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山行データ No.3135
早池峰山
山行種別 山スキー


■山行期間 2001年3月17日
■コースタイム  3月16日 長者原SA(21:10)→盛岡南インター→106R→区界高原ビーチビレッジ仮眠
 3月17日 こび沢林道発(7:40)→門馬口登山口(8:40)→アイオン沢地区治山事業表示板(9:20)→林道終点(10:47)→アイオン沢渡渉(10:50)→1300m (12:05)→1600m(13:00 )→1750m(13:30)→林道終点(14:20)→門馬口登山口(15:15)→こび沢林道着(15:45)


■写真
アイオン沢右岸で休憩 標高1300m付近を登る この上は岩が出てくる スキーでの登高


■行動記録
 
3月16日
 16日の盛岡の天気予想は曇りで、夜は雪が少し降ってきている。道路は冬に逆戻りし たかのように圧雪状態だった。道の駅にはトラックのエンジン音が響き、私達は奥の方にテントを張り、明日からの山を楽しみにしながらくつろぐ。Kさんは風邪をひいているようで、鼻水、咳が続いている。トイレは新しく広いが、水の出るのが遅い。
3月17日
  朝道の駅で水分を補給した後、106号線を通り門馬を目指す。天候は曇りで雨は降っていない。当初の出発は6時30分だったが、時間が遅れていて頂上まで行くことが出来るだろうかと不安も出てきた。
  門馬のバス停から少し走ったところを右折し林道を走る。民家が数件あるが人影はない 。更に進むと林道は2カ所に別れ、まっすぐ進めば沢の方に行く。
  御山川の方に進みたいが、そちらの道路は除雪されておらず、このまま車で進めば危険と判断し、除雪されている場所に車を2台停車し準備する。御山川の林道はスノーモービルが通ったような後があり、これで林道終点まで進めば時間短縮になり、登頂するのも早いと誰しもが思うことである。
  準備が整った後、林道をいざ出発し、長い長い林道歩きが始まった。林道の勾配はあまりなく、時折雪がアンモナイトのように固まって落ちている。天候は晴れ、青空の中すがすがしく進む。衣類も冬物から春へと替わる時期で、雨具でも寒くはない。私は夏の早池峰山も来たことはなく、ここを車で出来るだけ上まで進めば確実に頂上まで行くことが出来ると感じた。
  門馬口の登山口に到着したが、ここで道路は2カ所に別れ、真っ直ぐ進めばアイオン沢コース、左側は小山川コースである。私達はアイオン沢コースの方に進み、橋を渡る。更に進めばアイオン沢地区治山事業の大きな看板があり、地図と概念図を合わせて見てみる。昭和23年にアイオン台風があったことから記され、アイオン沢の他にも闇隅沢、滝の沢、握り沢、石合沢などが周囲に書かれている。林道は2カ所に分かれているが、通行止めされている脇を通りアイオン沢の方に進む。
 Mさんは途中スキー面に雪が付き、非常に登りにくく、シールワックスを塗る。シールワックスはスキー使用前に塗っておくことが必要だと教えられた。Mさんの塗っているのを見て、みんな塗り始めた。ワックスを塗った後はスキーが軽くなったような感じがする。雪質の変化によりこれからは持参しておいた方がいいようである。
 出発時からアイオン沢に着くまで約3時間かかり、沢を渡渉した。 アイオン沢の所には数カ所堰堤があり、上から流れる水を緩やかにしている。
  アイオン沢の中央部を避けながら左側に巻き高度をどんどん上げていく。1100mの所で小休止をとり、1300mを目指す。雪崩に注意しながら大崩壊地帯を登る。1600m辺りまで来るとスキーで登ることが困難な状態になり、スキーをデポしてつぼ足にストックを両手に持って上に進む。本当はアイゼンとピッケルを用意しておけば、すっきりとアイゼンが利いたことだろう。所々に岩があり、時に足が下まで深みにはまる。岩稜の間を歩いて進み、1750mまで上がると時間は13時30分である。
 後ろを振り返りえると北側の山々が眼前に迫り、自分が鳥になったような気がする。左側には岩手山が白く雪に覆われてそびえている。Oさんはそこから更に上に進んでいて、後30分くらいで頂上にたどり着くようだ。私は下の方にいるIさん、Kさんと連絡をとりながら、下山は1600mまで3名で戻る。
  1600m地点でデポしたスキーを履いて滑り出す。最初は雪面がクラストしているので慎重に滑る。その後は新雪の広い斜面を心地よく滑り、所々に点在する岩に注意しながら下る。急斜面を降りたところでほっとしながらIさん、Kさんと合流する。1300m地点からは広い斜面を滑り、皆思い思いのシュプールを描いている。朝、新雪だった雪は午後から湿雪となり、水分を含んで重い。
  アイオン沢にだんだん向かいながら、朝登ってきたトレースを降りる。林道に戻ると14時は過ぎており、ここから往復は3時間かかったことになる。林道まで交通機関を使えば、アプローチの短縮になり余裕を持って上まで行くことが出来る。林道の斜度はあまり急ではないが、下りはあっという間に小休止した場所まで滑ってきた。門馬口の登山口まではだらだらと長く、こび沢林道に着いたときには、本当に長く感じた。到着後はコカコーラで喉を潤し、次の船形山へと向かった。
  今回のコースは奥田博・伊藤繁共著の「東北山スキー100コース」山と渓谷社出版に紹介されている。その本の中には門馬口からのスタートではなく、平津戸口からになっている。
  行動時間は約9時間、滑降距離7km、登高高度1200m、早池峰山には岳側から登ることも可能だが、逆に南側に下ることは岩が多く不適と記されている。夏の時期に再度来てルートの確認をしてみたいものである。今回山スキーを使いながら貴重な経験をし、一緒に登られた方々に感謝したい。(T.S)

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