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No.5192
霊山 804.6m三等三角点峰(点名:猿跳)
山行種別 無雪期一般
りょうぜん 地形図

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山行期間 2015年10月10日(土)
コースタイム 霊山登山口・駐車場(10:52)→護摩壇(11:57)→西物見岩(12:09)→東物見岩(12:19,12:35)→三角点峰(12:42)→望洋台(12:45,12:50)→大山祇神社跡(13:10)→日暮岩(13:28)→霊山登山口(13:53)
写真 写真は拡大して見ることが出来ます
霊山登山口の第1駐車場 きれいなトイレも整備されている 登山口の案内板
霊山庵跡までは舗装された道 宝寿台まで登りが続く 見下し岩にある案内板
日暮岩への分岐点 国司沢からの眺め 天狗の相撲場
護摩壇への入口 親不知子不知 護摩壇へのへつり道を行く
護摩壇からの眺め 護摩壇のコースは変化に富んでいる 国司館跡の広場
霊山城跡はお弁当を広げるに良い 西物見岩手前にある金華山の石碑は江戸末期のものらしい 西物見岩から紫明峰方面を見る
霊山城跡から霊山の最高峰・東物見岩へと向かう 東物見岩からの展望(空気が澄んでいれば太平洋が見える) 学問岩
天の釣舟の入口の案内板 三角点の点名は「猿跳」 望洋台
望洋台のすぐ下に猿跳岩がある 望洋台からの眺め 五百羅漢岩
弘法突貫岩 大山祇神社跡 弁天岩への入口
日暮岩の標識 日暮岩 日暮岩から弁天岩が良く見える

行動記録
 霊山は伊達市南東部に位置し浜通りの相馬市と境を接する。今から約3,500万年前の火山活動から生まれた山で、長い間に玄武岩質の集塊岩が風化浸食作用を受け、残った火山岩類からできた岩峰が特徴である。素人にもひと目で安山岩であることがわかる。この山域は霊山県立自然公園になっていて、主な岩峰帯は第1種特別地域に、散策路が作られているそれらの周辺が第2特別地域、そこから派生する古霊山への尾根や霊山閣跡は第3特別地域に指定されている。紅葉の時期にはたくさんのハイカーが訪れ、そのすばらしさを裏切ることは無い。見頃は例年だと11月最初の週だが、今年はどうも早そうだ。
 コースとしては、こどもの村がある行合道側から護摩壇、霊山城跡、望洋台、弁天岩、日暮岩を巡る半日コース、それに加え日枝神社跡や霊山寺跡、日枝神社跡、紫明峰を巡る1日コースと自由にコース設定できるのも魅力だ。初めて訪れるなら南側の半日コースが良いと思う。それでも案内板の名所にひとつひとつ寄ってみると案内書の所要時間3時間で歩くことは難しい。
 行合道から霊山登山口まで車を乗り入れる。入浴施設のある「りょうぜん紅彩館」が目印である。公共の乗物は、福島または相馬から福島交通バスで「霊山こどもの村」で下車して登山口まで1.5kmほど歩く必要がある。トイレのある第1駐車場に車を駐めて歩き出す。登山口には大きな案内板があり、その下には登山届けと登山マップがある。霊山庵跡までは舗装路だ。車止めを過ぎ霊山庵跡の三差路に大きな古い案内板があるので左に登って行く。やがて道は鍛冶小屋岩の脇を抜け、宝寿台に出る。きつい登りもここまで。後は山腹を巻くように霊山城跡へと道は続く。まず宝寿台に登ってみよう。急なハシゴを登ると眼下に「霊山こどもの村」を見下ろすことが出来る。一旦登山道に戻って次は「見下し岩」、ここからの眺めもなかなかのものである。ひとつひとつ巡っていると時間はいくらあっても足りなくなる。日暮岩の分岐を過ぎると国司沢を経て、次は天狗の相撲場となる。ここから護摩壇側の岩峰がきれいに見える。
 さらに霊山城跡へと進むと左に護摩壇への道を分ける。霊山の見所でもあるので是非寄ってみたい。山腹をトラバースし一旦下って「親不知子不知」を通過する。岩壁のへつり道だが、転落防止柵もあるので危険は無い。次に岩を潜ると「護摩壇」に出る。目の前には阿武隈山系の山々が連なり、奥には吾妻・安達太良が良く見える絶好のビューポイントになっている。護摩壇から岩の間を縫うように尾根に上がると国司館跡に着く。ここから霊山城跡はすぐである。国司館跡も霊山城跡も広場になっているのでお弁当を広げるには良いところだ。西側には西物見岩があり紫明峰方面を見ることが出来る。
 次は霊山最高峰の東物見岩を目指そう。山頂トイレを左に見て下り始める。霊山閣跡、柴明峰への道を左に分け、尾根伝いに登り返すと東物見岩である。ピークからは太平洋が見渡せ、空気が澄んでいると仙台湾まで見通すことができる。ここで昼食を摂ることにした。東物見岩の東には学問岩がある。次は霊山の三角点峰を目指す。3等三角点のあるピークは点名「猿跳」で、標高は804.6mと東物見岩より低い。さらに東に向かうと、やせ尾根の岩場である蟻の戸渡りがあり、迂回路と道を分ける。注意さえすれば危険は無いので、岩尾根伝いに進むと望洋台に着く。望洋台からは太平洋が見渡せる。一段下には猿跳岩があり、飛ばなくても岩の上に載ることが出来るように単管の橋が架けられている。三角点名の元となる名前がここにあった。
 望洋台から道は2つに分かれる。ひとつは無線中継所跡を通って霊山庵を経て下るルートと、日暮岩を経て登山口に戻るルートである。縦走が目的であれば無線中継所跡へと向かうのだろうが、見所は日暮岩のルートの方が多い。今日は日暮岩へと下ることにする。望洋台から東に降りると縦走路に出る。右に折れて縦走路を少し戻り、弁天岩への案内板に従って下り始める。すぐに五百羅漢岩になり、更に下ると弘法突貫岩である。それぞれに岩の形が変化に富んでいて面白い。次の分岐に来たら弁天岩と大山祇神社跡に寄り道してみよう。分岐標識を真っ直ぐ進むと弁天岩の入口に着く。更に左の道に入り大山祇神社跡を目指す。ここから先は訪れる人も少ないが、道はハッキリしている。神社跡と言うだけで特に見所があるわけでもない。弁天岩入口まで戻って弁天岩まで進んでみよう。突きだした岩場で足場も悪い。ハシゴを登って辿り着くと絶景が待っているので、岩場を苦にしない人だったら是非訪れてみたい。
 しばし眺めを楽しんだら戻ることにしよう。日暮岩への道に戻り山腹をトラバースしながら下って行くと日暮岩に着く。ハシゴで岩の上に登ると弁天岩の岩峰が良く見える。紅葉の最盛期には素晴らしい眺めであることに間違いない。最後の眺めを楽しんだら登山口へと戻る。放射線量を計測しながらゆっくり歩いて約3時間の行程である。初めての人が、すべての名所を巡ると、もう少し時間が必要になるかもしれない。霊山は錦霞渓、国司沢、柴明峰といずれも見所は多い、地元にいてもまだ歩いてない箇所もあり、機会があればまた訪れてみたい。(I.I)
※前回の霊山の放射線量調査は2011年11月6日、早いもので4年が過ぎた。当時の主な箇所の放射線量は次の通りである。(同一測定箇所)
  宝寿台基部       1.186μSv/h(今回の調査は0.488μSv/h、41%まで減衰)
  国司館手前登山道  3.090μSv/h(今回の調査は1.417μSv/h、46%まで減衰)
  三角点峰        1.610μSv/h(今回の調査は0.621μSv/h、39%まで減衰)
  日暮岩基部       2.006μSv/h(今回の調査は0.888μSv/h、44%まで減衰)

空間放射線量
観測地点/特徴
時間
空間線量率(単位:μSv/h)
測定位置高さ100cm
緯度/経度
最大値 最小値 平均値
Data1 霊山登山口駐車場/アスファルト
時間 10時48分
0.202 0.193 0.198 北緯 37゜45' 39.43"
東経 140゜41' 28.55"
Data2 宝寿台基部/広葉樹林、土、脇草
時間 11時18分
0.492 0.484 0.488 北緯 37゜45' 50.61"
東経 140゜41' 21.61"
Data3 天狗の相撲場/岩、アカマツ
時間 11時39分
0.424 0.412 0.418 北緯 37゜45' 55.30"
東経 140゜41' 07.74"
Data4 水場/広葉樹林、笹
時間 11時44分
0.755 0.631 0.717 北緯 37゜46' 01.61"
東経 140゜41' 05.87"
Data5 護摩壇/岩
時間 11時53分
0.254 0.241 0.247 北緯 37゜46' 03.59"
東経 140゜40' 57.44"
Data6 国司館手前の登山道/広葉樹林、笹
時間 12時02分
1.437 1.405 1.417 北緯 37゜46' 07.75"
東経 140゜41' 00.85"
Data7 西物見岩/岩、砂、広葉樹林
時間 12時09分
0.496 0.470 0.481 北緯 37゜46' 13.16"
東経 140゜41' 02.01"
Data8 東物見岩/岩、広葉樹林、アカマツ
時間 12時20分
0.596 0.586 0.592 北緯 37゜46' 07.59"
東経 140゜41' 14.69"
Data9 三角点峰/広葉樹林
時間 12時42分
0.637 0.607 0.621 北緯 37゜46' 01.76"
東経 140゜41' 27.16"
Data10 望洋台/広葉樹林、アカマツ
時間 12時46分
0.667 0.646 0.658 北緯 37゜46' 02.41"
東経 140゜41' 30.71"
Data11 弘法突貫岩下部/広葉樹林、岩、土
時間 12時58分
0.830 0.817 0.823 北緯 37゜45' 58.91"
東経 140゜41' 28.05"
Data12 大山祇神社跡/岩、土、広葉樹林、アカマツ
時間 13時10分
0.576 0.542 0.555 北緯 37゜45' 54.25"
東経 140゜41' 32.55"
Data13 日暮岩基部/岩、土、広葉樹林、アカマツ
時間 13時28分
0.904 0.875 0.888 北緯 37゜45' 53.15"
東経 140゜41' 21.05"
Data14 霊山登山口駐車場/アスファルト
時間 13時54分
0.277 0.218 0.241 北緯 37゜45' 39.14"
東経 140゜41' 28.52"
特記 緯度経度はGPSの性能の関係で多少の誤差があります。
放射線測定器 PA-1100(堀場製作所)



概念図

トラック 登り=赤 下り=青

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