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No.5014 |
朝日連峰・大朝日岳 |
1870.3m二等三角点峰 |
山行種別 |
無雪期一般 |
あさひれんぽう・おおあさひだけ |
地形図 |
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山行期間 |
2014年9月15日(月) |
コースタイム |
山毛欅峠登山口(6:36)→畑場峰(7:46)→鳥原山分岐(8:26)→鳥原山展望台(8:40)→小朝日岳(9:28,9:46)→大朝日小屋(10:37)→大朝日岳(10:48,11:05)→大朝日小屋(11:10,11:58)→小朝日岳(12:54,13:00)→鳥原山展望台(13:45)→鳥原山分岐(13:59)→畑場峰(14:43)→休憩(約25分)→山毛欅峠登山口(16:16) |
写真 |
写真は拡大して見ることが出来ます |
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山毛欅峠登山口 |
かなり判りにくい |
何度も沢を渡る |
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杉の植林地が続く |
やや採り頃を過ぎたナラタケ |
ここで道が消えるがかまわず沢を進む |
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二俣から尾根に乗る |
ブナの2次林を登る |
畑場峰の分岐 |
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涸れかかっている田代清水 |
鳥原山分岐 |
白いオヤマリンドウ |
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アカモノの実 |
鳥原山より大朝日岳・小朝日岳 |
月山の向こうわずかに鳥海山も見える |
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オニシオガマ |
尾根沿いにあったダイモンジソウ |
ナンブタカネアザミ?とミツバチ |
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ヤマトリカブト |
小朝日から望む大朝日岳 |
ガンガラ沢源頭のY字雪渓 |
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このアングルからはなだらかな大朝日岳 |
大朝日小屋 |
大朝日岳山頂 |
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中ツル尾根に下るトレイルランナー |
ガンガラ沢の雪渓 |
エゾリンドウ |
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アキノキリンソウ |
静かな尾根を下る |
ミズコブ |
行動記録 |
大朝日小屋管理人のAさんに所用があり、大朝日岳に登ることにした。大朝日の日帰りとなれば、古寺鉱泉か朝日鉱泉からとなるのだが、アプローチのしやすさからいえば古寺鉱泉であり、日帰りをする人達によく利用されている。特に今年は、工事の関係で朝日鉱泉まで直接車が入れないので、余計にそうではないかと思われる。しかし、ただ登るだけでは面白くない。どうしようかと考えた結果、定番の古寺鉱泉のルートより1本南東側の尾根を登る、山毛欅(ぶな)峠からのルートを歩いてみることにした。
先日通行止めが解除されたばかりの県道27号で、大江町柳川から大頭森山トンネルを抜けて古寺へ向かう。古寺鉱泉への分岐を過ぎ、さらに2.6km進むと右側に「森林は水と空気の源」の看板がある。5〜6台駐車できそうなスペースの端に文字が見えにくい木製標柱があり、そこが山毛欅峠登山口となる。既に車が1台あり男性が登山口に入っていったが、犬を連れた姿は登山者のようには見えなかった。こちらも準備をして6時36分に登山口より入る。道には草が被さり、標柱がなければとても登山口とは思えない。草に付いた朝露でたちまちズボンが濡れてくるが、かまわず歩いていく。杉の植林地の中を、小さな沢沿いに進んでいくと、何度も何度も沢を横断する。途中までは数えたが面倒になり止めてしまった。10回以上は横断しただろう。沢に橋は架かっておらず、橋の残骸を時々見かけるくらいだ。小さな沢なので一気にジャンプか飛び石で渡る。ほとんど標高を稼ぐこともなく細い道が続いていく。時には胸までのヤブになるが、足元をよく見れば踏み跡が続いている。途中踏み跡が不明瞭なところもあったが、先の方を見れば繋ぐことができる。足跡も少しは見つけることができるが、登山者なのかは不明だ。沢沿いなので山菜のミズ(ウワバミソウ)が多く、この時期になると茎の節に赤茶色のミズコブという「むかご」を付ける。やがて沢の両岸が迫り、斜面が立ってくると突然道が無くなった。戻ってみたりして探したが、結局そのまま沢の中を進むのが正解だった。沢は数十メートル先で二俣になり、中間尾根に左から登るように道が付いている。
尾根に取り付くと急登が始まる。トラロープが張ってあるが頼るほどでもない。10分ほどで緩やかな尾根道になる。ブナの2次林で気持ちの良い尾根道が続く。人の歩いた痕跡もあったが、この辺りを歩くのは登山者だろう。やがて畑場峰の分岐に突き当たる。右から登ってくるのは古寺鉱泉からの道だ。倒れていた標柱には「←至ブナ峠」とある。ここからはしばらくトラバース道が続く。途中にある田代清水はほとんど流れが無い。この水場はあてにしないほうがいいだろう。樹林帯を抜けると鳥原山分岐になる。鳥原小屋へは左に折れて鳥原湿原を見ながら5分とかからない。ここまでほとんど眺めがなかったが、この先は樹高が低くなり空が広がる。右に折れ石敷きの道を鳥原山へと登る。この辺りから花が多くなるので、撮影で歩みが止まりがちだ。小屋泊まりのパーティーとすれ違うようになる。鳥原山展望台で先行者に追いついたので聞くと、古寺鉱泉から登ったという。駐車場は満杯だったらしい。それに比べれば山毛欅峠口の何と静かなことか。小朝日大朝日を眺め歩を進める。鳥原山から少し下ると小朝日への急登になるが、一部道が崩れている箇所もあるので注意したい。
ひと頑張りすると小朝日岳の山頂。休憩中の先行者がいてお互い顔を見ると「あっ!」と声が出た。以前バイクに乗っていた頃の仲間のPちゃんだった。もう会うこともないと思っていたのだがなんたる偶然。しかも話しをすると、大朝日小屋のAさんの甥になるというからなんたる奇遇。東日本大震災で福島から山形に避難し、それから山登りを始めたとのこと。今日は下山するのだというPちゃんと再会を約束し大朝日岳へ向かう。以前はもっと急に感じた急斜面を下り、熊越と呼ぶ鞍部を登ると前方に大朝日岳を眺めながら歩く。時折左下のガンガラ沢を覗き込み、Y字雪渓を観察しながら歩く。やがて大朝日小屋に到着。そのまま大朝日岳へ登り、10時48分山頂に到着。2週間前に登ったときは誰もいなかった山頂だが、今日はまだ昼前ということもあり、10人ほどが思い思いの時間を過ごしていた。トレイルランナーが登ってきたので聞くと、朝日鉱泉から御影森山回りで2時間50分で登ってきたが、今日はこれでもゆっくりなのだとの話しに驚く。彼は休みもそこそこに中ツル尾根を駆け下っていった。小屋に戻るとAさんがいたので、小一時間話しをさせてもらった。気さくで飾らない人柄のAさんと、今度は泊まりでゆっくり話しをしたいものだ。
さて下山するとしよう。11時58分に小屋を出発。銀玉水で水を1リットル補給し小朝日岳へ登る。山頂に居合わせた登山者は、ほとんどが古寺鉱泉へと下山してゆく。鳥原山側は自分の他に1人だけで、鳥原山分岐から古寺鉱泉に下るのだという。その1人もやがて後に離れ、登ってきたときと同じようにひとり旅になる。いつもなら駆け下るのだが、今朝履いてきたあり合わせのソックスが良くなかったようで、靴擦れになりペースが上がらない。畑場峰分岐から折れ、尾根道をゆっくり下る。沢沿いへ降りると、今朝目を付けていたミズコブ採りにしばし没頭する。ミズコブは酒のつまみになるのだ。ミズコブ採りに時間がかかり、登山口には16:16到着。結局、山毛欅峠からの登山者は自分1人だけだった。帰路は柳川温泉(300円)で汗を流し帰宅。
今回初めて歩いた山毛欅峠登山口からのルートだが、予想どおりの静かな山歩きが楽しめた。登山者の多い古寺鉱泉からハナヌキ峰のルートとは対照的だ。登山口の標高は古寺鉱泉より少し高いが、山毛欅峠登山口からのほうが距離が長いので時間は少し余計にかかる。春あるいは秋から晩秋にかけて歩くと、もっと味わい深いだろう。ヤブも夏より気にならなくなるだろうし。大朝日小屋のAさんから聞いたが、山毛欅峠登山口からの道は廃道にとの話しがあるらしい。利用者の少ない現状では、廃道になってしまうかもしれない。もともとは登山道ではなく、いわゆる山道であり、木材搬出の軌道が設置されていた道でもあったらしい。歩かれなくなれば、いずれは山に戻るのも仕方がないのかもしれない。しかしだ、できればしばらくは歩き続けたい。定番の道ばかりを歩くのではなく、ガイド本にも載っていないこんなルートを歩くようになると、自分の「山」もより深くなるように思えるのだ。(K.Ku) |
ルート |
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