磐梯山の西方に位置する猫魔ヶ岳は、標高1404mで一等三角点を持ち、カルデラ湖の雄国沼を囲む外輪山のひとつである。猫魔ヶ岳へはゴールドラインの八方台から登るのが一番近い。また、雄子沢から雄国沼休憩舎を経由して登ってくるのも雄子沢のブナ林を通るのでなかなか雰囲気が良い。今回は普段あまり人の通らない林道雄国線から登ってみることにした。
北塩原村から大窪林道を通り、標高1140mの金沢峠まで車で登ってこれる。駐車場の展望台からは、眼下に雄国沼を一望することができる。遊歩道も整備され、春のミズバショウ、レンゲツツジから始まり、初夏のニッコーキスゲの時期まで、ここ金沢峠は大勢の観光客でにぎわう。今の時期ほとんど人はいない。
身支度をして出発。尾根に沿って舗装された林道雄国線を南に向かって歩く。林道中道地線は只今工事中のため車は通れない。林道分岐からゲートのある未舗装の林道雄国線に入る。脇に遊歩道の標識があり登山道がついているが、こちらは尾根沿いの見晴台まで行って行き止まりなので間違わないように。
林道をしばらく行くと林道終点となり、登山道に変わる。樹林帯に入るので歩きやすくなる。まもなく水場になるので補給しておこう。厩岳山(うまやさん)への分岐はすぐである。右に入る厩岳山への道もきれいに刈り払いがされている。次回は厩岳山に挑戦してみよう。猫魔ヶ岳は左に入る。緩やかな登山道もここまで、いよいよ猫石の登りにかかる。きれいに刈り払いされた登山道を登っていくと猫石分岐に着く。猫石は左にあるが、先に猫魔ヶ岳に登ってこよう。標識のある分岐を右に折れる。一旦コルまで下り、登り返すと一等三角点のある猫魔ヶ岳山頂に着く。山頂の東のピークからは素晴らしい展望が保障されている。特に磐梯山が絶景である。
しばし休んだら来た道を戻り、猫石に登り返す。猫石からは雄国沼の全景が見渡せる。ここから雄国沼休憩舎を目指す。差沢を3本越し雄子沢の取水口に着く。堰堤を歩いて行くと立て直された雄国沼休憩舎に出る。偉く立派に立て直された休憩所だが、残念ながら冬に使えるようにはなっていない。あくまでも車で来る観光客のための休憩所で、以前の避難小屋としての役割は無くなってしまったようだ。
ここから一般車進入禁止の未舗装路を金沢峠まで戻る。車道の脇には夏も終わりだと言うのに、まだたくさんの花が咲いていた。ミズバショウもみレンゲツツジもニッコーキスゲも終わった雄国沼だが晩秋まで私たちの目を楽しませてくれる。(I.I)
|