐ隣にあり部屋の温度は4℃、気圧は1010ミリバール、湿度は80%を示している。
 私達は小休止後、仙人岱ヒュッテを後にし、大岳に向かった。大岳に向かいながら途中で赤旗を付け、どんどん高度を上げ、ヒュッテや硫黄岳を見下ろした。ここが晴れていればどんなにすばらしいことだろうと思いながら、表層雪崩に注意し進んだ。大岳は1584,4mを示し、上の方は岩場になって風雪が強く、雪面はガリガリしている。登頂の喜びを味わいながら風の弱いところまでシールを付けたまま降りる。ある程度安定したところでシールをはずし、Yさんを先頭に皆思い思いに滑る。Kさんは赤旗を回収しながらザックに背負い滑った。ヒュッテの近くまで来たが、先程の私達のトレースは消えて何もない。
 ヒュッテには14時55分に到着したが、今夜は私達だけのようである。内部は一人一人寝るスペースも十分あり、ふんわりしたマットも置かれている。鍋や魚をあぶる網、テーブル、真新しいサンダルなどなど、泊まる人が困らないように準備されている。Kさんがこの日のために用意した多くの灯油で暖をとり、夕食は地鶏のみそ煮を食べた。夕方のラジオでは八甲田山にて遭難者が2名おり、明日から捜索予定であることを聞いた。遭難者2名の無事を祈りながら21時には就寝となる。
《2月17日》
 私達は6時に起床し、餅入りラーメンを食べ準備をした。ラジオでは本日2名の捜索が130名体制で行われることを聞き、この悪天候の中、本当に行われるのか、ここまで来れるのかなど心配していた。外は強風と大雪で視界が悪く前が見えない状態である。
 最初はシールを付けずに歩いたが、新雪が深く前に進まないため、途中でシールを付けた。ヒュッテから左側に歩き昨日来たところを戻ろうとするが、現在地が不明瞭なため、再度わかるところまでもう一度戻り、コンパスを使いながら降りる角度を確認した。降り口の赤い旗を見た時はほっとし、ガリガリした雪面を降りた。前を進む人を見逃してしまえばどこにいるのかさえもわからないほど吹雪いているため緊張する場面である。下り始めた時にHさんの片方のシールがはずれ、Hさんはシールを付けずに下る。下りは本来はシールを付けずに一気に滑ることを誰しもが考えていたのだが、この新雪の多さでは滑ることは難しく、下りもラッセルとなってしまう。強風と風雪がだんだん弱まり、沢から上部に上がったところで小休止をとる。この斜面も昨年は滑ってきたのだが、今回は下りのラッセルを強いられ、途中からトレースを見つけ、トレースに沿って降りてきた。10時30分過ぎには穏やかな天候となり、雪面がきらきらし、頂上の方は晴れて山々が美しい。
 大岳環状ルートの15番付近でOさんが声を上げ、シールが片方なくなっていることに気づいた。男性群はもう一度来た道を戻りシールを探しに行くが見つからなかった。雪の中に埋もれてしまうと見えなくなってしまうため、それぞれが注意したいことである。空には自衛隊の捜索ヘリコプターが低く飛んでいる。私達は12時30分には酸ヶ湯温泉の駐車場に到着した。駐車場には自衛隊の災害対策の車が多く、捜索の物々しさを感じた。午後からは八甲田スキー場へと移動し、回数券〔5回 4900円 〕を購入した。八甲田山頂の気温は−12℃ 風向は西で風速は16m/sと改札口に表示あり。ロープウエイの山麓駅は人混みの混雑はなく、トイレの時間や休憩も十分とり、余裕を持ちながら移動した。
 1回目はフォレストコース(滑走距離5km 標高1324m〜660m 高低差664m )上部1kmは急斜面、後半は林間の緩斜面を滑った。スノーボードの人達も多く見られた。2回目はダイレクトコース(滑走距離3,5km 標高1324m〜660m 高低差664m でフォレストコースよりは最後登りが少なく、滑走が楽しめる。15時40分にはスキーを終了し、残りの3回分は明日使うことにし、酸ヶ湯温泉へと戻った。温泉の駐車場は自衛隊の車で混雑し、私の車は係の人が移動してくれたようである。部屋は自炊棟で、入浴して暖まった後にKさん手作りの水炊きを頂いた。
 この自炊棟は自分達だけでほっとくつろげる部屋であり、ここの宿泊は私達にとっては非常に居心地が良い所である。初日は山で泊まり、2日目はここに宿泊するプランは格別である。夕方のテレビでは行方不明の男性1人が北八甲田山の避難小屋で無事見つかり、女性の捜索は明日行われるようである。
《2月18日》
 私達は6時に起床し朝食を済ませ7時40分には酸ヶ湯温泉を出発した。八甲田スキー場の駐車場には自衛隊の災害対策の車が多く、捜索隊の人達で混雑していた。山頂は雪・霧で温度は―7℃、風向は西で風速は12m/sである。山麓駅に来てみればロープウエイの開始時間は9時からなので、ストーブの周りでしばらく休憩となる。9時過ぎにダイレクトコース2本、モッコ沢コース1本を滑り本日のスキー訓練を」終了した。
 行方不明だった女性の方も無事見つかり、捜索の人達もほっとしている様子だった。11時50分頃にはスキー場を後にし、黒石インターから東北自動車道に上がり、花輪SAで昼食をとり紫波SA,長者原SAで休憩後、私は古川インターで降り新庄市に着いた。私としては途中より合流しての山行となったが、リーダーをはじめ皆さんにお世話になり参加できて良かったと思う。

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