相変わらず日本海側は寒気の影響で天気が悪そうだ。阿武隈山系なら天気もまあまあかと、まだ登ったことのない手倉山の沢登りコースを計画してみた。
朝、自宅をゆっくりと出発し、国道114号線を通って葛尾村に向かう。目指すは葛尾村落合手倉。葛尾村側の北登山口を過ぎ、浪江町側の南登山口を過ぎると金棒沢に架かる手倉橋に着く。ここが目的の手倉山沢登りコースだ。沢登りコースと言っても本格的な沢登りではなく、登山靴で登ることができる。
さっそく身支度をして登り始める。登山口から見える滝が「隠れ十五の滝」である。木のハシゴもあり、コースは整備されている感じがしたが、それは最初のうちだけだった。コースはだんだんと怪しくなってゆく。
まずは「隠れ十五の滝」から歩き始める。上級者コースと書いてあるだけあって、ハイキングコースとしては少々厳しい感じがする。途中の危険箇所にはロープも張ってあり、下りには適さないが登っては、そう難しいところもなく進むことができる。徐々に踏跡が怪しくなってきた。対岸に渡らなければならない箇所もあり、タイミングを逃すと微妙なへつりも要求される。
案内板では、出会いの滝、想い出の滝、乙女の滝、やすらぎの滝と続くが、標識もはげていて、滝らしい滝は1カ所ぐらいで、後はどこが滝で、どこがゴーロかよくわからなかった。途中、左岸には石積みの跡などもあり、かつては何か建物でもたたっていたような感じのところもあった。二俣には10時ちょうどに到着、登り始めて40分ほど時間が過ぎていた。ここから上には道らしきものはなく、沢に沿って適当に登っていく。
特に案内標識などはない。赤テープもいつの間にか無くなっていた。踏跡も落葉で確認することはできない。当たりをつけて左支沢へ入る。左支沢に入るとルートを確認するものは何もなく、地形図を頼りに登っていく。勾配が増したところで、やや左にルートを取って尾根に出ると、そこは浪江町側の南登山口から登ってくる登山道であった。左支沢をそのまま突き上げると手倉山と手倉山三角点峰のとコルに出てしまうので、こちらが正解のようである。
登山道に出れば神社まではすぐだ。急坂を登り切ると岩場にへばりつくように建てられた神社に着く。裏の岩場からは鎌倉岳がなだらかな阿武隈山系の山々の中に鋭角に突き出して見える。岩場は狭く、足場は良くないので注意したい。
現在の手倉山の山頂プレートは、さらに北に向かったピークにある。岩の点在するピークで木々の間から少しだが周りを見ることができる。
手倉山の三角点は、さらに10分ほど北に向かったところある。特に整備されているわけでもなくネマガリダケをかき分けながら三角点を目指す。高い木があるところは藪がないので楽に歩ける。三角点のピークは見晴らしは良くない。三角点を写真に納めて、戻ることにする。
急ぎ足で神社まで戻り、南登山口へと一気に降りる。以前と違って今は歩く人も多く、踏跡もしっかりしている。神社から30分ほどで、赤い鳥居のある南登山口に着いた。車を置いてきた沢登りコースの手倉橋までは5分の道程である。(I.I)
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