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No.4851
コガ沢 蔵王・白石川児捨川流域垂清川支流
山行種別 無雪期沢登り
こがさわ 地形図

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山行期間 2013年9月15日(日)
コースタイム 白石スキー場(7:56)→入渓(8:36)→5mナメ滝(9:40)→権現沢出合(10:27)→10mナメ滝+10m滝(10:55)→8m滝(11:37)→滝沢出合(11:52)→黒滝沢出合(11:54)→登山道(13:10,13:38)→不忘山(14:06)→白石スキー場(15:50)
写真 写真は拡大してみることが出来ます
沢コース案内板 入渓地点  しばらくはゴーロ歩きが続く
5mナメ滝 5mナメ滝上部から 4m滝
Sさんが登る 左から権現沢が滝で落ちる 3m滝
4m滝はショルダーで 10mナメ滝+10m滝の全景 10m滝
上部も滑りやすい 3m滝その1 3m滝その2
8m滝 うっすらと見えた稜線 右から黒滝沢が落ちる
落石に注意しながらルンゼを登る 急峻だが難しくはない 頼もしい2人
ヤブこぎ エゾオヤマリンドウ 稜線に到着

行動記録
 9月も中旬となると、今シーズンあと何回沢登りに行けるか気になるようになる。晴天ばかり狙っていたのでは、なかなか思うように行けないので、少々の雨でも行くことにしている。とはいえ沢登りの場合、雨は要注意である。雨で増水すると難度が増し危険でもあるので、時には遡行不能で撤退ということになる。現在地が降っていなくとも、上流で降った雨で突然の増水になることもあるから恐い。先週の小阿寺沢は終日小雨だったが、いつもは涸れ滝が立派な滝となり、ちょっと時間がかかった。この3連休は土曜日が動けないので、日月で泊まりの沢を企画していたが、台風18号の接近で断念。日曜日は午後3時からの降雨予報ということで、近場の沢なら大丈夫だろうとコガ沢を遡行することにした。コガ沢は昨年雨で退却した沢で、今回はリトライという意味もある。
 白石スキー場の駐車場よりスタート。今日のメンバーは先週と同じIさんとUさんに加え、Sさんの4名である。予報より早く雨がポツポツ降ってきたので、最初からカッパ着用である。ゲレンデを登り水引コースの登山口へ。動いたので暑くなり、雨も大したこと無いカッパを脱ぐ。コガ沢左岸の登山道をしばらく歩き、沢コースの案内板から下降して沢に下りる。以前はあったという沢コースも、今は踏み跡も無くなり案内板が残るのみである。
 入渓したところはナメだが、やがてゴーロとなり続く。昨年は紅葉を楽しめたのだが、もちろん今年はまだである。沢を小一時間歩くと、やっと滝らしい滝が現れる。5mナメ滝は右から容易だが、濡れた岩のスリップに注意したい。
 両岸が狭まりゴルジュ状になると、その向こうに滝が見える。落ち口左岸から枝沢が落ちる4m滝を、左から直登するとすぐ権現沢出合だ。権現沢は5m滝でコガ沢に合わせる。この出合のすぐ上を、水引コースの登山道が横切っている。雨が強くなってきた。再びカッパを着る。増水すれば撤退もありうる。ここでの遡行打ち切りも考えたが、いざとなれば右岸に逃げることにして続行することにした。稜線まではまだ標高で500m以上ある。左足が不自由なIさんは、ここで登山道経由で戻ることとなった。
 雨足との勝負と気合いを入れて遡行する。すぐの3m滝を登り、つづく釜のへつりではUんがドボン。4m滝は取り付きのスタンスが無く、ショルダーで越えると大きなナメ滝が現れる。高さは10mほどあろうか。その上にもっと斜度のある滝が見える。上の10mは岩が滑りやすく、高さもあるのでロープを出す。自分がトップで登り2人を確保。その上は斜度が寝るのだが、ナメでスリップしやすいので慎重に登る。
 3m滝を2つ越えると8m滝が現れ、お助けひもでクリアーする。一時ガスが薄れると、稜線が見えた。雨も弱くなり小雨になったのでひと安心。左から支沢が合わせてきたので、これを滝沢の1本手前の枝沢と判断したが誤りだった。左岸から、黒滝沢と思われる滝が合わせてきたので間違いに気付いた。しかし今日の条件では、戻って滝が多いと思われる滝沢を登るより、このまま本流を登った方が良さそうだと思いなおし続行する。沢は何度か枝分かれするので、水量の多い方を選び登っていく。
 斜度が増してくると、岩と土のミックスのようなルンゼの登攀となる。晴れていればほとんど流れはないのだろうが、今日はしっかりとした水流がある。やがてヤブに突入と思ったが、まだ沢形がありヤブこぎは比較的容易だ。10分ほどでルンゼに出て、最後に低いヤブを5分ほど漕ぐと稜線の登山道に到着。思いのほかヤブも薄く、あまり苦労せずに稜線に登ることが出来た。予定では南屏風岳の南に出るつもりが、逆に北側になってしまったが、まあこんなこともある。遅い昼食を取ると、靴を履き替えて下山。稜線を不忘山へと歩き、白石スキー場へと下った。下る途中で雨もあがり、青空まで見えてきたのには驚いた。何はともあれ、無事下山できたことに感謝である。
 今回は台風も接近する中、天候悪化までの間隙を突いての沢登り企画。思ったより雨足が早く続行が危ぶまれたが、天候にも助けられ遡行することができた。Iさん曰く、こんな時に沢に入っているパーティーもほとんどいないだろう。そのとおり。あまり自慢できることではないし、人には絶対勧められない。それにしても、初心者ながら黙々と付いてきてくれた2人には感謝したい。なお、GPSトラックで確認したところ、昨年4月18日に南屏風の壁を滑ったラインは、今回登ったラインとほぼ同じだった。山スキーと沢登りで、同じラインをトレースできたことは感慨深い。コガ沢の遡行記録は僅かしかない。地元の岳人がたまに登る程度だ。しかし、どんな沢でも、登ればあらたな発見、あらたな楽しみがある。次の機会には、滝沢を登ってみたいものである。(K.Ku)

ルート図
遡行図

トラック


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