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No.4274
塩ノ川・上部
阿武隈川支流荒川
山行種別 無雪期沢登り
しおのかわ 地形図 土湯温泉

トップ沢登り>塩ノ川・上部(くらげ滝〜浄土平)

山行期間 2009年9月20日
コースタイム パイロットファーム6号支線分岐(5:45)=貯水池奥作業道終点(6:05,6:15)→登山道(6:20)→塩ノ川(6:31,6:36)→くらげ滝(7:00)→あじろ滝(8:28〜8:45)→銚子滝(9:01〜9:27)→やな滝(9:38)→雪代の床(11:49)→二俣(12:11)→浄土平・橋(13:30)→兎平駐車場(13:44)
写真
パイロットファーム6号支線から登山道への踏跡 溯行を開始するとすぐに大きなゴーロ くらげ滝(15m)は右岸を小さく捲く(7:00)
くらげ滝を捲き終わると、すぐに12m滝が現れる(7:15〜7:27) 3m小滝も泳がなければ捲きになる(7:35〜7:40) 溯行図には記していないが小滝が続く
7m滝は上部の4m滝とともに右岸を捲く(8:16) 奥に見えるあじろ滝は10mほどか(8:28〜8:42) 4m滝、小さな滝も釜を持つ(8:47)
へつりも楽しい 13mの銚子滝は左岸を小さく捲く(9:01〜9:15) やな滝は6m程度、左岸を小さく捲く(9:38)
3m小滝の微妙なへつり(9:44) 3条の滝は2.5m?(9:57) 塩ノ川は脆弱で今でも崩落が続いている(10:16)
小沢が苔の上を流れるように落ちてくる(12m滝)(10:23) 10mカレ滝、塩ノ川の水源でもある。この上部はカレ沢(11:09) 20mカレ滝は右岸を捲く(11:34)
20mカレ滝を越えると「雪代の床」が延々と続く(11:49) 二俣から右に入ると、すぐに30mカレ滝が出てくる(12:27) 右側を直登する
上部はゴーロ(12:49) 7mチョックストーン滝(12:57) 一旦登山道へ上がる(13:13)
登山道は再び沢を横切る(13:26) スカイラインの橋を潜ると浄土平の湿原である(13:30) 一切経山が正面に見ることができる
写真は拡大してみることが出来ます

行動記録
 今年はシルバーウィークとやらで5連休で高速道路は渋滞だそうだ。残念ながら交代制勤務のものにとっては連休は無縁のようで、たまたま1日だけ休暇が取れたので、雨で流れていた塩ノ川を再度計画した。久々好天に恵まれて絶好の沢登り日和りとなった。
 前日の夜に、仕事を終えてから磐梯吾妻スカイラインの兎平駐車場に車を1台デポした。なお、溯行を終えてからの交通手段としては、浄土平から15時40分発の定期バスも運行されているので車をデポ出来ないときは、バスを利用する方法もある。
 朝5時30分、車デポ組と当日朝集合の組が吾妻パイロットファーム6号支線の分岐に集合し、車を乗り合わせて貯水池奥の作業道終点まで車を乗り入れる。最近、吾妻パイロットファーム6号支線は刈払いがされていないので車に傷がつくことを覚悟しないといけない。乗り入れるのであれば軽トラが良いかも知れない。
 作業道奥からは5分ほどで土湯温泉〜浄土平の登山道に出ることができる。キノコや山菜採り、釣り人などが結構利用している。
 登山道に出たら一杯清水方面へ少し進み、つばくろ滝〜ぎんぜんの滝のゴルジュ帯をパスして塩ノ川に降りる。車を置いてきた作業道奥から歩き始めて15分ほどで塩ノ川に下ることができる。ここは先月の塩ノ川下部の溯行を終えた箇所でもある。
 塩ノ川は荒川同様に脆弱な地質で岩の崩落も頻繁に起きている。そのため大きな岩が行く手を阻み、乗り越えるのに結構なアルバイトを強いられる。溯行を開始して20分ちょっとで最初の滝「くらげ滝」に出合う。くらげ滝は落差15mほど、以前はハングになっていて、まさに「くらげ」のようだったが崩落が進み滝の落ち口が後退して今の形になった。
 くらげ滝は左右どちらでも捲くことが出来るが、右岸を小さく捲いて沢に降りることができる。すぐに12m滝になり、写真に収めてから、すぐに右岸の捲きに入る。
 次に3m滝が出てくる。手前が深くい瀞になっている。泳げば行けそうだが、濡れるのを嫌って左岸を捲く。この後も小滝は続き、その後出てくる7m、4mの滝は右岸を小さく捲いて通過する。
 8時28分、あじろ滝がゴルジュの先に見えてくる。落差は10mほどもあるだろうか。奥まで行って写真を撮ることも可能だが、戻るのが大変そうなので手前で写真を撮って捲きに入る。捲きが終わるとすぐに4m滝が現れ、その後へつりをしながら淵を通過するようなところもある。
 次に出てくるのが「銚子滝」である。滝の高さは見る人によって異なり、滝に出くわすたびに、記録を何メートルにするかで意見が分かれる。それも楽しみのひとつで、協議の結果、「銚子滝」は落差13mで落ち着いた。
 銚子滝を過ぎると、沢はようやく上部が開けて明るくなる。様相は河原に変化し、ようやく距離が稼げるようになる。中州を過ぎると6m「やな滝」が出てくる。やな滝は左岸を小さく捲ける。
 やな滝を過ぎると、次は釜を持つ3mの小滝が出てくるので、左岸を通過する。次に3条になって落ちる2mほどの小滝が出てくる。小滝だが特徴があるので溯行図にも整理した。
 20分も進むと右岸が崩落している箇所に出る。塩ノ川下部の崩落も激しいが、上部もまた崩落が進んでいる。
 崩落地を抜けると左岸から苔むした12mほどの滝になって落ちる小沢を合わせる。ここらへんまで来ると水量はだいぶ少なくなる。この小沢出合でのんびりと休憩する。
 再び溯行を開始し、11時09分に10mほどの涸れ滝と出合う。釜は苔むしグリーンの色をし、すべての水がここから湧き出し、塩ノ川の水源となっている。ここから先、塩ノ川は涸沢になる。左側を直登し上部に出る。すぐ上部に6m涸れ滝があるので、こちらは右岸を小さく捲く。次に11時32分、20mの涸れ滝が出てくる。右岸を捲き沢に降り立つと塩ノ川の見所のひとつでもある「雪代の床」になる。磨かれた川床は変化に富み飽きることがない。雪代の床はこの上の二俣まで20分以上も続く。
 写真を撮りなから「雪代の床」を進み、12時11分、二俣に着く。左俣は、兎平の南側を通り東吾妻まで続いている。小休止を取ってから右俣に入る。
 右俣に入るとすぐに勾配のある30m涸れ滝に出合う。登るに従って勾配は増し、上部まで上がると結構な高度感がある。
 次に沢はゴーロになり、7mのチョックストーン滝が出てくる。ここまで来ると左岸は吾妻小富士の斜面で、少し上には土湯温泉からの登山道がある。沢をそのまま詰めても良いが、右岸の岩場を直登しザレ場を登って登山道へと上がった。
 登山道は塩ノ川を横切って吾妻小屋へと続いている。塩ノ川は水の無いゴルジュ帯を過ぎると、再び沢に水が戻る。登山道が横切るところから沢に戻り、最後は浄土平のスカイラインの橋から道路に上がった。
 塩ノ川は、泳いで中央突破でいくつかの滝を登ることも出来るが、ロープを出せばそれだけ時間はかかる。また、登攀技術も要求される。私たちの沢登りのしかたは滝の登攀が目的ではないので、自分たちの力量で登れる箇所以外は捲いて滝を越えた。今回はロープは使用しなかったが、初めての人がいれば最後の30m涸れ滝は確保してあげた方が良いかもしれない。
 以前は毎年のように入っていた塩ノ川だが、体を壊してからここ20年ほど入っていなかった。所々崩落が進み、様相も変化している。特に高山側の崩落がひどい。(I.I)


溯行図



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