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No.4811
姥滝沢
吾妻山・須川支流
山行種別 無雪期沢登り
うばたきさわ 地形図

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山行期間 2013年6月23日(日)
コースタイム 微温湯温泉(9:08)→(タイムロス)→姥滝沢(10:23,10:35)→姥滝下部(11:07)→姥滝上部(11:33)→休憩(12:44,13:04)→三俣(13:21,13:41)→登山道(13:58)→微温湯温泉(14:36)
写真 写真は拡大してみることが出来ます
微温湯温泉入り口 以前は電柱にある表示板に「姥滝沢」と見えたはずだが… 姥滝沢へは山道を登る
入渓点(昔は橋がかかっていたようだ) ゴロゴロとした大岩が多い 前方に岩壁が見えてくると沢の斜度が増す

 
姥滝が見えてきた

 
大岩を登るのはボルダリングのようだ
姥滝
左岸から高巻く 巻き終えて落ち口上部に降り立つ 姥滝のすぐ上にあるF2の夫婦滝

 
F3手前の岩滝で先行者に追いついた

 
Yさんのいる所からこちら側へがちょっと嫌らしい
巻き終えた先行者が落ち口に見えるF3(6m)
F4(5m)を直登 F5(6m)は戻り気味に左岸を高巻く F6(5m)は左岸を高巻く
F7(4m)は直登 両岸は溶岩特有の景観 一切経山が見えてきた
三俣の左俣(画像には見えていない)は涸れている 磐梯吾妻スカイラインが見える 吾妻小富士を見ながら登山道へ向かう
葉裏に綿毛が無いのでハクサンシャクナゲと思われる マルバシモツケ ウラジロヨウラク
イソツツジ イワカガミ トラック

行動記録
 毎年行われている沢登り教室は、福島登高会が担当となっている。今年の開催日は7月7日だが、場所は吾妻の姥滝沢となった。ここ数年はれまでは、大滝沢や杉田川で行っていたのだ。この沢での沢登り教室は初となる。ここ数年は会でも遡行しておらず、自分も姥滝沢は3年前に遡行して以来だ。そんなわけで、沢登り教室の事前調査として久しぶりに姥滝沢を訪れた。パートナーはYさんだが、彼も沢登りはかなり久しぶりのようだ。でも彼の場合、久しぶりだからどうのこうのという心配は一切いらない。
 微温湯温泉への道は県道126号だが、狭いし現在工事で通行止めなので、通称パイロット道路から向かう。姥滝沢には微温湯温泉からしばらく歩いて入渓する。温泉の手前にロボット雨量観測所があり、そのすぐ先から右手の林の中に伸びる踏み跡をたどる。しかし、ちょっとしたトラブルが2人それぞれ発生し手間取る。さらには、思い込みから道を間違ったかと錯覚して引き返し、また登り返すことになり大幅なタイムロス。普通なら30分とかからないアプローチに、なんだかんだと1時間以上を費やしてしまった。何はともあれ、10時23分、やっと姥滝沢に到着。やれやれと小休憩後、予定より1時間遅れて10時35分に遡行開始する。姥滝沢は集水面積が狭いので水量は多くない。比較的小さな沢の部類になるだろう。さて、初心者がこの姥滝沢を登ることを想定し、チェックしてみることにした。そういえば自分も4年前は、全く何も知らない初心者だったことを思い出す。
 緩やかな沢をしばらく遡行していく。釜のような深いところはほとんど無いので、水に対する恐怖感は覚えずにすむ。逆に暑くても泳げるような所が無いのは残念。姥滝までは、ほとんど滝と言えるほどのものはなく、大岩の落差による小滝が続く。大岩の乗っ越しも問題ない。大岩の登りはラインを考え弱点を見つけて登るのだが、人それぞれ体も動きも違うので「正解」はいくつもあり、それがまた面白さでもある。初心者には要所要所でお助けロープかシュリンゲを出せばいいだろう。あえて出さずに、危険でない範囲でトライしてもらえば、さらに楽しめるだろう。少し滑りやすい岩もあるが、しっかり足をフラットに置けば問題はない。やがて勾配が増し大岩が重なるようになると、姥滝が見えてくる。
 姥滝(F1:15m)は、滝に打たれて遊んでも楽しいが、今日は素通りする。この滝は右から巻くが、最初の小尾根への取り付きが急でちょっと嫌らしい。以前より難しくなった印象だ。ふと、今まさに巻き始めている単独男性に気づき声をかける。姥滝沢の遡行者は少ないので、滅多に他のパーティーに出くわさないのだ。Yさんと打合せ、教室の時はここの5mほどはロープで確保し、安全第1で登ってもらうことにする。急斜面をブッシュ頼りに登るが、フリーでも大丈夫だろう。巻き終えて沢へ下るときも、気を抜かないよう声がけが必要。
 夫婦滝(F2:3m)で先行者に追いつく。そのすぐ先のF3(6m)は、ちょっと難しいが左壁の直登も可能。以前来たときの2回は左壁を登った。しかし、沢靴のフリクションギリギリという感じで、以前ならいざ知らず今日の自分はトライする気にならない。Yさんも少し登って様子を見るが、無理せず下りてきた。先行者に左岸を巻けると言うと、スルスルと登っていった。沢登り教室でも左岸の巻きとなるだろう。ただし、巻きの終盤でバンドが切れていて、そこを越えて落ち口へのトラバースが嫌らしい。ここのブッシュには残置シュリンゲもあった。沢登り教室では、ここにロープをフィックスすることになるだろう。参加者が怖い思いをしないよう配慮が必要だ。
 F4(5m)は水流左を直登。F5(6m)は落ち口がハングしているので、滝に打たれて遊べる。この滝は左岸というか、右の岩場から巻くのだが、少しかぶり気味なので戻り気味に回り込むと登れるところがある。高巻きは登りやすい所を探して登るのが基本。一段登った後はブッシュに頼り過ぎずに、慎重にトラバースしたい。ここは登ってみせればロープはいらないと思うが、その時のメンバーによっては考えたい。F6(5m)は左岸のブッシュ帯を小さく巻くが、特に問題なし。
 両岸が崖となって迫ってくると、最後の滝F7(4m)が現れる。階段状で容易に直登できる。やがて沢は平坦となり、開放的な風景に変わる。正面に一切経山と、磐梯吾妻スカイラインが見えてくる。一切経山は山腹から盛大に、水蒸気らしき白い煙を噴き上げている。車やバイクの音が遠く聞こえ、沢を詰め上げると人くさいというのもちょっと変な感じだ。途中でゆったりと昼食休憩する。三俣まで来ると休憩する先行者がいたので、また話し込んでしまう。地形図にある三俣は、左俣が小さく涸れているため、一見二俣のように見える。三俣の中央を少し進んでから、左手のブッシュを上がる。
 草地を横切り登山道を目指す。吾妻小富士が眼前にあり、山頂に人影が小さく見える。しかし、地形にアップダウンがあり、もう少し沢を詰めてからの方が楽だったようだ。草地が平坦になると登山道に出る。今日のような日なら、ここの草地で昼食にしても気持ちが良いだろう。登山道を微温湯温泉へと戻る。はじめは普通に歩いていたが、道が刈草や落ち葉で柔らかい感触になると、やおらYさんが走り出した。こちらも追いかけ、40分弱で微温湯温泉に着いてしまった。まさか沢登り教室の時は走らないだろうが。
 姥滝沢は直登できる滝が少なく、小ぶりでコンパクトだ。しかし、景観は変化に富んでいて、滝遊びもできるので楽しめるだろう。全体的に難しくはないのだが、ちょっとしたところで一部嫌らしい箇所があるので、その部分は注意が必要だ。今回ロープは出さなかったが、30mが1本あればいいだろう。そういえば登っている途中で、どこかは忘れたが硫黄の匂いがした。温泉が出ている所があるのかもしれない。7月7日は楽しく有意義な沢登り教室となり、少しでも沢登り愛好者が増えるきっかけとなることを願う。
 ところで、出会った単独の先行者だが、途中追いついたときに話してみると、何とKさんだった。以前2度ご一緒しているはずだが、お互い顔を忘れてしまっていたのだ。Kさんから「以前はもっと顔が丸かったよね?」と言われた。当時と体重は変わっていないのだが、はて?。(K.Ku)

溯行図

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