福島市街地を一望できるお勧めの展望台のひとつが、この「高松山」である。標高は195mと低いものの展望の良さでは、そう引けを取らない。出発点は岡島の鹿島神社、峨ろう山ハイキングコースの案内板が目印となる。車は鹿島神社の駐車場に置かせていただく。以前はここから山道に入ったのだが、新しく北側の福島工業団地まで2車線舗装路ができて様変わりしてしまった。
まだ使用開始になっていない舗装路を先に進む。右に旧道が舗装されているので登っていくと、右に入る山道がある。これが高松山への参道だ。篠竹が少しうるさい。右から2本踏跡を合わせるが藪がかぶさって今では歩いているひともなさそうだ。山道を登っていくと林の中に入り、トラバースするように登っていく。強清水を過ぎ道が角度を増すと尾根の分岐に出る。左に折れ3分ほどで四等三角点のある高松山に着く。
山頂には石の祠が祀られている。アカマツの木々の間から福島市街が一望できる。空耳だろうかと思ったが、3kmは離れている川向かいにある信夫山から子供たちの「ヤッホー」の声が聞こえてくる。少し休んで下山にかかる。
いったん分岐まで戻り、今度は尾根伝いにそのまま進む。ピークに上がっても良いが、道は岩場をトラバースするようについている。雨の後などはスリップしないように注意したい。岩場を通過すると、すぐ分岐になる。右に支尾根があり、これが下山コースの安洞院への道だ。時間もあるので安洞院に向かう前に杵沼に寄り道していこう。
杵沼へ行くには左に折れる。少し進むと直径2m弱の小さな沼がある。ここが雨乞沼とも呼ばれる杵沼だ。昔干ばつの時に村人が雨乞いをしたと言われている。本当に杵のように丸い形をした池塘で、渇水期のこの時期に満面と水をたたえている。この先も道は続いているが、どこにつながっているか確認していない。
先ほどの安洞院への分岐に戻り、南西に延びる幅の広い岩場の支尾根に入る。ここが高松山で一番展望の良いところだ。絶好の休憩ポイントなのでのんびりしていこう。次にアカマツの林を下っていくと安洞院の一番上にある地蔵尊に着く。後は境内を通り大きな山門をくぐると道路に出る。道路を15分ほど歩いて車を置いてきた鹿島神社に戻る。(I.I)
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