鹿狼山は新地町の最高峰であり、お正月のご来光から四季を通じて多くのハイカーが訪れる山で、登山路も眺望の森コース、樹海の森コースと周回出来るコースが整備された山である。最近になって、ふるさと林道「鈴宇」線の開通に併せて県境尾根沿いに新コースが出来たとの情報を入手したので計画してみた。
ふるさと林道「鈴宇」線は新地町真弓地区と宮城県丸森町大内地区を結ぶ林道で平成10年から工事を開始して、福島県側は工事が終わっているが、丸森町がまだ完成していないみたいで、平成19年度に開通式を行いたいと聞いている。林道は新地町の真弓地区から西に向かってあり、2車線の新設道路であるので起点は容易に分かる。
林道を進めると右手に真弓清水とある箇所になる。帰路の時ポリタンクに給水している人がいて、昔は真弓地区の簡易水道の水源地であった旨の石碑が建立されていて、その先に新設された「真弓清水コース」の入口がある。
そこを過ぎて、進めると県境になり、未開通のため峠にはバリケードが設けられているが、手前に4〜5台の駐車スペースがある登山口となっている。反対側には五社壇に至る登山道がある。五社壇も登る予定だったが雨のため出発が遅れたのと、三角点峰でないので今回はパスした。入口には「蔵王眺望コース」の道標があり未完成の案内板となる枠の出来たものがあるが、鹿狼山の入口の案内は無い。
登り始めは階段があったりする急登で県境尾根から発生する福島県側の登りでである。登り切ると県境尾根にのり、西側の視界が開けて晴れていれば蔵王方面が眺望出来るのであろうが、あいにくと雨上がりで眺望は無い。林の中を登って行くと地形図にある鈴宇峠に至り名残の古い峠道が確認出来る。
ここに来て初めて「鹿狼山→」の道標が現われる。その先は山頂まで土塁が構築されているのが確認され歩くのも土塁の上を歩いて登ることになる。その先「真弓清水コース」との合流点の道標があり、ポイント要所には道標が整備されている。こうして県境尾根を巡っていると20年以上も前のことになるが、初代会長N氏と沢登り終了後、田代山から帝釈山の県境を歩いた時、当時の登山道は踏み跡がかすかで、倒木だらけであったが、福島県境を踏破してみたいななどど夢を語っていたが、その後昭和63年に会津若松市にある三菱伸銅株式会社山岳部発行「ふみあと10号」により、16年に及ぶ県境尾根踏破(JR奥羽線からJR東北線に囲まれた西部区域)の記録が発刊され感嘆したがそれよりは短くてもよいから点と点を結ぶような山行を心がけててきて福島県の東北部の尾根を踏破しているんだとの思いがこみ上げてきた。「蔵王眺望コース」とあるがルートはほぼナラとアカマツの林が主で眺望となるような部分はなく、木々が緑となる季節は眺望は望めないコースである。山頂手前になると新設された手すりのある急登となり、山頂に鹿狼神社が祀られた山頂となる。山頂付近も整備されており、東屋でランチとして往路を戻る。(S.O)
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