飯豊の主稜線はすでに雪化粧した。それを見たくて玉川を挟んで対峙する倉手山に登ってみることにした。福島をゆっくり出発し、飯豊連峰の登山口・飯豊山荘まで車で入る。駐車場に車を止め、身支度をして出発する。紅葉が真っ盛りで写真撮りや紅葉狩りの人たちが沢山訪れている。ゲートの脇を通り湯沢を渡り温身平を目指す。紅葉の色合いが素晴らしい。ゆっくり林道を歩いて温身平に着く。ここから左に折れて取水口管理用の吊橋を利用させていただき対岸に渡る。
取水口の管理詰所の左わきを通り急な尾根に取り付く。少し登ると道は斜面をトラバースするようになる。しばらく行くと再び急坂になり、一汗絞られるころに尾根に飛び出す。652m地点・冬越途だ。尾根を北に向かって進むと送電線の鉄塔に着く。ここら辺りから尾根はヤセて両側が切れてくる。岩場のヤセ尾根を進む。やがてトンガリピークの手前の岩場に着く。トラロープを頼りに登っていくと、ブッシュを掴んで岩場を真っ直ぐ乗越してしまった。左側に微かな踏跡があるのでそちらの方がスリルは味合わなくてもすみそうだ。
岩場を過ぎて、トンガリピークの急斜面を登る。それを過ぎると左から飯豊山荘からの道を合わせる。心細かった尾根道も、ここから広く整備された登山道に変わる。25分ほど尾根道を進むと三等三角点のある倉手山に着く。途中、慎重に歩いてきたこともあってコルの冬越途から2時間を要した。ガイドブックの1時間20分からすると、だいぶ時間を費やしたことになる。山頂には遊歩道から多くの人が登ってきて賑わっていた。
さすが倉手山、遮るものは無く、雪化粧した飯豊が目の前に見える。残念ながら主稜線はガスに覆われ、100点満点とは行かなかったが、ルートの険しさ、眺めの良さからして満足のいくコースだ。
山頂でしばらく休んだ後、先ほどの分岐まで戻る。ここから飯豊山荘めがけて急斜面を一気に下降する。落ち葉が登山道を覆い尽くし、コースから外れないように下っていく。尾根が狭まってくると登山口も近い。分岐から1時間ちょっとで道路に出る。ここから飯豊山荘までは10分とかからない。(I.I)
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