福島から国道114号線を下津島まで行き、葛尾村、川内村と339号線を南下して茱萸平に入る。道路は山道だが時間は早い。加路川に架かる茱萸平1号橋のところから林道に入る。車をゲート手前のスペースに置いて歩き出す。ゲートより先は路面が荒れているのと、林道の奥は両側から木々がかぶさってくるので車は乗り入れない方が無難のようだ。
ゲートから30分ほど歩くと猫鳴山との分岐点に着く。右が猫鳴山、左が屹兎屋山への道である。左に道を取ると林道は山道に変わり枝沢に沿って登っていく。やがて道は沢から直角に折れて沢から離れてスギの造林地の急坂を一気に登る。手前の沢が最後の水場になるので必要であれば水を補給しておこう。
支尾根に出ると周りはモミの林になる。急な登山道もいくぶん緩やかになると岩の細尾根を通り、笹が覆う道を登っていくと見晴らしの良い岩に着く。猫鳴山の緩やかな尾根が良く見える。最後の登り返しの急坂を越せば一等三角点のある屹兎屋山の山頂に飛び出す。周りは木々で覆われ展望は得られない。一段下がったアンテナの場所の北側は展望が良い。
山頂でパンをほおばり次の目的地、猫鳴山を目指す。山頂から尾根伝いに左側の登山道を降りると、道はいったん電波施設管理道路に出る。パラボラを写真に収めてから林の中の登山道を降りていく。縦走路に入ると自然の中に引き戻される。緩いアップダウンを繰り返し進むと、途中から土塁の上を歩くようになる。鳥の声以外は何も耳に入ってこない静かな中を歩いていく。滅多に人と会うことのない山だが途中できのこ取りの人に出会い、山や鳥の話をしているうちに10分ほど時間を費やしてしまった。
やがて加路川への下山路を右に分け、すぐに三森山への道を左に分ける。次に縦走路を左に分けて右の尾根伝いに進むと猫鳴山の山頂に着く。猫鳴山の山頂はなだらかで、ケルンと山頂を示すプレートが立っているだけで、林に囲まれてひっそりしている。
車を置いてきた加路川に下るには、来た道を分岐まで戻る。分岐から左に折れ樹林帯の中をトラバースするように行くと加路川の源頭に出る。沢沿いに10分も降りると水が出てくる。沢を横切り右岸に渡利、さらに下っていくと右から枝沢が数本入る。作業道跡までくると道幅はいくらか広くなり歩きやすくなる。やがて加路川の徒渉点に出る。浅いので問題なく渡れる。すぐに登るとき確認した猫鳴山と屹兎屋山の分岐の標識の所に出る。ここからは林道をゲートまで戻る。(I.I)
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