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No.5201 |
御神楽岳 |
1386.5m二等三角点峰 |
山行種別 |
無雪期一般 |
みかぐらだけ |
地形図 |
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山行期間 |
2015年10月20日(火) |
コースタイム |
登山口(7:52)→湯沢の出合(8:50)→高頭(10:38)→湯沢の頭(11:26)→御神楽岳(12:11,12:25)→湯沢の頭(13:01)→休憩(13:03,13:27)→高頭(13:51)→湯沢の出合(15:14)→登山口(16:11) |
写真 |
写真は拡大して見ることが出来ます |
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登山口 |
出発 |
へつり道 |
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何箇所か枝沢を渡る |
湯沢の出合 |
出合から尾根が見えてきた |
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早くも岩場の登りとなる |
右手の尾根がルートだ |
山伏尾根 |
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この小尾根を辿る |
右手の斜面 |
いちおう一般ルートなので要所にクサリがある |
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どこがルートだ? |
標高1000m前後とは思えない壮絶な岩肌 |
紅葉も盛り |
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切れ落ちた斜面で高度感がある |
股すり岩というらしい |
岩のフリクションは十分 |
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マツムシソウが残っていた |
眺めも良く快適な登り |
高度感がかえって気持ちが良い |
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まだ800m以下 |
高頭から湯沢の頭までの稜線 |
山伏尾根と湯沢のスラブ |
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湯沢の頭までは結構な登り |
薄曇りなのが残念 |
見ていても若者はバランスが良い |
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湯沢の頭 |
やっと御神楽岳が見えてきた |
雨乞峰手前から御神楽岳とつばくろ尾根 |
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雨乞峰から御神楽岳へ |
御神楽岳山頂 |
水晶尾根を見ながら稜線を戻る |
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下に御神楽沢で正面に笠倉山 |
御神楽沢に雪渓が見える |
ゆっくり慎重に同じルートで下る |
行動記録 |
秋も深まった10月20日、会越国境の御神楽岳に登ることにした。自分にとって御神楽岳は未踏の山で、いつかと思いながらなかなか機会がなかった山のひとつである。調べると登山ルートは3つあるようだが、御神楽岳の峻険さをより味わえるということで、阿賀町の蝉ヶ平からのルートを選んだ。記録を見てみると、一般ルートとしてはなかなか厳しいというか危ない箇所もあるようで、バリエーションルートに近いような感じを受ける。メンバーは会の女子2名。両名とも入会して半年程度だが、山スキーに沢登りと積極的に山行を重ねている期待の新人だ。
津川インターを降りて国道49号から県道227号へ入る。御神楽岳登山口の標識があるので、見落とさなければ迷うことはない。分岐で左へ進むと御神楽温泉がある。帰りに入浴しよう。蝉ヶ平の集落を過ぎると、道は細く未舗装となる。しばらく進んでいくとテープで通せんぼになる。ここが登山口のようだ。少し手前に何台か停められる駐車スペースがある。登山口には登山ポストと「急峻な岩場のある上級者向けの山」との注意看板。他に車もないので、今のところ登山者は我々だけのようだ。登山口から歩き始めると、すぐ人が歩けるだけの幅になる。鉱山跡を過ぎると道はへつり道となり、スリップに注意して進もう。何度か支沢を渡り倒木を乗り越え進んでいく。登山口から約1時間で湯沢の出合に到着。ここにも「危険な場所が多い」との看板。まだ道は広谷川沿いに延びているが、御神楽岳へは右折し登ることになる。
登り始めるとすぐ、樹林の間から険しい岩肌の斜面と尾根が見えてくる。道は樹林帯の急なトラバースもつかの間、岩場の登りへと変わる。ロープやクサリもあるが必要最低限しかない。滑りやすい岩もあり、メンバーにスリップに注意するように声をかける。登るにつれて岩肌が眼前の視界を覆うようになる。小尾根に登り上げると、いや増したその圧倒的な迫力にしばし目を奪われる。下越の谷川岳とも呼ばれるのも肯ける。本当にここからあの尾根まで登れるのかと思わずにはいられない。目の前の切り立った小尾根を眺めると、この先に道があるとはにわかに信じがたい。しかし、道を追っていくと岩稜のヤセ尾根を渡り、岩場をよじ登り回り込み、巧妙に弱点をつきながら進んでいくことが出来る。この尾根道は栄太郎新道というのだそうだが、切り開いた先達には敬意を表さずにはいられない。
両側が切り立っているので気を抜くことは出来ず緊張が続く。ちょっとした平場でひと息つける程度だ。そんな状況でも紅葉を楽しむことは忘れない。岩に紅葉が映えて美しい。女子2名もしっかり登ってきている。今年から始めた沢登りでの経験が生きているのだろう。やがて高頭(こうつむり)という953m小ピークに到着。稜線に上がれば後は山頂まで歩を進めるだけというイメージでいたが、それは単なる思い込みであった。実際はまだ険しい登りが続く。左手には見事なスラブが尾根へと駆け上がり、向こうの険しい尾根(山伏尾根)の中間には岩塔が見える。残念ながら空は雲って風も出てきた。霞がかかったようになり、遠望も効かなくなってきたのが残念だ。そのうち単独男性が登ってきて追い越していった。新潟の方だという。
登山口より約3時間半で1184mピークの湯沢の頭(ゆざわのかっち)。ここまで来てやっと御神楽岳の山頂が見えてくる。こちら側のスラブがまた見事である。少し遅れがちになっていた深◯さんから、帰りの体力が心配なのでここで待ちたいとの申し出。山頂まではもうひと息だが、この先も下山でもバランスが必要な箇所ばかりなのを考えると無理は出来ない。少し戻ったところに風の当たらない平場があるので、そこで待っててもらうことにして大◯さんと先を急ぐ。ほどなく先ほどの単独男性も追い抜く。細身で華奢に見える大◯さんだが、持久力は折り紙付きでスピードもある。雨乞峰の室谷ルート分岐には別な単独男性がひとり。結局この日出合ったのは2人だけだった。雨乞峰からはホッとするような普通の尾根歩きとなる。最後にひと登りして御神楽岳山頂。遠望が効けば絶景のはずだが、今日は近くの峰々さえ霞んでいる。眺めは次回に取っておくしかなさそうだ。なお、栄太郎新道は本名御神楽岳から笠倉山と尾根を回り、そして広谷川に下ってと周回できたというが、今は途中からヤブとなってしまっているようだ。
登ってきた尾根を戻り湯沢の頭を過ぎると、ツェルトを被って深◯さんが待っていてくれた。ここで遅い昼食とする。さて、下山も気を抜けないので慎重に下ろう。ゆっくり確実に下れば特に問題はないのだが、2箇所でルートを外れてしまった。すぐに気付いて修正したが、踏み跡が付いてしまっており間違いやすい。そのまま進んでしまうと行き詰まってしまうので、おかしいと思ったら戻るのが鉄則だ。湯沢の出合まで下れば、広谷川沿いの水平道を戻るだけとなる。曇っていることもあり、まだ4時前というのに何やら薄暗い。そのうち時雨れて雨もパラついてきた。速やかに戻ろう。賢明な自己判断をしてくれた深◯さんにも感謝だ。帰りは御神楽温泉みかぐら荘で汗を流す(500円午後8時まで)。なんと大◯さんはこれから夜勤だという。若いということは凄いことだとしみじみ思った。
蝉ヶ平ルートは、湯沢の出合手前の枝沢以外はまったく水場がない。暑い時期に登るとすれば、十分な水を担ぐ必要がある。そう考えると春か秋が適期のように思われるが、春の入山は雪渓の状況との相談になるだろう。一般登山ルートとしてはかなり難度が高く、テープやペンキマークのあるバリエーションルートと言ってもよいほどだ。要所にクサリやロープもあるので登るのに特別な技術は必要ないが、失敗は許されない箇所も多く、ワンミスが重大事故となる可能性が高い。長い時間緊張を切らさないことが求められる。ただし、岩が濡れているときは、それこそ命がけになってしまうので避けた方が無難。それらを苦労してクリアしても、あの圧倒的な岩壁は眺める価値があるといえる。(K.Ku) |
概念図 |
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トラック |
登り=赤 下り=青 |

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