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No.4547
葛根田川
八幡平
山行種別 無雪期沢登り
かっこんだがわ 地形図

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山行期間 2011年9月17日(土)〜18日(日)
コースタイム 9月17日  滝ノ上温泉駐車場(6:05)→入渓(6:53)→明通沢出合(7:36)→大ベコ沢出合(7:54)→お函(9:11)→大石沢出合(9:37,9:49)→沼ノ沢出合(10:17)→中ノ又沢出合(10:28)→葛根田大滝(10:50,11:00)→滝ノ又沢出合(1207)→北ノ又沢左俣(12:21,12:28)→20m滝(14:05,14:12)→大場谷地(15:23)→八瀬森山荘(15:30)
9月18日  八瀬森山荘(6:15)→関東森(6:47)→1283m地点(7:46)→関東森分岐(9:22,9:30)→小畚山(10:22)→1448.1m三角点峰(10:48)→三ッ石山(11:34)→三ッ石山荘(12:03,12:29)→滝ノ上温泉・登山口(14:28)→駐車場(14:32)
写真 写真は拡大してみることが出来ます
駐車場にはトイレと休憩所ができた 葛根田川の地熱発電所 県道はここまででゲートから先は地熱発電所の敷地になる
葛根田川の遡行を開始する 左からナメ滝で小沢が合わさる 明通(あけどおし)沢出合
左岸から大ベコ沢が入る ダイモンジソウ
今年は水量が多いようだ コバルトブルーの流れ 流れが早くへつる場面が多い
お函では右岸から見事な滝で枝沢が合わさる 沼ノ沢出合手前の3m滝 中ノ又沢出合
左岸から3段25m滝が合わさる 葛根田大滝は左岸捲き 北ノ又沢左俣は川床を比べると左支沢のような感じ
左俣は6m、3m滝でと高さを上げる 小さなナメ滝も出てくる ナメも多い、雨もやみそうにない
20m斜瀑 右岸を小さく捲いて落口へ 2段8mは右側を直登
大場谷地へ飛び出す 八瀬森山荘に着くと雨も土砂降りとなった 関東森の標識
1283m地点の標識 大深へ分かれる関東森分岐 三ッ沼までくると小屋は近い
三ッ石山の山頂 三ッ石山荘 滝ノ上温泉の登山口

行動記録
9月17日
 前日に福島を発ち、滝ノ上温泉へと向かった。盛岡ICを降り国道46号線で雫石へ、葛根田川に沿って県道212号線に入り何処までも行くと滝ノ上温泉に着く。6年前には砂利の駐車場だったのが、いつの間にか舗装されトイレのある休憩所も作られていた。テントを張るのをやめて休憩所で休ませてもらうことにした。
 翌朝、目が覚めるとドンヨリとした天気、朝から雨が降っていたら尾根歩きに変更しようと思っていたが何とか行けそうな感じ。天気予報では朝方から雨の予報なので「お函」の手前で降ってくるようだったら戻ることにして出発する。今回のメンバーは4人全員が60歳以上で、何歳まで沢登りが出来ることやら。まあ年齢に見合った沢登りも有りと言うことで歩き始める。
 県道194号線を20分ほど進むと最初のゲートに着く。ここから先は地熱発電所の敷地で立入禁止になっているが、沢登りや釣り人は昔から歩いているので失礼させてもらい道路を進む。道は対岸に渡り最後の施設のところで2番目のゲートに出合う。この先は未舗装の古い林道で草木が生い茂りヤブもかぶさる。林道が右にカーブするところから葛根田川に降りる。降りたところは広い河原になっていて川幅いっぱいに流れている。今の時期としては水量も多い。時々渡渉するのだが水は膝上で流も強く、転倒すると流されそうだ。肩を組みながらみんなで渡渉する。7時36分、明通沢の出合に着く。明通沢は河原で出合う。次は出合うのは大ベコ沢で左岸から末広がりの綺麗なナメ滝で合わさる。本流はさしたる変化もないのに両岸からはきれいなナメ滝で枝沢が合わさる。
 変化の無かった本流も、いよいよ深い淵などが出てきて様相が一変する。中流の核心部「お函」と呼ばれているところだ。右岸には20mほどのナメ滝がかかっている。さすが葛根田川、スケールはあるし綺麗だ。へつりもあるが増水時を注意すれば、お函のゴルジュ帯も難なく通過できる。
 お函を抜けるとすぐに大石沢出合だ。大石沢出合には9時37分に着いた。水量比は1:1、天気ももう少し持ちそうだ。いずれにしてもここまで来たら咲きに進むしかない。大石沢の出合は広く、雨が降らなければテン場になりそうなところもある。
 この先、沼ノ沢までは30分ほど出合は10mの斜瀑。その中ノ又沢は出合奥に3つの滝が確認できる。中ノ又沢の出合も水量比は1対1である。
 葛根田川も流を分けると共に水量が少なくなる。右に3段25mの滝で支沢を合わせると、いよいよ葛根田大滝が姿を現す。手前に小滝、それぞれに釜を持つ。写真に納めてから、左岸の踏跡を利用して捲く。次に正面に30mほどもある滝が見えてくるが、これは枝沢にかかる滝で、葛根田川は左に大きくカーブする。
 滝ノ又沢は水量比1対1で出合う。左岸に幕営跡があり、ここで泊まる人もいるようだ。増水時はちょっと危険な感じもする。ここから沢は葛根田川は北又ノ沢になる。3mほどの滝を越えると沢は二俣に分かれる。私たちは八瀬森山荘に泊まる予定なので左俣に入る。水量は1対2で、川床も右俣の方が低く右が本流、左が左支沢のようだ。確かに右俣は大白森の湿原を持ち、集水面積も2倍ある。
 左俣にはる6mの滝がかかり一気に高度を上げる。ゴルジュを越すと沢は平坦な河原歩きになる。やがて沢は3対2で左沢を分ける。資料では右沢に20mの滝があり、大場谷地の間に出るつもりで右沢に入る。右沢に入るとナメが続くようになる。左右から枝沢を合わせ、50分ほど歩くと20mの滝が目に入る。直登は無理なので右岸の捲きに取り付く。踏跡がしっかりと付いている。滝の上部もナメ、すぐに2段8mの滝が出てくる。左岸のバンドを利用し直登して上部は草付きを登る。ここまで来て落ちてケガをするのもいやなので用心のためロープを出した。。
 沢は源頭に近づいて水量も少なくなってきた。次の二俣は1対1に分かれる。大場谷地湿原に出るように左、左とルートを取り進む。倒木が邪魔だが何とか越えて15時23分に大場谷地湿原に出た。登山道は小川のようになっていた。湿原を5分ほど歩いて八瀬森山荘に着いた。小屋に付いたとたんに雨は土砂降りとなり、雷を伴った雨は翌日まで断続的に降り続いた。小屋の手前にある水場も雨のためニゴリ始まった。

9月18日
 雨は一晩中降り続き、翌朝は最初から雨具を着け、明通沢を下降するのはあきらめて尾根通しに登山道を歩いて滝ノ上温泉へ戻ることにした。登山道は濁流とかし、その流は沢の源流へと流れ込む。沢に降りることは自殺行為に等しい。フェルトの沢靴で尾根通しに関東森分岐を目指す。歩き始めて3時間、ようやく大深岳との分岐である関東森分岐に着く。思ったより早いと感じたが、ここからが長かった。小畚山を過ぎ、1448.1m三角点峰を越え三ッ石山に着いたのが11時34分、もう5時間30分も歩いている。小屋にはまだ着かない。雨でモヤのかかる三ッ石山荘に着いたのは12時を回っていた。小屋の中はハイカーで一杯だった。表で食事をしているうちに先客が動き始まったので小屋で休むことが出来た。小屋の中は風が無いだけ暖かく感じる。ゆっくりと休んでから滝ノ上温泉へと下山する。途中、大松倉橋への道を分け林道を横切り2時間かかってようやく滝ノ上温泉に着いた。葛根田川はゴロゴロと雷のような音をたて、濁流とかしていた。これだから沢は怖い。遡行途中だったらまる2日間閉じこめられたに違いない。土砂降りの中、お風呂で汗を流しスッキリしてから帰路についた。(I.I)

溯行図
作図:和

トラック 登り=赤

一部データが取れなくて飛んでいます

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