船形山域の県境尾根にある白髪山を関山トンネルから目指した。結果は白髪山の手前の戸立山で中退となった。要因は午後3時頃から雨の予報に合わせて下山しようとしたこと、スタートが少し遅くなってしまったこと、積雪でペースが上がらなかったこと。まあ言い訳はこのくらいにしよう。しかし、なぜか予報は外れ雨が降ることはなかった。なお、白髪山は「しらがやま」と読みそうなものだが何故か「しらひげやま」と呼ばれている。
トンネル脇の登山口から冬枯れの斜面で標高を上げていくと辺りにはちらほら雪が見えてくる。尾根を乗越して西側斜面のトラバースになるとたちまち道は雪に覆われてくる。今シーズン初の雪の感触は楽しいがスリップするのでペースは上がらない。トラバースしきったところがとコブノ背(995m)という小ピークである。積雪深は5センチほどで先行者の足跡がある。ガスで眺めもなく淡々と歩を進めるとアオノ背(1,065m)という小ピーク。刈り払いされた形跡もあり道は明瞭で間違うことはないだろう(後で調べると今年個人で刈り払いした方がいたようだ)。前から男女2人が来たので言葉を交わす。寒風山の少し先まで行って引き返してきたとのこと。こんな天気の日に登る人がいるものだと自分達はさておいて感心する。
やがて我々も寒風山に到着。地面には古い山名板が落ちていたが、木には真新しい山名板があった(コブノ背とアオノ背にもあり)。小休止して先に進むとやがて先ほどの2人のトレースは無くなる。積雪は10〜15センチほどだ。道はあるが雪でやや分かりにくい。何度か立ち止まり確認しながら歩く。刈り払いしてなければさらに分かりにくいだろう。奥寒風山のピーク手前で熊の足跡多数。真新しい感じで大小あり親子熊かと緊張する。遭遇しないように大声を出してこちらの存在をアピールした。奥寒風山の小ピークを過ぎると熊の足跡は無くなりホッとする。
さらに進むと朽ちかけた戸立山の山名板があった。ここから白髪山までは小一時間ほどかかるだろう。雨も心配なので今日はここで引き返すことにした。以前に戸立沢を詰め上げてこの付近の尾根に出たことを思い出す。あれからもう10年が経った。復路は来た道を淡々と歩くのみ。雪でちょくちょくスリップするが何とか転倒まではしない。帰り道ちょっとキノコでもと探すが見つからなかった。まあとにかく眺めも何も無くただ歩くだけの山行だったがトレーニングにはなった。雪も踏めたし。次回は新緑の頃にでも縦走して見たいものだ。(熊)