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No.4994
深堀沢 吾妻山 阿武隈川杉田川流域・夏無川源流
山行種別 無雪期沢登り
ふかほりさわ 地形図

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山行期間 2014年7月26日(土)
コースタイム 滑岩橋・入渓(8:03)→840m二俣(9:19)→林道横断(9:45,9:58)→1090m二俣(10:47)→2段30m滝(11:12)→6m滝(12:26)→登山道(13:11,13:35)→奥岳登山口(15:06)
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滑岩橋より入渓 平凡なゴーロが続く 直径1.2mほどのヒューム管
赤茶けた岩の小滝 林道横断箇所のヒューム管 釜とナメ滝5m
斜度が緩いので容易 さらに100mほどナメが続く 苔むした岩が増えてくる
小滝 釜でクールダウン 出てくるのは小滝ばかり
二俣では水が少ない右俣へ進む 2m小滝 5m滝
次の5m滝 2段30m滝 下段のナメ滝を登る
上段も直登する シャワークライミング スタンスとホールドは十分にある
最後の6m滝 ここもシャワーで登る 最後の詰めは笹ヤブ

行動記録
 毎年恒例の夏合宿だが、故障者や都合がつかないメンバーが続出。実際に沢登りをするのは26日4名、27日3名と少々というか、かなり寂しい陣容となってしまった。しかも、そのうち2名は今年入会したばかりの新人さんで、もう1名はSa女史。必然的に自分がリーダーということになってしまった。泊まりは沢の中ではなく「アットホームおおたま」のコテージに決定済みだったので、入渓するのはその周辺の沢で考えるということになる。色々考えたがアドバイスもあり、26日は安達太良山の深堀沢に、27日は吾妻山の不動沢に決定した。特に深堀沢は、福島登高会が1981年に遡行して記録しているが、他には童人トマの風と徒登行山岳会などくらいしか見あたらない。釣り人は入っているようだが、それも中流部までのことだろう。深堀沢は記録によると、それほど大きな滝もなく比較的易しい沢のようである。ならば今回のパーティーでも遡行可能だろう。自分にも引っ張り上げることができそうだ。深堀沢は地形図には夏無川と記されている。しかし、登山大系でも深堀沢となっているので、おそらく夏無川の上流を深堀沢と呼ぶのだろう。川や沢の呼び方ではよくあることだ。
 26日は奥岳登山口の駐車場に集合し車をデポする。サポートのIさんに入渓点まで送ってもらう。未舗装の県道に架かる滑岩橋が入渓点になる。今日は30mロープ1本で十分と思えたが、念のため2本持つことにした。深堀沢は先週の中津川や大滝沢に比べると小渓である。水量も少ないので、大きな沢で感じる緊張感もなく歩いていく。魚影があるなと思ったら、前方に釣り人を発見。後からそっと声を掛け、いったん左岸に上がって先へと進む。流れは樹林の中を緩やかに続き、これといった滝も現れないので退屈でもある。すると790m辺りで突然、崩れたヒューム管が現れた。おそらく以前、この辺りで林道か作業道が横断していたのだと思われる。840mの二俣は、1:2で水量の多い右俣を進む。しばらく遡行していくと再びヒューム管が現れた。今度は現在もしっかりと道が沢を横断している。地形図にも実線で記されているので、以前から使われている林道なのだろう。ただし、1981年の遡行図には記されていない。林道にはわずかに轍が見える。今でもここまで入ってくる車があるのかもしれない。遡行開始から時間も経過したので、この林道横断箇所で休憩とする。
 林道横断箇所から上でも魚影を結構見かける。沢に体を合わせているのか、小型から中型程度のものばかりだ。釜に落ちるナメ滝(5m)が現れ、やっと沢に変化が出てきた。ナメ滝の上にもナメが100mほど続く。ゴーロになると少し傾斜が出てきて高度を上げる。岩は緑に苔むしているものが多い。小さな釜があったので、水に体を沈めてクールダウンする。またナメになったと思ったら、1090mで二俣に出合う。今度は3:1ほどと左俣の方が水量が多い。しかし、ここは水量の少ない右俣が本流であり、地形図にも右俣の方に水線が入っている。地形図で見ると集水面積は明らかに左俣の方が小さく、なぜ水量が多いのか不思議である。いずれ左俣も調査遡行してみたい。
 右俣へ進むと水量がかなり少なくなり、すぐ連続する小滝を越える。岩の重なる5m滝を登るとすぐ左から5m滝が落ちるが、どちらも容易に登ることができる。さらに数分で高さのある滝が現れる。下段はナメ滝10mだが、フリクションのある岩質で容易。上段は15mほどで傾斜は立っているが、直登可能と判断した。自分がロープを引いて右から登ると、水を被りながら中間で左に移りそのまま上まで抜けた。さらに上にも5mほどあり、全体で2段30mというところだろう。後続の新人達にもシャワーに打たれながら登ってもらう。この滝の処理に約1時間を要した。なおこの滝は、右のルンゼからも巻けるようだ。
 さて、記録では最後に10m滝が記されている。まだかと思いながら登ること15分でその滝が現れた。しかし高さはどう見ても6m程度しかない。見ると下部が崩落した岩で埋まっている。崩れた岩で滝が低くなってしまったようだ。この滝は直登しようとすると、必然的に狭い落ち口に導かれる。シャワーで登ったが岩が脆く石を落としてしまい、下の者に冷や汗をかかせてしまった。落ち口で後続を肩がらみで確保し、短いシャワークライミングを楽しんでもらう。滝の上は源頭の様相となり、両側から笹ヤブが迫ってくる。1330m辺りの二俣は水流の無い左を選び、その後もほぼ西に向かうとやがて沢形が消える。ヤブこぎすること7〜8分で、安達太良山表登山口からの登山道に飛び出た。遅い昼食休憩を取り、登山道を仙女平分岐までは登りとなる。その後は五葉松平、あだたら高原スキー場を経由して奥岳登山口に下山した。
 深堀沢は前半が長く平凡だが、後半で滝も出てきてそれなりに楽しめる。確認は必要だが林道が通行可能であれば、林道横断箇所からの入渓が合理的かもしれない。なお、ロープは30m1本で十分である。(K.Ku)

遡行図

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