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山行データ No.3162
双六岳・三俣蓮華岳
山行種別 山スキー


■山行期間 2001年5月2日〜6日
■コースタイム 5月2日 福島市(18:20)→細入道の駅(0:10) 幕営
5月3日 細入道の駅(7:15)→駐車場(8:30/8:50)→わさび平小屋(10:15)→小池新道入口(10:59)→幕営地(14:30)
5月4日 幕営地(6:45)→弓折岳(7:30)→双六テン場(9:15/10:10)→双六岳(11:24/11 :40)→双六谷(12:10/12:30)→双六テン場(13:10/13:30)→稜線(13:45)→モミ沢 m付近(14:10)→双六テン場(14:55)
5月5日 双六テン場(6:45)→鞍部(7:45)→2854mピーク(8:24)→三俣蓮華岳(9:00/9 :25)→2450m付近(9:45/10:30)→三俣山荘(10:20/10:30)→樅沢出合(10:55 /11:15)→2790m地点(13:10/13:25)→双六岳山頂(13:35/13:45)→双六小屋(14:05)
5月6日 双六小屋(6:50)→弓折岳(7:56/8:15)→小池新道入口(9:05)→わさび平小屋 (9:30)→駐車場(10:37)→福島(20:00)
■写真

■行動記録
5月2日
 猪苗代ICでMさんと合流。北陸道に入るころから雨がポツポツと降っ てくる。道の駅の裏の公園のコンクリートのドーム状の中にテントを張り仮眠
5月3日
 小降りになった雨の中新穂高温泉を目指す。駐車場に着いた頃より雨もあ がり日も差してくる。スキーをザックに着けて林道を歩くが、久しぶりの重荷に汗が噴き出る。ところどころ雪に覆われた場所を乗り越しながら林道を行くと1時間25分でわさび平小屋に到着。この辺りからは林道は全て雪で覆われていたので少し進んだところでシールを付けてスキーを履く。1カ所スキーを外しただけで林道との分かれる橋の場所まで到着。
 天気も一時小雨が降るが、曇り空でまあまあの感じで歩き続ける。秩父沢との合流点を過ぎ長い斜面を登り続けて行くが、鏡平への分かれあたりに着く頃から昨日の寝不足からかペースが落ちてくる。濃いガスが降りてきて当初の予定の大ノマ乗越は全く見えずトレースが見えるだけである。しばらく登ったところでこのままのペースでは双六小屋には到着は無理であること、トレースはあるとはいえ視界の利かない中で重荷を背負って双六谷へ滑り降りることは気が進まない旨話し、時間は早いが、雪崩を避けるために弓折岳から南?に伸びる稜線にテントを張ることとする。しかし、昨晩降ったと思われる新雪が表面に15pぐらい積もっており、斜面をトラバースすると足下から崩れるようでヒヤヒヤしながらの登りとなってしまった。なんとか稜線上(2300m付近)に雪を削って幕営する。
5月4日
 朝から快晴。目の前に槍ヶ岳、穂高がはっきりと見え最高の気分で出発。K以外はスキーをザックに着けてアイゼンで歩く、Kはシートラーゲンでスキーを細引きで引きながら歩く。弓折岳に着くとさらに360度の展望で双六岳、笠ガ岳、白山、水晶岳などの北アルプスの山々、何よりも槍ヶ岳、穂高連峰、大キレット、去年滑りそこねた飛騨沢すばらしい景色が我々を迎えてくれた。しばらく稜線を歩いた後、双六小屋まで斜面をトラバースしながら歩きテントを設営する。
 ここからシールを付けて小屋の裏手のテント場の目の前の斜面を双六岳へ登り始める。山頂へは1時間10分程で到着。景色を楽しんだ後今回のメインのひとつである双六谷への滑降に移る。晴れて、時間も経ったせいか雪が腐り、楽しむ筈の滑りに苦しむこととなる。雪崩れそうな斜面をトラバースした後の谷に合流する手前の斜面では、スキーで切った雪が表層で崩れて行く状態であった。谷との合流地点では学生らしき3人のパーティと話を交わし、沢で水を汲み、小休止をして双六小屋までの平坦な斜面を登り返す。少し休んだ後、モミ沢を滑ろうということになり小屋から50mぐらい登って滑り始める。最初はまあまあの雪質であったが、下るにつれて、雪は重くなり、足下からどんどん崩れていく何とか急な斜面の終わりまで滑り、傾斜が緩くなったところで登り返すこととする。M・S組はもう1本滑るというので、残りの三人は小屋でビールを確保しテントに戻る。二人もすぐに雪が重くてだめだと戻って来たので明日の晴天を祈り乾杯。
5月5日
  今日も快晴。ところがOさんは前に痛めた足が痛むということで本日は休み。四人で出発。Kはシートラーゲン、三人はザックにスキーを付けて双六岳の斜面をトラバース気味に三俣蓮華岳の手前のピークとの鞍部を目指しアイゼンで歩く。鞍部(2790m地点)でスキーに履き替えるが雪がまだ締まっておりシールを利かせるよう意識しながら登る。2854mピークを越え一旦下り再度三俣蓮華岳へ登り返す、この間は東側?に雪屁が張り出しているがほとんど稜線を外すことなく歩く。
 三俣蓮華岳からは太郎平、薬師岳、立山方面、鷲羽岳などがはっきり見えた。ここでシールをはずしカールに滑り込むがここからが今回の山行で一番の滑りであった。滑り出しは急なため山頂より少し下り雪屁を越えて滑り出す、表面がまだウインドクラストしているためスキーで削れた表面の氷がターンのたびにカラカラと音を立てながら自分の足下を追い越していく、若干足下がすくわれる気がするがたいしたことはなく各自思い思いのシュプールを描く。青い空と白い雪そしてみんなが描いた華麗なシュプール、これぞ山スキー! ここから2450m地点まで、わずかな灌木しか見えない大斜面に絵を描くように我々のシュプールを刻む。岩苔乗越まで行くかどうか迷うが滑っている途中で見た弥助沢の上部からザックを投げて滑っていたテレマーカーの華麗な滑りが頭に焼き付いてここから戻り弥助沢を滑ることとする。先ほど見えた人達は鷲羽岳方向へ少し登って弥助沢へ滑り込んでいたが、我々は三俣山荘から滑り降りることとする。もはや雪が重くなりかけていたが沢沿いに楽しく滑り降りることができた。
 しばらく緩い斜面を滑った後、小休止後樅沢を登り返し双六岳の東斜面を滑ることとする。登り始めてみると下から見て稜線と思っていたのが手前の斜面であることが分かり疲れが増してくる。広い雪の斜面を黙々と登り今朝スキーに履き替えた鞍部の少し南側で小休止し遅れた山家君を待つ。山頂で息を整え、東側のトレースの無い斜面を選びながら今日最後の滑りを双六小屋まで楽しむ。今晩は小屋泊まりのためテントを撤収して小屋に入り乾杯。
5月6日
 今日は下山後の移動もあるので早々に朝食を済ませスキーをザックに付けてアイゼンを履き出発。弓折岳の山頂から南側に向かう斜面はまだ雪が締っており滑りにくかったが少し下って東側に出ると広い大斜面になる。日当たりも良いため滑るのに丁度良い雪質であるため、ザック投げに挑戦。空身で滑るスキーは最高に楽しいが、Y君のザックの中身が飛び出したのを見てかなりのショックが加わっている事を再確認。そこから下も快適に滑るが、登り返しを避けようとしてトラバース気味に滑り、雪が少なくなった小池新道入口の橋のところで小休止。MとKはこの後わさび平小屋の少し先までスキーで下るが残りの3人はスキーを担いで降りることとする。しかし、大貫さんは林道の雪を見て我慢できずまたスキーを履いて我々に続いて滑って来た。後は林道を歩いて駐車場へ到着。中ノ湯旅館で汗を流し、山行終了。 (M.K)


■概念図


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