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No.4865
東吾妻山 1974.7m三等三角点峰
山行種別 無雪期一般
ひがしあづまやま 地形図

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山行期間 2013年10月6日(日)
コースタイム 浄土平(6:53)→吾妻小屋(7:06)→鳥子平(7:44,7:51)→鳥子平バス停・東吾妻登山口(7:54)→景場平(8:21,8:33)→展望台(9:26,9:43)→東吾妻山(9:55,10:00)→姥ヶ原十字路(10:31)→酸ヶ平避難小屋(11:08,11:12)→浄土平(11:54)
写真 写真は拡大して見ることが出来ます
スカイラインからラクダ尾根の紅葉 浄土平に車を駐めて歩き出す スカイラインから吾妻小屋への入口
紅葉が進む吾妻小屋 鳥子平湿原の草モミジ 鳥子平から見た高山
鳥子平バス停は東吾妻山の登山口でもある 登山口の案内板 景場平湿原
東吾妻ロボット雨量局のプレート、この奥には冬の目印となる八木アンテナが立っている 展望台(雲がなければ磐梯山が正面に見える) 東吾妻山の山頂
東吾妻山の三等三角点 姥ヶ原の木道十字路 十字路から鎌沼へ下りる
鎌沼から見た蓬莱山 鎌沼の脇の木道 酸ヶ平避難小屋
浄土平へ下る途中は紅葉真っ盛り 吾妻小富士 奥は桶沼

吾妻山・原発事故から3年間の放射線量の変化

行動記録
 この季節に吾妻山を訪れるのは、福島第1原発の事故が発生して3回目になる。悲しいかな、いずれも放射線量調査のためである。放射線量の数値を見る限り、少しずつだが間違いなく減衰している。しかし、セシウム137の半減期は30年にも及ぶと言う。私が仮に平均寿命まで生きるとしても、値は半分にもならないのである。今日は、家族の介護でなかなか山に行けないHさんが、午前中だけ時間が取れると言うので放射線量調査を兼ねて登ることにした。
 この2年間は震災の関係でスカイラインの通行料金が無料になっていたが、今年からは有料道路としての役割を終えて県道として通年無料になった。(積雪期は通行止め)
 雨模様の福島市街からスカイラインを上っていくと、途中で雲海の上に抜けた。素晴らしい天気だ。これだから山の天気は来てみないとわからない。天狗の庭あたり見たラクダ尾根の紅葉は素晴らしい。浄土平には6時半過ぎに着いた。
 浄土平から湿原の中の木道を歩いてスカイラインに出る。吾妻小屋へ向かうにはスカイラインを横切って桶沼の脇を捲くように進む。林の中に、落ち着いた感じの吾妻小屋が姿を現す。小屋の管理人をしていた遠藤さんが亡くなって冬期の営業はしなくなったが、夏の間は営業しており食事も出してくれる。スカイラインの定期バスは土日のみだが1日2本運行されていて、公共交通機関を利用して吾妻を訪れる登山者の大事な登山基地にもなっている。脇には県営の兎平野営場もある。吾妻小屋の前で放射線量を調べると0.151μSv/hあった。平常時の4倍の値だが、2年前の10月14日には、0.248μSv/h、1年前の10月5日は、0.174μSv/hだったので、少しずつだが減ってきているのがわかる。
 吾妻小屋から鳥子平を目指す。この間はスカイラインと平行して登山道がついている。私は、どうも道路歩きが性に合わない。道路を歩くより10分ほど時間はかかるが、自然の中の方が山に来ている感じがして気持ちが落ち着く。鳥子平湿原の草モミジがきれいた。高山の山頂はガスの中だ。
 鳥子平から3分ほどでスカイラインに戻る。ここには鳥子平バス停があり、東吾妻山の登山口にもなっている。このコースは粘土質で滑りやすいので注意しよう。一段上の景場平湿原までは30分ほどの道のりである。2002年から行われた木道の整備で、今は湿原を荒らすことなく散策を楽しめるようになっている。景場平には池塘や池があり、のんびりとした時間を過ごすことが出来る。
 次は展望台を目指そう。標高差は約200m、ひと汗絞られる。途中で「東吾妻ロボット雨量局」のプレートが出てくる。この奥にはロボット雨量計と大きな八木アンテナが立っている。冬期には良い目印になるアンテナだが、夏の間は木々に覆われて見ることは出来ない。
 景場平から50分ほどで展望台に出た。ここからは磐梯山が正面に見え、中吾妻などの稜線が目の前に見える絶好のビューポイントになっている。展望を楽しんだら、近くにベンチがたくさん設置されているのでお弁当を広げるには良いところだ。ここから東吾妻の山頂までは10分ほどなので、どちらで長く休むかは、その時の気分次第だ。
 展望台の放射線量は、0.070μSv/h。少しずつだが間違いなく数値は減ってきている。ホッとする一瞬だが、元に戻るには気の遠くなるような歳月がかかるのだろうと感じる瞬間でもある。東吾妻の山頂まで来ると、浄土平から登ってきた多くの登山者で賑わう。天気さえ良ければ360度の展望が得られる場所だが、今日は生憎と稜線にガスがかかる。雲海の下は雨が降っているのだから、これでも天候に恵まれている。
 姥ヶ原の十字路から鎌沼へと下りる。紅葉が進み素晴らしい景色が広がる。酸ヶ平避難小屋でトイレ休憩を取ってから浄土平へと下ることにする。浄土平湿原を挟んで吾妻小富士、桶沼が見える。紅葉を目的に鎌沼まで訪れるハイカーも多い。
 山は放射性物質に汚染されたと言うのに、表面上は何も変わらない。一昨年も、昨年も、そして今年も木々は新芽を出し、紅葉し、落葉して、やがて山は雪で覆われる。何時になったら:放射能汚染を考えないで山歩きが出来るようになるのだろうか。理論が先行し、追いつかない技術を、追いついたような錯覚を起こして金儲けの材料にしてしまう。福島に最初に原発を作るときに、東京電力と国は福島県に何と言ったか思い出してほしい。どこか安直なのは今も変わっていない気がする。(I.I)

概念図

トラック 登り=赤 下り=青


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