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No.4570 |
旭岳(赤崩山) |
1835.2m三等三角点峰 |
山行種別 |
無雪期一般 |
あさひだけ(あかくずれやま) |
地形図 |
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山行期間 |
2011年11月13日(日) |
コースタイム |
甲子トンネル(9:20)→猿ヶ鼻(9:50)→甲子峠分岐(10:06)→甲子山(10:17,10:23)→旧道分岐(10:31)→旭岳(11:43,11:58)→旧道分岐(12:37,13:09)→甲子山(13:19)→甲子峠分岐(13:28)→猿ヶ鼻(13:47)→甲子トンネル(14:20) |
写真 |
写真は拡大して見ることが出来ます |
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甲子トンネル西郷口 |
すっかり明るくなった林内 |
旭岳が見えてきた |
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甲子山頂 |
甲子山から見た旭岳 |
朝日岳山頂への急登の尾根 |
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鞍部へと下る |
旧新道分岐の案内板 |
水呑場表示板 |
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旧道と山頂への踏み跡の分岐 |
真っ直ぐ登る |
崩れている北東斜面 |
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急登に取り付く(上に見えるのは偽ピーク) |
山頂まではもうひと登り |
南側斜面 |
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坊主沼と新しい避難小屋 |
山頂到着 |
山名板 |
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左から赤面山、前岳、朝日岳、三本槍岳 |
急な下り |
ツアー登山パーティーの向こうには甲子大橋 |
行動記録 |
旭岳は会津百名山のひとつで赤崩山とも呼ばれている。山頂に至る登山道は無いのだが、踏み跡があり登れる。ネットで少し調べてみると、ヤブに急登に細尾根があり展望も良いようで登高意欲をそそられる。9月に南沢を溯行し旭岳のすぐ東にある甲子山頂に立ったときはガスでまったく見えなかったので、旭岳を見たいという気持ちもあった。しかし、20日の朝に用事が出来てしまい、集合時間には間に合わなくなった。単独で後から追いかけることにして、Kさん達には予定どおり出発してもらうことにした。場合によっては登山口を、登りの少ない甲子峠に変更することも考えながら、高速に乗り白河ICへと車を走らせた。
白河ICを降り、国道289号を甲子温泉目指す。安心坂トンネルを抜け甲子大橋を渡ると甲子トンネルで、トンネル入口左側に駐車スペースがある。そこにYさんの車を見つけたので横に止める。トンネル入口右側にある建物の裏に道があり、甲子温泉大黒屋から登る本来の登山道へと合流出来る。Kさんからは8時11分に「そろそろ出発」とのメールが来ていたので、1時間以上遅れてのスタートとなった。9月に沢登りの下山路として歩いたときはうっそうとした森だったが、今日はすっかり落葉した木々ですこぶる見通しがよい。Kさん達が旭岳の旧道に入る前には追いつきたい。自分の足が許す限り急ごうと、九十九折りの登山道を荒い息で登っていく。猿ヶ鼻まで登ると急登も一息つく。平坦なところでは小走りもしながら登っていくと甲子峠への分岐。ここからまた勾配が急になり、滑りやすいところにはクサリも流してあるが使うほどのこともない。急登の途中で2名の登山者を追い越すと、上から話し声が聞こえてきた。間もなく飛び出た山頂にはKさん達が休憩中。上手い具合に追いつくことが出来た。
山頂からは旭岳が間近に見える。ピラミダルなその容姿と山腹の崩壊地により荒々しい印象を受けるが、右肩に見える電波反射板が少々興醒めか。甲子山からはいったん鞍部に下る。縦走路が坊主沼を経て三本槍方向へ延びているが、現在の鞍部から坊主沼までの道は新道なのだという。旧道は新道より旭岳寄りにあったようだが、なぜ旧道が閉鎖とされたのかは分からない。旭岳に登るには、鞍部にある新道と旧道の分岐から旧道へと進むことになる。旧道は分岐にある案内板には通行不能と記されているが、以前旭岳に登ったことがあるというKさんはかまわず進んでいく。
旧道にはササが茂っているが、踏み跡はしっかりしている。水呑場との表示板があったが、「旭岳への登山道はありません」と書かれている。ちなみに水呑場へは往復15分ほどかかるらしい。かまわず進んでいくと徐々に勾配がきつくなってくる。滑りやすい急登には何本もトラロープがあったので、旭岳に登る人はそれなりにいるようだ。しかしこのロープ、半分切れているものもあったので、全体重を掛けるようなことは危なくて出来ない。分岐から20分ほど登った頃、右側の木2本にゲートのように赤スプレーがしてあるのに気付く。踏み跡は真っ直ぐのものと、右の赤スプレーの方へ曲がるものがあった。何となく赤スプレーがこっちに進むなという意味のようにも思え、Kさんの記憶もハッキリしないようで、とりあえず真っ直ぐ進む。ところが踏み跡は左手に下りていくと、やがてササヤブの中に消えてしまった。辺りを探したが踏み跡は見つからないので、先ほどの場所に戻って赤スプレーの方へ進んでみた。どうもこちらが旭岳への踏み跡のようだ。ここで10分ほどロスしたが、おそらく最初進んだほうが旧道なのだろう。今ではすっかりヤブ化してしまい、道形も定かでなくなったということだ。通行不能とされたのが先かヤブ化したのが先なのか。
旧道を離れて進んだ方はしっかり踏み跡が続いている。赤スプレーから入って数分すると、左側の立木に赤スプレーで「右→」とある。右を見ると木に赤スプレーがしてあるが、横にビニール紐で通せんぼにもなっている。ここはネットで予習してきたところだ。ともすれば右に進みたくなるが、ここは真っ直ぐ登るのが正解。右に入ると沢筋に下りていくようになる。そちらを見ると沢筋を挟んだ向かい側の岩に、赤いペンキマークが続いているのが見えた。おそらく電波反射板の巡視ルートではないかというのが我々の推測だ。しかし、本当のところは定かでない。登るに従い踏み跡の両側は削ぎ落とされていき、1本の線のような尾根をブッシュに掴まりながら登るようになる。右側は崩れて赤茶けた斜面が多く、赤崩山の別名はここから来たのかと思える。左下には坊主沼と避難小屋が見え、目線を上に移せば三本槍岳や赤面山の那須連峰の山並みが見える。踏み跡の一部が崩落していて、落ちれば100m滑落かというようなところを、根っこにすがって越える場面もあった。
最後のトラロープには頼らず登り切ると山頂に出た。シャクナゲの灌木のある狭い山頂だが、360°のパノラマが広がる。甲子山も斜め下に見えている。黒羽山の会の山名板がかたわらに転がっていた。北に踏み跡が延びていて、電波反射板まで行けるのかもしれない。西に目を向ければ、南会津の山並みが見える。ひとしきり眺めを楽しんだので、下山することにした。
下山では急傾斜ゆえ滑落しないよう注意したい。ササはホールドになると同時に、踏めばとても滑りやすくもある。甲子山が眼下に眺められ甲子大橋も見える。ようやく下りきると、鞍部の旧新道分岐で休憩とする。今日は10日に採ったナメコとムキタケを持ってきた。さっそくキノコ汁を作る。田舎味噌の風味が香る熱々のキンコ汁がなんとも美味い。気温の低い今日だが体も温まる。原発事故がなければ甲子山も、キノコが採れる山であろうことを思うと残念だ。雲が下がってきて雨がパラッと来たので、カッパを着て出発。甲子山まで登り返すと後は下るだけだ。今朝の登りより時間をかけて下山。途中で20名ほどのツアー登山パーティーに追いついてしまった。最後尾に付きゆっくり歩くとツアー登山の人達も甲子トンネルへと下りていく。山の木々もすっかり落葉し色彩が少なくなり、晩秋から初冬へ移ろいゆくこの時期だが、登山道のない山へ踏み跡をたどっての登頂は楽しめた。積雪期に来ても面白いかなと考えながら帰路についた。冬はもう近い。(K.K) |
概念図 |
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トラック |
登り=赤 下り=青 |
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