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Fukushimatoukoukai HomePage
No.3466
鹿島槍ヶ岳
山行種別 山スキー
かしまやりがだけ 地形図 黒部湖、神城、大町、十字峡


■山行期間 2003年5月2日〜4日
■コースタイム 5月2日 猪苗代IC集合(19:50) →北陸道P(23:00)仮眠
5月3日 北陸道P(5:50)→扇沢登山道入口(7:20〜8:00)→奥小沢出合(8:50)→二俣・1729m付近(9:37〜9:45)→稜線・2400m付近(13:05)→爺ガ岳南峰(14:41)→冷池山荘(16:15)
5月4日 冷池山荘(6:50)→布引山(7:45)→鹿島槍ガ岳(8:37〜9:30)→登山道(10:36)→冷池山荘(11:00〜11:25)→爺ガ岳南峰(12:50)→種池小屋手前2500m付近(13:25〜13:40)→二俣・1729m付近(14:10)→扇沢登山道入口(15:00)
■写真
柏原新道入口扇沢出合 右岸の道を進む 泥に覆われたデブリを越える
二俣、右沢は滝が出ていたため正面の左沢を進む 両側が狭くなった急な斜面を登る 沢状の登りから支尾根に上がる
最後の急斜面を登る。前方には雪庇が見える 2400m付近の稜線に出る。バックは針木岳 種池山荘へ続く尾根を登る

爺ガ岳南峰と種池山荘

鹿島槍ヶ岳へ向かう。手前は布引山
冷池山荘への下り
鹿島槍ヶ岳左手の斜面がコヤウラ沢 頂上直下の滑り出し コヤウラ沢源頭の快適な滑り
布引沢源頭の斜面 種池山荘から左に伸びている斜面を滑る 種池山荘から少し手前から大斜面に滑り込む
沢床に降りる最後の斜面 広く開けた雪渓を滑る 二俣から見た扇沢

■行動記録
 4名のメンバーそれぞれが異なる住所地のため、猪苗代ICで合流し北陸道を南下する。
 扇沢出合には、たくさんの車が駐車してあり、柏原新道の入口のわずかに残った場所に車を止める。朝から青空で、立山に向かう客を乗せていると思われる車が扇沢の駅の方にどんどん通り過ぎていく。柏原新道へ向かう登山者はたくさんいるが、扇沢へ向かうのは我々ともう一つの4人パーティのみであった。もっとも、柏原新道も種池山荘へ続く夏道ではなく、爺ガ岳南峰へ続く爺ガ岳南尾根を登るようにとの注意書きがあったのだが。
 スキーを担いで、扇沢橋を渡り、右岸の堰堤の工事用道路と思われる道を進むと、泥に覆われたデブリになる。一旦デブリを越えて、雪の上を灌木をぬって歩くが、奥小沢の出合は泥に覆われたデブリとなる。それを越えても両側からの土砂や倒木がすごくて、二俣(1729m)でようやくスキーを履く。
 右俣は滝が出ていてとても越すことができないため、左俣を進むことにする。しばらく行くと、左の支沢から大量の土砂混じりのデブリがあり、左岸沿いに右支沢へ進む。両岸が迫ってきて、傾斜も急になってきたところに何故かシールの付いたスキーが1本落ちていた。周りを見回しても何もないためそのまま通過するが、何となく気が重い。ここからは急な斜面にシールを利かせて、ジグザグに登るようになり、最後の二俣を右に進むと、沢はますます急になったため、左岸の支尾根に乗るが、約40度の傾斜の広い斜面へとなる。しかも雪屁が大きく張り出しているので、雪屁の落下方向を避けながらシールで登るが稜線直下はさらに急斜面となったため、最後の30mはスキーを担いで登り稜線に出る。当初予定していた種池山荘の上部ではなく、50mぐらい下に出た。
 このルートは、少量ではあったが、途中に両側の支尾根や枝沢からの落石や雪の崩落があったし、上部にはかなり大きな雪屁もあり、雪崩の危険等の状況判断ができるパーティでないと入らないほうが良いと思った。翌日下りに一緒になった単独行の青年によれば、小屋の人にはこのルートは危険なので登らないほうが良いと言われたとのこと。
 ここからは、稜線沿いに登り、種池山荘の約50m上部でスキーを担ぎ夏道を辿り、爺ガ岳南峰に着く。時間があれば白沢の上部を滑ることになっていたが、時間切れで諦め、冷池山荘に向かう。爺ガ岳南峰から冷池山荘へは、雪が付いていればスキーでトラバースできるとの情報であったが、雪がなくスキーを担いで夏道を歩くこととなる。単調な稜線の歩きで、この間が行きも帰りも一番長く感じた。結局、前夜の寝不足と好天による暑さによりバテバテの状態で、予定より2時間も遅く冷池山荘に到着した。冷池山荘では、この時期限定という一人1本の缶ビール(500?)のサービスがあり感動した。来春は改装で使用できないとのことであるが、是非また、別ルートで来たいと思った。
 翌日も朝から晴れ、雪が腐るのを待つためゆっくり出発する。冷池山荘からしばらく登ると、稜線上は雪がなくなり夏道を歩く。計画では布引山と冷池山荘の間にトラバース気味に滑り込むつもりであったが、雪がなく青々としたハイマツが見える。鹿島槍ガ岳山頂からは、360度の展望が満喫できたが、雪の表面ががまだ堅いためしばらく時間を潰す。
 9時半になったため、今回のメインであるコヤウラ沢源頭に滑り込む、緊張感が全身を覆うこの瞬間がたまらない。はじめは、やや堅めの雪面であったがエッジの利きが分かると、大斜面を各自思い思いに滑り降りる。ここは時間があれば、もっと下まで滑り降りたら楽しいだろうと思うところであるが、途中から左にトラバースして布引山から西に伸びる尾根を越すことになるが、雪が切れており5mぐらいスキーを脱いで歩く。この布引沢の源頭も最初は急な斜面であるが、かなり下まで滑れそうな良い斜面である。今回は登り返す時間もないのですぐにトラバースし、樹林帯へと入る。しばらくはトラバースするつもりでいたのに、ここで山の鉄則を守らず、他人のトレースを見つけうまく稜線に出られるかと思い、それを追いかけたところ、ハイマツの藪漕ぎとなり15分近くハイマツと格闘した後登山道に出る。山の鉄則「他人のトレースを信じてはならない」
 稜線でまたスキーを履き、冷池山荘の手前まで平らな稜線を滑る。山荘でデポした荷物とスキーを担ぎ、爺ガ岳南峰を目指す。爺ガ岳南峰の下りの途中でスキーを履いてなだらかな稜線を滑り降り、種池山荘の手前で雪屁の発達が少ないところを選んで、南面の大斜面に滑り込む。最初は適度な傾斜であるが、だんだん急な斜面となり、メンバーに転倒しないよう注意を促す。斜面の左側の沢の先は昨日滝が見えてた場所であるため、やや右方向へトラバース気味に滑り、小さな沢状の斜面を滑って昨日登ってきた沢に合流する。ここからは、落石とデブリや雪渓の割れ目に気を付けながらも、二俣まで快適な滑りが楽しめる。最後はスキーを担いで、駐車場へと向かった。
 このコースは、地元の人は登らないように話しているらしく、確かに、登りに使った場合、雪崩や雪屁の崩壊に巻き込まれる可能性は高いのかもしれないと思った。でも、下りなら安全とは言えないし?その年の積雪状況の情報収集や現地での状況判断が重要では?(M.K)

  
■概念図


白馬大雪渓
■山行期間 2003年5月5日
■コースタイム 猿倉(6:20)→白馬大雪渓2200m付近(9:35〜10:00)→猿倉(10:35)
■写真
白馬雪渓を登る 白馬大雪渓の登りの途中 快適な滑りが楽しめた白馬大雪渓

■行動記録
 当初の計画では、針ノ木雪渓を滑る予定であったが、扇沢駅周辺の喧噪と鹿島槍の疲れでのんびりと山スキーを楽しむということで、猿倉に移動し白馬大雪渓を滑ることとなる。
 今日も、晴天、今回は三日間好天が続き、最高のコンデションであった。猿倉の駐車場は昨年より雪が多く、昨日までのスキーや坪足のトレースがたくさんあった。林道を進んで行くと、白馬主稜を登る2、3のパーティが見える。白馬尻周辺のテントは昨年より少なく、連休の最終日だからかな等と思いながら登っていく。昨日までの疲れからか、途中からペースがかなり落ちたため、当初の予定どおり適当に切り上げることとして、猿倉までの標高差約1000mの滑降を楽しんで今回の山行は終了。(M.K)


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