唐倉山に登るには、伊南村と南郷村の境に位置する木伏地区から八久保沢沿いに入る。山口から国道401号線を南に向かい林道木伏・椿平線の標識に導かれて左折する。しばらく行くと左にカヤ取り場に上がる道がある。唐倉山の案内標識があるので、すぐに分かる。カヤ取り場は林道の一段上にあり、作業小屋の跡だけが残っている。車だと10台は止められるだろうか。ここから唐倉山の全容を見ることができる。
最初は幅の広い道を登っていく。広いカヤ野には月見草が群生している。落葉樹林の中に入ると、右手に何本か踏跡が入る。コナラ、クヌギ、ブナなどが確認できる。沢を左にして、比較的はっきりしている道を進む。水の無い小沢を越えると踏跡は勾配を増してくる。やがて岩場の下部に出る。これが旙岩で右から回り込み急坂を一気に登ると尾根に出る。岩尾根に出れば今まで踏跡程度の道も比較的はっきりしてくる。岩の上に立つと見晴らしは上々である。
山頂を目指そう。やせた岩稜を登っていく。岩場には鏡岩、旙岩、烏帽子岩、日光岩、月光岩、御柱岩など名前が付いているのだが、どれがどの岩か案内板があるわけでもないので特定できない。それでも最初に立ちはだかった岩が旙岩、御神体の御柱岩は形からもそうかなと推測できる。途中、岩場の北側が切れ落ちている箇所もあり慎重に行動したい。必要であればザイルを使っても良いだろう。岩稜帯を越えると山頂は近い。1時間30分ほどで三等三角点を持つ唐倉山に着く。東側の見晴らしが良い。
下山路は南の尾根に取る。登ってきた岩稜の西尾根とは違って樹林帯の尾根道だ。急だがさしたる危険な箇所もなく高度を下げていく。途中で踏跡は不明瞭になるが、樹林の中なのでヤブはそう濃くない。忠実に尾根に沿って降りていくと杉の造林地に出る。刈り払われた枝を乗り越え、沢を渡ると林道に出る。車を置いた作業小屋跡に戻り山行を終える。なお、地元の南郷村では今後も特に登山道の整備を行う予定は無いとのこと。訪れる際は地形図を良く読んで、ルートの誤りのないよう十分注意してください。(I.I) |