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No.6380 |
吾妻山(吾妻山神社) |
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山行種別 無雪期一般 |
あづまやま(あづまさんじんじゃ) |
地形図 |
山行期間 |
2020年9月19日(土) |
コースタイム |
中津川レストハウス(10:44)→登山口(11:40)→奥姥神(13:49)→奥の院(14:11,14:30)→奥姥神(14:54)→登山口(16:23)→中津川レストハウス(17:00) |
写真 |
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行動記録 |
吾妻山の地形図を見ると中吾妻山の西側に延びている道の北端に吾妻山神社とある。こんな山中深くにあることに興味をひかれ、いつか辿ってみたいと思っていたが、今回予定がぽっかりと空いたので急きょ歩いてみることにした。吾妻山神社についてはそこそこ記録があり、登山口までのアプローチは中津川レストハウスからと金堀地区の林道からとふた通りあることが分かった。金堀地区からの林道でアプローチすることにして向かうと、林道は伐採作業中で徒歩でも通れないということが分かり引き返すことになった。そういえば今日は土曜日だ。日曜日は作業がないので徒歩で通れるということだが、登山口までは林道のゲート手前に車を止めて小一時間の歩きとなるようだ。
林道を戻りあらためて中津川レストハウスからスタートすることにする。ただでさえ自宅を出るのが遅かったのだが、さらに40分以上時間をロスしてしまった。参考とした記録では、中津川レストハウスから遊歩道を中津川に下り、左岸を歩いて林道に合流して登山口に向かっているようだ。今回は地形図に点線で描いてある林道らしき跡を試してみることにした。遊歩道を少し進んでレストハウスの裏からヤブに突入すると胸までの笹ヤブだ。少し進むとなんとなく道形が確認できたが笹ヤブはかわらず続く。このままでは時間がかかると思い始めたところ、右手に伐採地が見えたのでそちらに移動すると道に下りることができた。電柱が並行して走る作業道らしき道を快適に歩く。何回か分岐があるが適当に登っていくと電柱と別れやがて道は消失する。少しヤブを進んで古い道形を見つけて追い、適当なところで斜面を上がると金堀地区からつながる林道に出た。左へと進むと300mほどで登山口があった。案内板があるので見落とすことはないだろう。
登山道へ入るとすぐに右に穏姿地蔵がある。軽トラが通れるような道を300mほど進むと唐松川に突き当たって通行止め看板がある。以前は橋があったようだが今は跡形もない。唐松川の渡渉は水量も少なく容易。対岸に渡ると右に道形が続いているのでそちらに進んでしまったがこれは間違い。何かおかしいと思い引き返すと本当の登山道は渡渉した正面やや左にあった。目立たない小さな案内板なので見落としてしまったのだ。登り始めは細くて小沢状のところもあり分かりにくく荒れた印象だが、すぐ杉の植林地になり歩きやすい道に変わる。山ブドウの実が落ちていたので拾って口に入れる。山ブドウは酸味が強く自分の好物である。
杉林の中を急登が続くと、やがてカラ松林に変わり緩やかな勾配の歩きやすい道が続く。やがて2回目の急登になると道の両脇はこの頃刈払いされたようで手入れされていることが見てとれる。勾配が緩むと林はブナとダケカンバに変わる。道の刈り払いはずっとされているようで、幅が広く快適に歩くことができることに驚くとともに感心しきりである。保全作業をしている方々には敬服しかない。緩やかな登りになり小さな地蔵のような奥姥神まで来ると奥の院まであと1キロとあった。下りになると道が岩や木の根に覆われるようになり、どこが道なのかかなり分かりにくくなる。随所にあるピンクテープに導かれるので迷うことはないが、もしテープが無かったとしたら辿り着くのはかなり困難というか不可能のようにさえ思える。さらに急斜面を下ると小沢がありその上流に奥の院があった。
奥の院に社の構築物や建物のようなものはない。御神体はしめ縄が張ってある岩で下から温泉が湧き出ている。手を入れてみると温泉といっても水温は低いようで冷たくはないという程度である。岩の左脇に流れがありここにも温泉が入っているようで、登ってみるとすぐ上で湧き出ていることが確認できた。奥の院からの流れは小沢となり小尾根のすぐ北向こう側を下る権現沢に合流して中津川へと流れるのだろう。少し古い地図には記載されているのだが、ここから道は中津川へ向かいヤケノママを経由して稜線の縦走路につながっていたという。今回確認できたブリキの案内板にも、かろうじて「吾妻山神社を経てヤケノママに至る」と読めるものがあった。
ひと休みしたので戻ることにする。一本道を戻るだけなので特に気を付けることもないのだが、2度の登り返しがあり結構足にこたえる。展望はずっと樹林の中なので少し西吾妻山が見える程度だ。熊のいる山域だが登山道では糞を見かけなかった。それでも見通しの悪いところでは大声を出してこちらの存在を事前に知らせるようにした。登山口まで下ると往路のアプローチとは少し違う戻り方を試してみることにした。林道を中津川方向へと下り、途中からヤブこぎをして唐松川を渡渉し、対岸に古い道形を見つけて午前中の作業道電柱ルートと合流した。最後は電線下の踏み跡をたどって斜面を登るとレストハウスの駐車場に出た。
吾妻山神社への道は眺めもない樹林帯の中の山歩きだが、千何百年も前に開かれたという道であり、その歴史の長さのなかでどれほどの人々がどんな思いを胸に登ったのだろうかと思うと、非常に味わい深いものがある。なお途中にヒカリゴケのある岩があるようだが今回は気づかなかった。登山適期は9月上旬に登山道の刈払いが行われた後から11月中旬あたりまでとなるだろう。(熊) |
概念図 |
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ルート |
往路=赤 復路=青 |
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電子地形図(タイル)(標準地図)を加工して作成 |
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